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SMAPのテレビ出演、今後どうなる? 視聴者の声は番組に届くか

2016年09月04日 07:01  リアルサウンド

リアルサウンド

(C)タナカケンイチ

 9月2日放送の『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)では、Mステ30周年記念企画として初登場特集がオンエアされた。その中で、注目を集めたのが1991年のSMAP初登場シーン。96年にオートレース選手に転身した森且行も含めて、6名の初々しい姿が眩しい映像だった。


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 同番組では、8月26日放送でもSMAPが名曲「オレンジ」を熱唱した回の様子をピックアップ。放送時間もたっぷりと確保されていたことから、「ありがとうMステ」「最近のMステのSMAP愛の素晴らしさといったら」とSMAPファンより絶賛の声が寄せられた。


 以前にも、SMAPのCDがランキングで急上昇していることを「解散」という言葉を使わずに特集するなど、ファンに配慮した演出に定評がある同番組。30年続く番組に25年に渡って出演してきたSMAPを、リスペクトしている姿勢が伝わってくる。


 年々、歌番組が少なくなる中で、長年変わらず音楽の素晴らしさを伝え続けてきた番組としては、5人が歌う姿を多くの人の記憶に残るようにと、企画しているのではないだろうか。


 仮に、このままSMAPが年内でグループとしての活動を終了した場合、ソロ活動に移行したメンバーがそれぞれ歌手として活躍するかどうかは未定だ。同番組で彼らを見ることはもうできないのかもしれない。


 各メンバーがソロでMCを務める番組は来年1月以降も継続の意向を明かしているが、5人が揃う『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)は多くの存続要望が寄せられているにも関わらず、年内終了が発表された。


 人気があるにも関わらず、グループが解体されることによって活動の幅が制限されていくのではないか。ファンたちの中には、そんな不安がつきまとっている。


 SMAPの歴史は、アイドルの開拓史と言われている。歌って踊れることはもちろん、 ドラマやバラエティ、報道にも進出し、テレビ業界を盛り上げてきた。彼らが活躍してきた四半世紀のうちには、大きな災害もあり、その度に日本をまとめてきてくれたといっても過言ではない。


 常人では考えられない努力と精神力、責任感とプロ意識を持って、25年という月日がSMAPを創ったのだ。これほどの活動領域を広く持つアイドルは、いまだかつて存在しなかった。ファンにとっても、彼らと仕事をしてきた人々にとっても、その唯一無二の存在を手放した喪失感を埋めるためには、多くの時間を必要とするのも当然ではないか。


 もちろん、その心の穴が空かないようにもがくことも自然のことだ。「もっと彼らの姿が見たい」と声をあげ、番組側がその特集を組む。それは、飲食店でいえばオーダーにあった料理を提供するのと同じこと。それが本来の需要と供給のバランスだ。だが、今回の騒動はその発信側と受信側の関係性にねじれが生じているようだ。だからこそ、多くの人々の心をざわつかせているのだろう。


 テレビ番組という店の客は、誰なのか。 もちろん、店側の都合で注文が通らないこともある。ならば、その理由を説明してくれなければ、客から見放されてしまうものだ。出演者も、視聴者も、製作者も、スポンサーも、みんなが幸せになるテレビは、SMAPと共に伝説のものになってしまうのだろうか。(佐藤結衣)