2016年F1第14戦イタリアGP 決勝トップ10に入ったドライバーたちがレースを振り返った。
■メルセデスAMG・ペトロナス・フォーミュラワン・チーム
ニコ・ロズベルグ 決勝=1位
ここモンツァで勝つことは僕にとって大きな意味がある。週末を通して観客が素晴らしかったが、特に表彰式はすごかった。
僕にとって特別な勝利だ。ここの表彰台に立って、何千人もの人たちと一緒に歌った時には鳥肌が立った。
僕にとってレースは完璧な展開になった。いいスタートを決め、後ろのマシンとのギャップをコントロールすることができた。今週末、マシンは本当に素晴らしかった。チームの全員に心からお礼を言いたい。
シンガポールが楽しみだ。去年は僕らにとって一番よくないレースだったから、そこから学習し、より強くなって戻って来たいね。
(トップ3記者会見で語り)すべてはスタートで決まった。すごくいいスタートを切り、それが勝利をもたらした。すべてはそこで決まったんだ。
僕らはソフトタイヤ、フェラーリはスーパーソフトを履いていた。でもいいスタートを切ったことで、(トップに立ち)ペースをコントロールして走れた。
(決勝でスーパーソフトを使わなかったことについて)僕らにとってはソフトからミディアムというのが最速のレースをするためのやり方だった。
■メルセデスAMG・ペトロナス・フォーミュラワン・チーム
ルイス・ハミルトン 決勝=2位
スタートを失敗したために勝利を失うなんて、受け入れるのが難しい。その後、ファーストスティントではひたすらタイヤを管理して走った。1回目のピットストップを終えて、2位に上がることができてうれしかった。
全力でプッシュし続け、フィイッシュする時点で、ニコ(・ロズベルグ)から約15秒まで追いついていた。
今週末の自分のパフォーマンスには満足だけど、予選が最高の出来だっただけに、それをうまく結果につなげられなかったことが残念だ。
シンガポールまでの間に、今日スタートで何が起きたのかを調べる。
(決勝中に無線で、スタート失敗は自分のミスのせいだと言ったのは)エンジニアたちがスタートについて心配しているのを知っていたから、気持ちを軽くしてあげようとしたんだ。
スタートで何が起きたのか、分からない。後で調べてみるつもりだ。僕はすべての手順を通常どおりに行った。
でもひどいホイールスピンが起きた。ニコにホッケンハイムで起きたような感じだ。
あの瞬間、最初のポジションに戻ることだけ考えていた。自分のスタート位置に戻ることを目指したけれど、ニコはどんどん遠ざかっていった。序盤の時点で勝つのは無理だと分かったが、やるだけやってみた。でも結局2位が精いっぱいだった。
■スクーデリア・フェラーリ
セバスチャン・ベッテル 決勝=3位
もちろんチーム全員にとっていい結果だと思うからすごくうれしい。僕らにとって特別なレースだ。モンツァで表彰台に立つことができて、最高の気分だよ。
でもドライバーはいつだって表彰台の一番上に立つことを目指している。ライバルたちはいい仕事をしたね。決勝での彼らは別カテゴリーで走っているようだった。
僕らは最善を尽くそうと努力し、自分たちにとって完璧な結果を出した。今週末は全体的にスムーズに進行し、マシンには何の問題も発生しなかった。エンジンのアップデートを導入することができたので、頑張ってくれたマラネロのスタッフたちに「ありがとう」と言いたい。
状況が変わりつつあると感じる。時間はまだ少しかかるだろうけど、正しい方向に進んでいる。今日のような一日を過ごすと、人生は楽しむためにあるんだと理解する。信じられないほど熱心に応援してもらった。うまく言い表す言葉が見つからないけれど、僕らのファンは世界一だ。表彰台の下はアドリア海ではなくてティフォシの海だった。
完璧とは言えないシーズンを送ってきた。大きな期待を抱き、自分自身に強いプレッシャーをかけている。ミスもした。でも一番大事なのは、チームがひとつでいることだ。まだたくさんレースが残っている。僕らのマシンは優れている。ただ「どこよりも優れたマシンだ」と言うにはまだ速さが十分じゃない。でもいつかそう言える日が来るはずだよ。
(トップ3記者会見で語り)フェラーリはいつか復活すると信じている。それがいつとは約束はできないけど、いずれその日は来る。
■スクーデリア・フェラーリ
キミ・ライコネン 決勝=4位
予選の後に予想していたよりはライバルに近づけたと思う。彼らとは違う戦略で走ったが、僕らは正しい行動をとった。適切なタイヤ選択をして、可能な限り速くレースを走り切ったんだ。
僕らのペースはすごくよかったが、これより上のポジションを手に入れるほどの速さはなかった。4位は目指しているポジションではないけれど、ここはメルセデスと戦う上で楽なサーキットとはいえないし、そこで最大限の結果は出せたと思う。
今日は、セバスチャン(・ベッテル)と僕は、ほぼずっとつながって走っていた。チームメイトと戦うときにはやれることはあまりない。相手がしようとしていることを互いに知っているわけだからね。
スタート後は少し苦労したけれど、最初のピットストップの後、彼に近づいた。でも彼は遠ざかっていった。
この数戦、僕らは正しい方向に進んでいるようだ。これからも最善を尽くして進歩を図っていく必要がある。毎戦状況は異なるし、誰かが小さなミスを犯せば、僕らにチャンスが出てくるかもしれない。
■レッドブル・レーシング
ダニエル・リカルド 決勝=5位
毎回どのレースでもポディウムを目指しているけど、現実問題として、モンツァでは僕らよりフェラーリのほうが優位に立つだろうと思っていた。それにウイリアムズとフォース・インディアも手強いと思われたので、僕は5位を目標にしていた。
昨日の予選ではそれに一歩届かなかったが、レースではその目標を達成できたし、チームとして5位と7位でフィニッシュしたことで、選手権争いの上でもモンツァでのダメージを最小限に抑えることができたと思う。
レース中盤に、僕は(バルテリ・)ボッタスの背後に近づき、何とか彼のポジションを奪えそうだと思っていた。あのオーバーテイクは本当に気持ちよく決まったよ。今晩、家まで3時間のドライブをして帰るのに、その道中、ずっとトライしなかったことを後悔して過ごしたくはなかったからね。
彼はいつもフェアなレーサーだし、ミラーで僕を見ているのもわかっていたから、ターンインで被せて来ることはないと信じてアタックすることができた。かなり距離がある状態からのオーバーテイクだったけど、バッチリ決まったので、すごくうれしかったし、いい気分だった。
僕らは戦略を少し変更して、あの時点ではスーパーソフトを履いていた。あれを決めるチャンスに出会えたのは、チームの好判断のおかげとも言える。
今季ここまでの僕らのパフォーマンスと、このモンツァで手にした成績を考えると、次のシンガポールが本当に楽しみだ。確実に上位にチャレンジできると思うからね。
■ウイリアムズ・マルティーニ・レーシング
バルテリ・ボッタス 決勝=6位
今日は自分ではもう少し良い成績を期待していた。ポディウムフィニッシュを目標にしていたが、実際にはそこまでの速さはなくて、どのスティントでもコース上でポジションを守るために、タイヤを思ったよりも激しく使わなければならなかった。その結果、スティントの終盤で苦戦を強いられることになったんだ。
純粋なペースは物足りなかったとはいえ、僕らはチームとして良い結果を手にしてモンツァを離れることができる。コンストラクターズ選手権で4位の座を取り戻したからだ。これは僕らが正しいことをやり続けば、このまま4位を維持できるという証拠であり、その意味で自信を持つこともできた。
■レッドブル・レーシング
マックス・フェルスタッペン 決勝=7位
スタートでアンチストールが作動してしまった。何が起きたのかわからないので、よく調べる必要がある。
その後はとても難しいレースになった。前を行くドライバーを抜いて行くには、どうしてもタイヤを酷使しなければならず、そうすると戦略面で妥協を強いられるからだ。でも、最後のスティントはとてもポジティブなものだった。
僕らは手持ちのタイヤで最善を尽くし、最良の結果を得たと思うし、その点では満足してもいいだろう。本来こういうコースは得意ではないはずだけど、今日はクルマの挙動がとても良かった。
シンガポールには大いに期待が持てるので、ぜひとも力強いパフォーマンスを見せたいと思っている。
■サハラ・フォース・インディアF1チーム
セルジオ・ペレス 決勝=8位
今日はあまりレースを楽しめなかった。ほとんどが単独での走行だったからね。でも、そのおかげで、少なくともタイヤを労りながら走ることはできた。いずれにしても、さらに上位を狙えるほどのペースではなかったから、これ以上の成績は望めなかったと思う。
僕らはアグレッシブな戦略にトライし、フェルスタッペンをカバーするために、2回目のストップをかなり早めにした。だが、結果としてはこれが少し早すぎて、終盤はマッサにプレッシャーをかけられることになってしまった。僕らにとっては、彼の前でフィニッシュして、できるだけ多くのポイントを持ち帰ることがすごく重要だった。
今回は難しいレースになるだろうと最初から予想していたとはいえ、さらにハードワークが必要であることが明らかになった。シンガポールでは盛り返せると思う。モンツァと比べるとまったく違う性格のサーキットで、今年ここまでのところ、僕らはストリートコースではいつも良いパフォーマンスを発揮してきたからだ。
■ウイリアムズ・マルティーニ・レーシング
フェリペ・マッサ 決勝=9位
オプションタイヤでのペースが予想したほどではなかったことを別とすれば、決して悪くないレースだったと思う。僕のレースは、実質的にはスーパーソフトに履き替えたところから始まり、その後のペースは満足のいくものだった。
タイヤの能力をもう少し引き出せれば、もっと良かったのかもしれない。ともあれ、何とかコンストラクターズ選手権4位を奪還するのに十分なポイントを獲れたことを、うれしく思っている。
■サハラ・フォース・インディアF1チーム
ニコ・ヒュルケンベルグ 決勝=10位
スタートの最初の蹴り出しは悪くなかった。だが、目の前の(マックス・)フェルスタッペンが失速したので、大きく進路を変えて彼を避けなければならなかった。おかげで、トラクションがひどく損なわれてクルマが前へ進まず、何台かに抜かれてしまったんだ。
その後、ターン4で(フェリペ・)マッサとサイド・バイ・サイドになり、ターン5で僕がアウト側になった。そこで彼のマシンが縁石に乗って跳ね、僕のクルマを軽くヒットした末に、出口で僕をアウトに押し出すような形になって、その隙に(フェルナンド・)アロンソに抜かれた。そんなわけでオープニングラップは散々だったよ。
最初のスティントでは、なかなかオーバーテイクができなくて、ピットストップを迎えるまでアロンソに抑えられていた。そして、レースの後半はほとんど単独走行になったものの、結局のところ、1周目に順位を下げたことでレースは決まってしまった。
この結果には少しがっかりしている。ここではもう少し競争力があると思っていたからだ。この教訓から学び、どこを改善できるかを理解して、さらに力をつけてシンガポールに臨む必要がある。