WTCC世界ツーリングカー選手権の日本ラウンドは9月4日、ツインリンクもてぎでオープニングレース/メインレースが行われたが、オープニングレースではノルベルト・ミケリス(ホンダ・シビックWTCC)が優勝。ロブ・ハフが2位、ティアゴ・モンテイロが3位に入り、母国戦で表彰台独占を達成した。
今季チャンピオンシップでは最大のライバルであるシトロエンに先行を許しているものの、昨年からは大幅にシビックWTCCのポテンシャルを上げてきたホンダ。ラップタイムに対して課せられるコンペンセンションウエイトはこのもてぎでは、ついにシトロエンと同数の80kgとなった。
この80kgのウエイトについて、堀内大資ホンダWTCCプロジェクトリーダーは「予想以上に影響がありました」と語る。「もてぎのコースはストップ&ゴーが多いことが特徴ですが、このコース特性がウエイトの影響を大きくしたのだと思います」という。
もてぎ戦に向け、ホンダはタイトコーナー向けの足回りのセットと、エンジンにはアンチラグシステムのセッティングを施し、レスポンスを良くする方向で煮詰めてきた。これが奏功し、80kgのハンデを感じさせない戦いを展開してきた。
そんななかで、ミケリス、ハフについては予選Q2の状況をみながら、リバースグリッドでオープニングレースのフロントロウとなる9番手、10番手を狙うことにし、モンテイロについてはポールを狙いにいく作戦を採った。これが見事に的中し、ミケリスがポール、ハフが2番手を得ることに成功した。
迎えたオープニングレースでは、地力の速さでは充分優勝が狙えることは分かっていたが、スタートがそのカギを握った。ミケリスはうまくスタートを決め1コーナーに飛び込み、ハフが2番手へ続く。3番手にはボルボS60ポールスターのテッド・ビョークがつけていたが、ハフがうまく後続を封じ、ミケリスがリードを築いていった。
「いいレースだったと思うよ。予選から戦略がうまくいったよね」とレース後ミケリスは語った。
「スタートもうまく決められてトップをキープすることができたし、そこからタイヤもブレーキも温存することができた。チームメイトのおかげだと思う」
きっちりとレースを走りきったミケリスは、見事レース1を制しホンダの母国勝利を達成することに。ハフが2位、そして1周目に4番手までポジションを上げ、7周目にビョークをかわしたモンテイロが3位に。もてぎでホンダが念願の表彰台独占を成し遂げた。
「ティアゴもいいレースをしてくれて、表彰台を独占することができた。表彰台もうれしいけど、やっぱり勝つことが目標だ。こうしてホンダの地元であるもてぎで勝つことができて本当にうれしいよ」とミケリスはレース後、ルーフをバンバンと叩いて喜びを爆発させた。
レース後、ピットレーンでチームスタッフはもちろん、ホンダの日本人スタッフひとりひとりと抱擁をかわすミケリスの姿が印象的だった。