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WTCCもてぎはホンダ表彰台独占&“暫定”チャンピオンが誕生

2016年09月04日 19:21  AUTOSPORT web

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WTCCもてぎオープニングレースのスタートシーン。ノルベルト・ミケリス(ホンダ)がスタートを決めた。
WTCC世界ツーリングカー選手権日本ラウンドは9月4日、ツインリンクもてぎでオープニングレース/メインレースが行われ、オープニングレースはノルベルト・ミケリス(ホンダ・シビックWTCC)が優勝。ホンダが表彰台を独占した。メインレースではホセ-マリア・ロペス(シトロエンC-エリーゼWTCC)に首位を譲られたイバン・ミューラー(シトロエンC-エリーゼWTCC)が優勝を飾った。

 晴天に恵まれ6500人の観客を集めたもてぎで、午後2時35分からスタートしたオープニングレース。リバースグリッドのフロントロウを占めたホンダ・シビックWTCC勢がどう逃げるかが注目されたレースとなったが、迎えたスタートではミケリスがスタートを決め、ロブ・ハフが2番手と、はやくもワン・ツーを築いていく。3番手にはテッド・ビョーク(ボルボS60ポールスター)が続き、ホンダ勢を追っていく。

■ボルボをかわしホンダがワン・ツー・スリーを形成
 先頭を走るミケリスは、ホンダの地元での勝利を目指すべくリードを広げていくが、ハフがやや間隔をおき、ビョークを抑える展開となっていく。その後方からビョークに近づいたのはティアゴ・モンテイロ(ホンダ・シビックWTCC)。モンテイロは7周目にビョークをかわすと、ホンダ勢がワン・ツー・スリーを占めることになった。

 一方、表彰台圏内から脱落したビョークの後方には、予選で圧倒的なスピードをみせつけ、10番グリッドからスタートした王者ホセーマリア・ロペス、さらにイバン・ミューラーというシトロエンC-エリーゼWTCC勢が迫る。ビョークは10周目にロペス、さらにミューラーへの先行を許し、これでホンダ勢にシトロエンが迫る展開となった。

 序盤、ニッキー・キャツバーグ(ラーダ・ベスタWTCC)との接触もありリヤエンドを傷めていたロペスだったが、13周の決勝終盤、3番手を走るモンテイロとの間隔を縮める。しかし最終的にテール・トゥ・ノーズに持ち込むことはできず、ミケリスが優勝、2位にハフ、3位にモンテイロと、ホンダレーシング・チームJASがホンダの地元もてぎで念願の表彰台独占を達成。大きな喜びに沸いた。

■シトロエンがチームプレー。ミューラー優勝
 リペアタイムを経て午後3時50分にスタートしたメインレース。ポールポジションスタートのロペスがスタートを決めると、2番手のミューラーに対してリードを築く。3番手にはメディ・ベナーニ(シトロエンC-エリーゼWTCC)をかわしたモンテイロが続くレースが展開されていく。

 トップのロペスは14周のレースでチェッカーに向け快走を続けるが、残りわずかの13周目、ロペスが急にスローダウン。これで2番手のミューラーがトップに浮上する。2番手にドロップしたロペスはすぐにレーシングスピードに戻った。

 じつは、今シーズンのWTCCは第11ラウンドのタイ戦がASNとの関係でキャンセルになる可能性が高く、このもてぎ戦で2位フィニッシュを果たせばロペスにチャンピオン決定の可能性があったのだ。そのため、「いろいろ考えたんだけど、僕はイバンのおかげでここまで来ることができた。もちろん、自分が勝利してアルゼンチン国歌を流すことが理想だったけど、僕はイバンを尊敬している」とロペスがミューラーに首位を譲ったのだった。

 首位を譲られたミューラーは「前戦も僕がロペスに譲ったこともあるし、その前も譲ったり譲られたことがあるんだ。素晴らしいシトロエンのチームスピリットなんだ」と自身初めての日本ラウンドの勝利を獲得。ロペスが続き、シトロエンがワン・ツーフィニッシュを飾った。3位はモンテイロとなった。

■ロペスの王座は9月末決定へ
 ロペスはチェッカー後、アルゼンチン国旗を受けとり“ウイニングラン”を実施。ただ、WTCCのプロモーターを務めるユーロスポーツ・イベントのフランソワ・リベイロ代表によれば、9月末のワールド・モータースポーツ・カウンシルを経なければタイ戦のキャンセルは決定しないため、ロペスは現在“暫定チャンピオン”という扱いになっている。もし正式にタイ戦のキャンセルが決まれば、ロペスの三連覇が達成されることになる。

 今回スポット参戦した道上龍は、オープニングレースでは1周目に大きくポジションを上げ、かつてJGTCでともにホンダの一員として戦ったトム・コロネル(シボレーRMLクルーズTC1)とバトルを展開。11位フィニッシュを果たした。ただ、続くメインレースではクールスーツに不調をきたしてしまい脱水症状になってしまった上に、オープニングレースから続くアンダーステアの症状にも苦しみポジションを落としてしまうことに。17位でWTCC参戦を終えることとなった。