モンツァで懐かしい人に再会した。ヤルノ・トゥルーリだ。
2011年限りでF1を去った後、2014年からフォーミュラE選手権にチーム代表兼ドライバーとして参戦していたトゥルーリ。しかし、チームは2015-16シーズンの途中でフォーミュラEからの撤退を発表。その後、レースの表舞台から姿を消していた。
モンツァには2人の子供と一緒に来場。近況を尋ねると、以前と変わらぬ人懐っこい笑顔でこう話してくれた。
「もうレースから手を引いた。いまは自分のワイナリーがあるから、そのビジネスをしている。もう自分のレースはしない」
トゥルーリが「自分の」と断りを入れたのは、トゥルーリは今でも、時々カート場へレースをしに行くからだ。ただし、それは自分のレースではなく、11歳になる長男のエンツォくん(TOP写真右)のレースのメカニックとしてだ。
「初めて1年半なので、まだ初心者クラス。でも、ポールポジションは何度か取っているよ」とトゥルーリ。ただし、息子をレースドライバーに育て上げようというつもりはなく、現在はあくまで親として息子の遊びをサポートしているというスタンスだという。その証拠に、9歳の二男のマルコくんはカートはやらずにサッカーをプレーしているという。
「今週末、モンツァではいろんなことがあったね。僕もF1から引退するときは寂しかった。でも、F1を離れてわかったことがある。F1ドライバーをやめても、人生は続く、と。その人生をどう過ごすのかは、その人次第さ。フェリペ(マッサ)にもジェンソン(バトン)にも、いい人生を送ってほしい。特にジェンソンとは2002年にルノー時代に一緒に過ごした経験があるから、なおさら。彼はドライバーとしてだけでなく、人間としても素晴らしかったから、きっと輝ける人生が待っていると思うよ」
最後にトゥルーリは日本のファンにこんなメッセージを送ってくれた。
「僕は日本のファンから応援してもらったことを今でも忘れないよ。トヨタ・チームの代表だった山科さんとは、いまでも連絡をとっている。それから、僕を応援してくれた城戸崎さん夫妻は、いまでも大切な友人だ。だから、いつかまた日本に行きたいね。チャオ!!」