MotoGP第12戦イギリスGP、MotoGPクラスは、イギリスのシルバーストンサーキットで決勝レースを行い、マーベリック・ビニャーレス(スズキ)が優勝した。
MotoGPクラスの決勝レースは気温18度、路面温度18度のドライコンディションで争われた。バレンティーノ・ロッシ(モビスター・ヤマハ)が好スタートを切り、1周目にトップに立ったのはビニャーレスだったが、スタート直後の1コーナー先でロリス・バズ(アビンティアレーシング)とポル・エスパルガロ(ヤマハ・テック3)が接触転倒、マシンとライダーが2コーナーまで滑り、破損したパーツがコース上に散乱したため、レースは赤旗中断となる。
1周減算の19周でレースは再スタート。ポールスタートのカル・クロッチロウ(LCRホンダ)が好ダッシュを見せるが、ビニャーレスが1周目の11コーナーでトップに浮上する。
そこからビニャーレスは後続にリードを取り独走。2番手以下が接戦のバトルとなったこともあり、中盤の10周目にはその差を約3秒7に広げ、そのままトップの座を一度も譲ることなくMotoGPクラス初優勝を飾った。この勝利はスズキにとっても復帰後初優勝、スズキのMotoGPクラスでの優勝は2007年フランスGPのクリス・バーミューレン以来となった。
2番手争いはクロッチロウ、ロッシ、マルク・マルケス(レプソル・ホンダ)、ダニ・ペドロサ(レプソル・ホンダ)、アンドレア・イアンノーネ(ドゥカティ)らによる接戦が繰り広げられた。
4周目までマルケスが2番手でビニャーレスを追ったが、ペースが上がらず、ロッシが6周目に2番手に浮上。マルケスは10周目にはクロッチロウにも交わされ4番手に後退。さらに追い上げきたイアンノーネの追撃を受ける。
イアンノーネは11周目にはマルケス、クロッチロウを交わして3番手に浮上、12周目にはロッシを交わして2番手に浮上する。ロッシもすぐに2番手を奪還するも、13周目にイアンノーネが再び2番手に返り咲く。しかしイアンノーネは14周目の17コーナーで転倒、リタイアとなる。
これで2番手争いはクロッチロウ、ロッシ、マルケスの接戦となる。終盤の17周目にマルケスは2番手に浮上するが、続く18周目の1コーナーでクロッチロウが2番手に。バックストレートでスリップから抜け出したマルケスが、クロッチロウの前に出ようとするが接触、マルケスはバックストレートエンドの7コーナーでコースオフを喫してしまう。
これでクロッチロウが2番手、ロッシが3番手となり、マルケスはペドロサの後ろ5番手まで後退。この結果、クロッチロウが2位、ロッシが3位表彰台を獲得する。マルケスは最終ラップにペドロサを交わして4位でゴール。僅差の5位にペドロサ、6位にアンドレア・ドビジオーゾ(ドゥカティ)が続いた。
単独7位にアレイシ・エスパルガロ(スズキ)が入賞、ホルヘ・ロレンソ(モビスター・ヤマハ)は2番手争いの集団にも加わることができず8位でゴール。9位にダニロ・ペトルッチ(プラマック)、10位にアルバロ・バウティスタ(アプリリア)の順で続いた。
ヨニー・エルナンデス(アスパー・チーム)が11位、ユージン・ラバティ(アスパー・チーム)が12位に入賞。代役参戦のアレックス・ロウズ(ヤマハ・テック3)は13位とMotoGP初レースでポイントを獲得した。
エクトル・バルベラ(アビンティアレーシング)が14位、ティト・ラバット(マークVDS)が15位に入賞。16位にジャック・ミラー(マークVDS)が続き、決勝中に2回転倒を喫したスコット・レディング(プラマック)は17位で完走。
ステファン・ブラドル(アプリリア)は3周目に3コーナーで転倒しリタイア、最初のスタートで転倒したバズとポル・エスパルガロは再スタートのレースに出走することができなかった。
エスパルガロは大きなダメージはなく、バズはメディカルセンターに運ばれたものの、救急車に乗る際には右手を振って無事をアピールしていた。
ビニャーレスの優勝により、後半戦の3戦で3人のウイナーが誕生する混戦模様となった。チャンピオンシップはマルケスが210ポイントでリード、50ポイント差の2位にロッシ。ロッシと14ポイント差の3位にロレンソが続き、ビニャーレスはペドロサを交わしてランキング4位に浮上した。