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真剣佑、村上虹郎、北村匠海……『仰げば尊し』不良5人組がファンを虜にする理由

2016年09月04日 11:01  リアルサウンド

リアルサウンド

 村上虹郎ら、注目の若手俳優が出演中のドラマ『仰げば尊し』(TBS系)にて、青春を象徴するかのような不良5人組による“男の友情”が、ファンを虜にしている。SNSでは「『仰げば尊し』の5人みたいな関係、すごく好き! 憧れる」「5人の友情に感動した」などと話題だ。5人全員が想い合い、支え合う姿に心打たれる視聴者は少なくない。


 本ドラマは、弱小高校吹奏楽部を舞台に、寺尾聰演じる元プロのサックス奏者・樋熊迎一と生徒たちが、音楽の甲子園と呼ばれる“全国吹奏楽部コンクール”を目指す模様をメインに描いている。一方で、部員たちの中でも一際目立つ不良5人組の友情もまた、本ドラマにおいての見どころと言って良いだろう。ではなぜ、彼らの関係性は人々を魅了するのか。それぞれのキャラクターと立ち位置から考えてみたい。


■5人それぞれの個性あふれる役どころ


・木藤良蓮(真剣佑)


 吹奏楽部ではサックスを担当しているが、前回(8月28日)の放送では音楽留学の受験と吹奏楽部のコンクールの日程が重なってしまうため、どちらを選択するかで苦悩していた。5人の中で最も大人びており、自己主張をあまりしない。基本的には冷静沈着で、視野が広く物腰も柔らかいため、仲間から一目置かれている。髪色は金髪で派手だが、ルックスが麗しく言葉遣いも丁寧で、気品がある。


・青島裕人(村上虹郎)


 吹奏楽部ではトランペットを担当しており、バンドを組んでいた頃はギターボーカルを務めていた。不良グループのリーダー的な存在であり、口数が少なくあまり表情も変化しないため、何を考えているのかわかりにくい。周囲からは恐れられているが、本当はとても仲間想いで、ちょっとした変化にもよく気づく。そのため不器用な一面も。


・安保圭太(北村匠海)


 吹奏楽部ではトロンボーンを担当しており、バンドを組んでいた頃はキーボードを務めていた。髪型はソフトなリーゼントでややボンタン気味な学ズン(学生ズボン)を履いている。まっすぐで正直な性格をしており、やりたいことはやる、好きなことには夢中になるといった子どものような純粋さを持つ。


・高杢金也(太賀)


 吹奏楽部では、パーカッションを担当しており、主にティンパニを演奏している。バンドを組んでいた頃は、ドラムを務めていた。パンチパーマとヒゲといった独特のビジュアルで、明るくておバカキャラなムードメーカー的存在。


・桑田勇治(佐野岳)


 吹奏楽部ではチューバを担当しており、バンドを組んでいた頃はベースを務めていた。常にカラフルで派手な服装をしていて、おしゃれ番長的な存在。表面上は軽いノリで騒がしいが、自分のことよりも仲間のことを優先させるなどといった熱いハートの持ち主である。



 こうして5人のキャラクターを検証すると、あまり多くのことを語らず大人っぽい木藤良蓮と青島裕人と、明るく愛らしい少年のような安保圭太、高杢金也、桑田勇治の3人に、大きく分けることができるだろう。また、木藤良蓮と青島裕人は幼なじみでもあり、この2人はグループの核となる人物だ。一方で安保圭太、高杢金也、桑田勇治は3人でつるむことも多い。この対照的な2グループが混在しているからこそバランスがよく、彼らのコミュニケーションには自然と緩急が生まれて、活き活きとして見えるのではないだろうか。加えて“5人”という人数にも、人々を惹きつける秘訣がありそうである。


■“5人組”が生むマジック


 元々はバンドを組んでいたという設定と、吹奏楽部という団体で演奏するものをメインにした物語だから“5人”という人数なのだろう。5人という人数は嵐やももいろクローバーZ(現在のメンバー数)などのアイドルグループ、戦隊ヒーローシリーズなどでもよく適用される。各々の個性が立ちやすく、かつ人数も多い分、人々の好みが分散されファン層の増加が期待できるからだろう。6人組や4人組に比べ、センターが明確になるのも、覚えやすいポイントである。『仰げば尊し』の場合、ギターボーカルを務めていた青島裕人がセンター的な立ち位置といえそうだ。各々のキャラクターを際立たせつつ、同時に欠落部分を補い合うことで、彼らのグループは作品の中でもとりわけ魅力を放っている。


 さらに、5人全員が寺尾聰演じる樋熊迎一や、吹奏楽部との関わりを通して各々成長していくところが面白い。吹奏楽部においても、この5人組がいるからこそメリハリが生まれ、部全体が変化していく。元々の部員たちには欠落していた仲間を想う気持ちや、がむしゃらに頑張る姿勢などを彼らが示し、影響を与えているのだ。


 今夜放送の第7話は、いよいよ“全国吹奏楽コンクール”の地区予選大会が始まる。音楽留学に向けてレッスンに励む木藤良蓮や癌を患っている樋熊迎一が、今後どうなるのか。また、不良5人組がどのような活躍を見せてくれるのか楽しみだ。(戸塚安友奈)