カル・クラッチロー 2016.09.03 ロードレース世界選手権 第12戦 イギリスGP 予選
[MotoGP] クラッチローが今季初ポールポジションを獲得。ペドロサは4番手、マルケスは5番手から決勝に挑む
2016年9月3日(土)・予選
会場:シルバーストーン・サーキット
天候:曇りのち雨
気温:16℃
コースコンディション:ドライのちウエット
MotoGP レポート
イギリスGPの予選は、断続的に強い雨が降る厳しいコンディションの中で行われ、ホームGPを迎えたカル・クラッチロー(LCR Honda)が、今季初のポールポジション(PP)を獲得しました。
初日3番手につけたクラッチローは、2日目のフリー走行でも着実にタイムを更新し、4番手でQ2進出を果たしました。午後になるとシルバーストーンは雨が降り始めますが、ウエットコンディションで行われたFP4でも3番手と、仕上がりのよさをアピールしました。そして迎えたQ2は、セッション開始直後に強い雨になり、厳しい条件の中でのアタックとなりました。その中でクラッチローは、地元ファンの声援を受けながら、ただひとり2分20秒を切る2分19秒265をマーク、2013年チェコGP以来となる、通算3度目のPP獲得を果たしました。
シーズン中盤戦に入って調子を落としていたダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)が、久しぶりの快走で4番グリッドを獲得しました。ペドロサは、第7戦カタロニアGPでフロントロー3番手に並んでからは、オランダGP、ドイツGP、オーストリアGPと予選で一桁の順位を残すことができず、第11戦チェコGPも9番手と苦戦が続いていました。決勝でも表彰台争いに加われず、厳しい戦いが続いていました。
その後、チェコGPの行われたブルノの公式テストでマシンのセットアップを大きく進めることに成功し、今大会では、初日は9番手、2日目のフリー走行は8番手と着実にタイムを上げてQ2進出を果たしました。その後、ウエットコンディションになった4回目のフリー走行では4番手とさらに調子を上げ、予選でも4番手と復活を感じさせる一日となりました。
イギリスGPで4年連続PPの期待が寄せられたマルク・マルケス(Repsol Honda Team)は、転倒を喫し5番手でした。しかし、ドライコンディションで行われた午前中のフリー走行ではトップタイムをマーク、ウエットコンディションとなったFP4でもトップタイムと万全の状態を築いており、依然として、優勝候補の筆頭。決勝はドライコンディションが予想されますが、今季4勝目に闘志を燃やしています。
2戦ぶりに復帰を果たしたジャック・ミラー(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)は、ドライコンディションで行われたフリー走行で総合15番手。総合11番手以下で競われるQ1では、ウエットコンディションの中で2番手につけてQ2進出を果たしましたが、セッション開始直後に転倒を喫し、12番グリッド。チームメートのティト・ラバトは、ドライでもウエットでも思うようにタイムを伸ばせず、21番グリッドから追い上げのレースに挑みます。
MotoGP コメント
カル・クラッチロー(MotoGP ポールポジション)
「みんなで一生懸命がんばってきたので、ウエットコンディションのこの結果にはそれほど驚いていません。ドライでもウエットでもペースはよくて、レースウイークを通していい感触がありました。今日はHondaのためにいくつかテストを行いました。予選ではハードタイヤを使ったので、フロントタイヤの温度を上げるために全力でプッシュしました。ファステストラップを出したときは、3秒のリードを築いたし、雨がだんだんひどくなってきていたので、それからはあまりリスクを負わないようにしました。最終ラップで転倒したくなかったし、限られた時間でこのような結果が出せてうれしいです。LCR Hondaにとっても、いい結果になりました。パドックの中で一番がんばっているチームの1つです。文句をいうこともなく、僕にフィードバックしてくれます。だから、今日は、彼らの仕事に報いることができてとてもよかったです。イギリスグランプリでポールポジションを獲得できたことを誇りに思います。レースは長く難しいと思いますが、ベストを尽くします」
ダニ・ペドロサ(MotoGP 4番手)
「今日の結果はうれしいです。路面コンディションは非常に難しくて、とても滑りやすいものでした。グリップもあまりよくなくて、リアタイヤはあまり温まりませんでした。特に予選の大雨のときは温度が上がりませんでした。しかし、周回するごとに温度も上がりペースも上がったので、最後は4番グリッドを獲得することができました。決勝に向けてポジティブです。いいスタートを切って、トップグループに追いついて、いいリズムを見つけたいです。どんな天気になるかはわかりませんが、できる限りいい成績を残したいです。また、今日タイトルを獲得したトニー・ボウにおめでとうと言いたいです。彼のことはよく知っています。いい友達です。とてもうれしいです。彼からはとても多くのことを学びました。彼はとても特別な存在で、20回目のタイトル獲得となりました。今はその瞬間を楽しんで欲しいです」
マルク・マルケス(MotoGP 5番手)
「ドライでもウエットでも感触はとてもよかったのですが、雨に向けてセットアップを少し変えたら、思ったようにはうまくいきませんでした。Q2では、リアタイヤをうまくグリップさせられず、FP4のような自信もありませんでした。でもプッシュしていい周回をしようとしました。そして最後のラップを走ろうというときに転倒してしまいました。でも全体的に感触はとてもいいので満足しています。明日は前のセットアップに戻して走ります。そして、トライアル世界選手権で20度目のタイトルを獲得したトニー・ボウにこの場を借りておめでとうと言いたいです。勝ち続けるという野心と熱意を感じます。個人的にもよく知っています。すばらしい選手です。とてもうれしいです」
ジャック・ミラー(MotoGP 12番手)
「Q2に進むことができてうれしかったのですが、そのセッションでのパフォーマンスには満足していません。2レースに欠場してマシンに乗りましたが、感触は全体的にいいものでした。Honda RC213Vに乗るのは最高の気分です。すべてのセッションで力強い感触があり、ドライではペースを上げていくことができました。Q1、Q2はウエットコンディションになりましたが、もっといい結果を出したかったです。転倒の理由は、リアタイヤが十分温まらなかったからです。一番大事なことはグリッドに立てるということです。予選では痛み止めの注射を腕に打たなければなりませんでしたが、明日は完走できることを願っています」
ティト・ラバト(MotoGP 21番手)
「ドライも完全ではありませんでしたが、ウエットコンディションも難しい走りを要求されました。FP4では軽い転倒をしてしまいました。どちらかといえば、ウエットの方が、ドライの時よりもいい感触がありました。それでQ1では、路面が少し乾き始めたときにタイムを出すことができました。朝のウォームアップセッションでいい仕事ができるように集中し、力強いレースができるように準備したいです」