2016年F1第14戦イタリアGPは、9月4日に決勝が行われた。優勝したのは、予選2位から逆転したメルセデスのニコ・ロズベルグ。スタートでトップに立ったあとは、危なげない走りでトップチェッカーを受けた。ベルギーに続く連勝で、今シーズン7勝目。2位はポールポジションからスタートしたルイス・ハミルトン。スタートでは一時6番手まで順位を落とすも、ロズベルグと同じ1ストップ作戦でライバル勢を攻略した。3位に入ったのはフェラーリのセバスチャン・ベッテルだった。
ハースのロマン・グロージャンとマノーのエステバン・オコンがギヤボックス交換のため5グリッド降格のペナルティを受け、それぞれ17番手と最後尾へ。オコンは予選でタイムを記録できなかったため、当初から最後尾スタートが決まっていた。上位勢ではロズベルグとハミルトンのみソフトタイヤ。ベッテルとキミ・ライコネンをはじめ、その他予選トップ10ドライバーはスーパーソフトでのスタートとなっている。
気温29度、路面温度38度、天候は晴れ。ドライコンディションで53周のレースが始まると、まずはベッテルが鋭い飛び出しを見せて、出遅れたハミルトンを抜いて2番手へと上がる。ロズベルグはトップで1コーナーへ。3番手にライコネン、以下バルテリ・ボッタス、ダニエル・リカルド、そして6番手にハミルトン。
ハミルトンは2周目にリカルドをかわして5番手へ上がり、2周終了時のトップ10はロズベルグ、ベッテル、ライコネン、ボッタス、ハミルトン、リカルド、セルジオ・ペレス、フェリペ・マッサ、フェルナンド・アロンソ、ニコ・ヒュルケンベルグ。
後方では2周目の1コーナーのシケイン立ち上がりで、ルノーのジョリオン・パーマーとザウバーのフェリペ・ナッセが接触。ナッセはマシンにダメージを受けてピットへ入り、その後リタイア。パーマーもピットイン後コースに復帰したが、結局リタイアとなった。
ロズベルグは快調に飛ばしてファステストラップを記録しながら、2番手ベッテルとの差を広げていく。一方ハミルトンはボッタス攻略に苦戦し、11周目にようやくオーバーテイク。その後ライコネンが15周目、ベッテルが16周目にピットストップを行った結果、ようやく2番手まで順位を上げるも、その時点でロズベルグに約15秒のギャップを与えてしまう。ちなみにベッテル、ライコネンともにタイヤはスーパーソフトのまま。フェラーリは2回ストップ作戦でメルセデスに対抗する。
トップ4台の後方では、やはり2回ストップ作戦を採るドライバーが次々とピットイン。1ストップ作戦を採ったグロージャンとカルロス・サインツJr.が一時5番手、9番手に浮上する。ひととおりピットストップが終わった17周目にはロズベルグ、ハミルトン、ベッテル、ライコネン、グロージャン、ボッタス、リカルド、ペレス、サインツJr.、マックス・フェルスタッペンというトップ10となる。
そして、24周目にメルセデスが動く。まずはロズベルグがピットインしてミディアムタイヤに履き替えると、翌周にハミルトンがピットイン。同じくミディアムに履き替えてライコネンの後ろ、4番手でコースに復帰する。
27周目、それまで14番手を走行していたマノーのパスカル・ウェーレインが1コーナーでマシンを止めてリタイアとなる。
30周を過ぎてからは、2回ストップ作戦のドライバーがピットインを開始。30周目ボッタス、33周目ベッテルはタイヤをソフトへ変更。34周目ライコネン、37周目リカルドはスーパーソフトへ交換する。
37周目にトロロッソのダニール・クビアトが、マシンをガレージに戻してリタイア。45周目にはマクラーレンのジェンソン・バトンとアロンソがコース上でバトルを展開、バトンがアロンソをかわして12番手へ上がる。
上位勢には順位の変動がなかったが、最後にレッドブル2台が見せ場をつくる。47周目、リカルドが1コーナーのブレーキングで鋭い飛び込みを見せてボッタスをかわし5番手に上がると、その翌周にフェルスタッペンがターン4でペレスを抜いて7番手に順位を上げる。
そしてトップ4は、そのままチェッカー。ロズベルグがモンツァ初優勝を達成し、ドライバーズ選手権では、2位に入ったチームメイトのハミルトンに2ポイント差まで迫った。3位ベッテル、4位ライコネン、5位リカルド、6位ボッタス、7位フェルスタッペン、8位ペレス、9位マッサ、10位ヒュルケンベルグという結果となった。完走18台。クビアト、ウェーレイン、パーマー、ナッセがリタイアしている。なお、終盤タイヤ交換を行ったアロンソが、51周目にファステストラップを記録した。