FIAでラリーディレクターを務めるヤルモ・マホネンは、今月開催予定だったラリー・チャイナ中止の影響が、2017年のWRCカレンダーにも及んでいることを明かした。
今週末の9月9日~11日に開催予定だったラリー・チャイナだが、7月に中国を襲った豪雨の影響で、道路が激しいダメージを負ってしまう。地元主催者は期日までに修復は不可能だと判断し、先月末に開催が中止がアナウンスされた。
この影響により、FIAとWRCプロモーターは来季の中国戦に関し、マシンやパーツなどの輸送スケジュールも含めて再考を迫られている。マホネンも、ラリー・チャイナ開催中止が、さまざまな箇所に影響を及ぼしていることを認めた。
「2017年に向けた準備は整っていたし、我々も満足いく形ができていた」とマホネン。
「しかし、それは振り出しに戻された。ゼロから構想を練って、パズルを組み直している状況だよ」
「ラリー・チャイナが来季のカレンダーを狂わせたと言わざるを得ない状態だ」
正式な17年開催スケジュールは11月までには発表されるとみられているが、開幕3戦のスケジュールのみ近日中に発表される見込み。開幕3戦は例年通り、モンテカルロ、スウェーデン、メキシコとなりそうだ。
今季は暖冬による深刻な雪不足により、一時は開催中止目前まで迫ったラリー・スウェーデンは、開催拠点をより北部のトーシュビューに移す計画が進められている。
しかし、トーシュビューには充分な数の宿泊施設がなく、FIAは解決策を模索している。
「(トーシュビューに拠点を移す)プランには、宿泊施設の問題が解決しているという保証が必要だ」と語るのは、地元主催者代表のグレン・オルソン。
「もっとも最悪な事態は、宿を確保できずに(現在の開催地域である)ヴェルムランド県以外の場所で開催しなければならなくなることだ」
「ヴェルムランド県以外にWRCを開催できる場所に、まったく心当たりがないんだよ」
また、今季は3月の第3戦メキシコから7月の第8戦フィンランドまで、6戦連続でグラベル(未舗装路)ラリーが行われたが、来季はこれについても改善。グラベルラリーとターマック(舗装路)ラリーのバランスが整ったスケジュールが採用されるようだ。
「今年のカレンダーはアンバランスなものだった」とマホネン。
「グラベルラリーが6戦続くのは間違いだったと思っているし、(第4戦)アルゼンチンから(第5戦)ポルトガルまで1カ月も間が空いたのも問題だと認識している」
「なんとかコルシカ島でのイベント(ツール・ド・コルス/ラリー・フランス)を春開催に移したい。4月開催が理想的だ」