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Honda MotoGP第12戦イギリスGP MotoGPクラス決勝日レポート

2016年09月05日 16:51  AUTOSPORT web

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カル・クラッチロー
2016.09.04 ロードレース世界選手権 第12戦 イギリスGP 決勝

[MotoGP] クラッチロー2位で2戦連続表彰台獲得。マルケスは4位で総合首位をキープ、ペドロサ5位でフィニッシュ

2016年9月4日(日)・決勝
会場:シルバーストーン・サーキット
天候:雨のち曇り
気温:18℃
コースコンディション:ドライ
観客:7万3310人(3日間:15万5550人)

MotoGP レポート
第12戦イギリスGPは、終日、雲の多い一日となりました。気温は18℃までしか上がらない難しいコンディション。そのため、今大会もタイヤ選択がレース結果に大きく影響することになりました。前後ともにハード側の選択をした選手たちが表彰台を獲得し、地元ファンの声援を受けるカル・クラッチロー(LCR Honda)が、し烈な2位争いから抜け出して2位でフィニッシュしました。

今大会は、スタート直後に大きな転倒事故があり赤旗中断。“クイックスタート”で再開されたレースは、20周から19周に短縮されて行われました。その中で、今季初のポールポジションから好スタートを切ったクラッチローは、マルク・マルケス(Repsol Honda Team)、バレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)、アンドレア・イアンノーネ(ドゥカティ)、ダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)と2位争いとなるセカンドグループを形成。目まぐるしくポジションを入れ替える激しい戦いとなりましたが、積極的に前に出たクラッチローが2位でフィニッシュしました。地元ファンの期待に応えたクラッチローは、総合10位から8位へとランキングも上げることに成功しました。


その集団の中で、クラッチローと激しい2位争いを繰り広げたマルケスは終盤、ラスト2周でブレーキングミス。5番手までポジションを落としますが、最終ラップにチームメートのペドロサを抜いて4位でフィニッシュしました。今大会のマルケスは、フロントにソフト、リアにミディアムと、前後ともにソフト側のタイヤをチョイスしましたが、ハードを選択した選手に比べて厳しい戦いとなりました。その結果、表彰台を逃すことになりましたが、総合首位をキープ。タイトル獲得にまた一歩、前進しました。

予選4番手から決勝に挑んだペドロサは、5戦ぶりに表彰台争いに加わりました。オープニングラップは、ややポジションを落として6番手も、2位争いの集団に加わったペドロサは、最後まで好走を見せました。本来の走りを完全には取り戻していませんが、復活を感じさせる走りとなっただけに、次戦サンマリノGPでは、今季3度目の表彰台と今季初優勝を目指します。

フリー走行、予選で思うように走れなかったティト・ラバト(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)は、決勝ではタイヤの消耗に苦戦しますが15位でフィニッシュしました。これで3戦連続8回目のポイントを獲得しました。ラバトのチームメートで、2戦ぶりに復帰し、3戦ぶりの決勝レースとなったジャック・ミラー(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)は、リアタイヤの消耗でペースが上がらず16位。ポイント獲得を果たせませんでした。


MotoGP コメント
カル・クラッチロー(MotoGP 2位)
「今日はバトルに参加することができましたし、イギリスのファンを楽しませることができてとてもよかったです。ここ数週間、一生懸命がんばってくれたLCR HondaとHondaに感謝しています。今年のシーズン序盤は厳しい戦いが続きましたが、すべての努力が報われました。レースでは努力しただけの結果を得ることができたと思います。マルク(マルケス)やバレンティーノ(ロッシ)とのバトルは楽しかったです。今日はレースをコントロールし、すばらしい仕事をしたマーベリック(ビニャーレス)におめでとうと言いたいです。ここ4レースで4人の優勝者というのは珍しいことだと思います。地元のファンの前で表彰台に立てたことはかなり特別なことでした。今は、とてもいい状態になっていることを感じます。ミサノでもいいレースができることを願っています。ここ数年、ミサノは僕やHondaとはあまり相性がよくなかったので難しいレースになるかも知れません。でも、引き続き努力を続けていきます」

マルク・マルケス(MotoGP 4位)
「今日は難しい日曜日になりました。フロントとリアタイヤのオプションが多く、レースのアプローチも選択肢がいくつもありました。もしかしたらフロントの選択は誤っていたかもしれません。ソフトタイヤを選びましたが、レース前にはそれが最良の選択だと思いました。しかし、レースが始まってそれが間違いであることに気付きました。それからは、その状況でできることを最大限やることに決めました。2番手争いをしているときにブレーキングではらんでしまい残念でした。でも最後はその状況をうまく修正することができました。4位でフィニッシュできましたし、僕たちにとって重要なアドバンテージを3ポイントしか失わずに済みました」

ダニ・ペドロサ(MotoGP 5位)
「路面コンディションに合わせるのが難しいレースウイークでした。路面は常に冷たく、時には雨も降りました。一度も太陽を浴びませんでした。アスファルトにラバーが乗っていないため、タイヤからいい感触を得るのは難しかったです。前後ともにソフトのコンビネーションを選択しました。終盤で問題が出ることはわかっていましたが、全体的には今の時点で最良の選択でしたし、一歩前進できたのはよかったです。そして自信も少し取り戻しました。特にコーナーの進入がよくなりました。まだ改善しなければならない点はありますが、いいレースができましたし、タイムもさらによくなりました。ポジティブな点をキープして、次のレースでは、残りの部分に取り組みたいです」

ティト・ラバト(MotoGP 15位)
「今週は僕のキャリアの中で最も難しい週末の1つとなりました。高速でテクニカルなサーキットを速く走るのがとても難しく感じました。でもいつものようにポジティブな面を見てがんばりました。ここ3レースはポイント圏内でフィニッシュしています。変わりやすい天候だったのでポイントを獲得するのは簡単なことではありませんでしたが、前進していることを感じます。次はミサノです。もっと戦闘的になれることを願っています。ミサノは大好きなサーキットの一つです。目標はまたポイント圏内でフィニッシュすることです」

ジャック・ミラー(MotoGP 16位)
「難しいレースでした。一番の問題はリアタイヤでした。最初のスタートも赤旗中断後もとてもいいスタートを切ることができましたし、序盤はとても快適でした。でも5周ほど走ると、リアタイヤの右側に問題が出始めたので、完走するために、転倒しないように走りました。だれかとバトルをするというのは、とても不可能でした。ケガをして2レースに欠場しました。ポイントを獲得できなかったのは残念ですが、復帰戦のレースを走り終えることができてうれしいです」