フランス・ブルターニュ地方にあるロエアックで開催されたFIA 世界ラリークロス選手権(WorldRX)第8戦で、フォルクスワーゲンRXスウェーデンに所属するヨハン・クリストファーソンが、フォルクスワーゲン・ポロRX スーパーカーに今季初勝利をもたらした。
また、今季からレギュラーとして参戦中のセバスチャン・ロウブ(プジョー208RX)は、長年世界ラリー選手権(WRC)でのライバルでもあったペター・ソルベルグ(シトロエンDS3)を、最終ラップの華麗なマシンコントロールでオーバーテイク。地元フランスラウンドでうれしい表彰台を獲得している。
予選ヒートでもQ3、Q4、そしてセミファイナルと、圧勝で決勝ラウンドを迎えたクリストファーソンは、その勢いを維持してファイナルでも逃げの展開。その後方2番手争いがレースのハイライトとなった。
ペターはレース序盤に義務を消化すべく2周目からジョーカーラップへ飛び込むと、ワークスのプジョー208RXをドライブするロウブと、モンスターカラーのフォード・フォーカスRS RXを走らせるフーニガン・レーシング・ディビジョンの2台、ケン・ブロック、アンドレアス・バッケルドの集団で激しい2位争いが勃発。
続く4周目に、ロウブとバッケルドがマシンをヒットさせながら同時にジョーカーラップに飛び込むと、出口ではブロックとペターが先行、さらに4台での激しい順位争いが展開する。
この集団では最後にジョーカーへと飛び込んだブロックだったが、出口の合流でロウブにヒットしつつも先行を許し5番手に後退、混走状態からバッケルドがわずかに抜け出し、焦点は最後の表彰台となる3番手争いへと移った。
迎えたファイナルラップ、3番手走行でなんとか逃げ切りを図りたいDS3を駆るペターだったが、背後のロウブがヘアピンでクロスラインを仕掛けオーバーテイクに成功。地元の観客から大歓声が上がった。
その後方では、ミュニッヒ・モータースポーツのセアト・イビーザで今季初のファイナル進出となったレイニン・ニティッシュと最後尾争いを展開したブロックが、接触によりアウト側バリアまで弾かれクラッシュ。
最終的に一人旅となったクリストファーソンのポロがトップチェッカー。2位にはフォーカスRS RXのバッケルド、そして3位にセバスチャン・ロウブのプジョー208 WRXが入り、最後のポディウムを守りきった。
これでチャンピオンシップでは、ペターが首位を堅持。2位にセミファイナルでパンクを喫し決勝進出を逃していたマティアス・エクストロームのアウディA1、3位に今回の勝者クリストファーソンが浮上。ロウブも5位まで上昇している。