2016/09/05
アウディ、WECメキシコ戦で激しいバトルの末、2位を獲得
●初めてのメキシコ戦。2台のアウディR18が素晴らしいパフォーマンスを発揮
●ファスラー/ロッテラー組が会心の追い上げで2位を獲得
●ディ・グラッシ/デュバル/ジャービス組も、貴重なマニュファクチャラーズポイント獲得
9月3日 インゴルシュタット/メキシコ:アウディは、FIA世界耐久選手権(WEC)第5戦で、凄まじいバトルを繰り広げました。レース序盤、ポールポジションからスタートした8号車を始め、2台のアウディR18がレースをリード。
しかしその後8号車が痛恨のダメージを受け、開始4時間弱の段階でトップに30分以上の差が開いてしまいました。一方、一時5番手となっていた7号車が会心の追い上げをみせ2位を獲得しました。
メキシコ初開催のFIA WECはめまぐるしい展開となりました。前回のニュルブルクリンク大会と同様に、アウディはポルシェとの優勝争いを繰り広げました。レース前半、アウディR18の8号車は、優勝の最有力候補でした。ルーカス・ディ・グラッシ(ブラジル)が、チームメイトのアンドレ ロッテラー(ドイツ)を従えてトップを快走し、ステアリングをロイック デュバル(フランス)に託しました。
デュバルもトップの位置を維持して走り続けました。そして3番手のオリバー・ジャービス(イギリス)がステアリングを握った1周目、トラブルが彼を襲い、左フロントのホイールベアリングが突然損傷し、コーナリング中だったジャービスはコントロールを失い、タイヤバリアにクラッシュ。このトラブルの修復に、30分以上の時間を費やさざるを得ませんでした。
これとほぼ同じタイミングで、アウディスポーツ・チームヨーストは、雨になることを予見してインターミディエイトタイヤを選択。この選択が正しかったことを、7号車のアンドレ・ロッテラーの快走が証明してみせました。それまで5番手となっていたロッテラーは、新しいタイヤを装着後に会心の走りを見せ、トップグループに躍り出たのです。
しかし正確な燃料計算と完璧なピットインタイミングであったはずにも関わらず、マルセル・ファスラー(スイス)がドライブする7号車はピットレーンで燃料切れに見舞われ、ピットクルーがマシンを押してのピット帰還を強いられ多くの時間を消費してしまいました。
さらにレース終盤には、ロッテラーが再びトップ争いを繰り広げている時にブレーキシステムのトラブルに見舞われ、タイムロスを余儀なくされ、2位でゴールしました。これにより、アウディは今シーズン5回目の表彰台を獲得。ファスラーとロッテラーにとっては今シーズン最上位獲得となりました。
アウディモータースポーツ代表のDr. ウォルフガング・ウルリッヒは「今回の素晴らしい復活劇は、アンドレ、マルセル、そしてチームクルー全員によるパフォーマンスの賜物です。レース終了1時間前を過ぎてトップ争いを繰り広げていたことは、メキシコでの我々のパフォーマンスが素晴らしいものであったことを表していますが、技術的問題で優勝を逃してしまったことは、痛恨の極みです」とコメントしています。
8号車は油圧システムのトラブルを修復してレースに復帰し、27位で完走しました。ディ・グラッシ/デュバル/ジャービス組は、ドライバーズポイントの獲得はなりませんでしたが、8号車が獲得した18ポイントのマニュファクチャラーズポイントに、さらなるポイントを加点しました。
次回のFIA WECは、2週間後に開催される第6戦・オースティン大会です。アメリカ・テキサス州オースティンのレースで、アウディは2013年以来、これまで2度の優勝を獲得しています。
メキシコ6時間レースの決勝結果
1:ベルンハルト/ハートレー/ウェーバー(ポルシェ) 230Laps
2:ファスラー/ロッテラー(アウディR18) +1m01.442s
3:コンウェイ/小林/サラザン(トヨタ) +1m09.709s
4:デュマ/ジャニ/リーブ(ポルシェ) +1m30.004s
5:インペラトーリ/クライハマー/トゥシャー(レベリオン) ―12Laps