WTCC世界ツーリングカー選手権日本ラウンドは9月3日、ツインリンクもてぎで予選とMAC3が行われ、ディフェンディングチャンピオンのホセ-マリア・ロペス(シトロエンC-エリーゼWTCC)がメインレースのポールポジションを獲得。オープニングレースはホンダ勢が最前列を占めている。
Q1:
気温30℃という暑さのなかでスタートしたWTCC世界ツーリングカー選手権日本ラウンドの予選Q1。コースオープンとともに、トラブル修復を間に合わせたトム・コロネル(シボレーRMLクルーズTC1)を含む19台がコースに入り、周回を重ねていった。
まず最初に1分57秒台にはロブ・ハフ(ホンダ・シビックWTCC)が入れたが、それを上回ってきたのはフリープラクティスで好調だったネストール・ジロラミ(ボルボS60ポールスター)。全車が一度タイムを出しピットに戻り、タイヤ交換等を行ったが、この時点ではジロラミ、ハフ、そして道上龍(ホンダ・シビックWTCC)というトップ3となった。
セッションも残り10分というところで、ふたたび多くのマシンが続々とコースイン。まずはニッキー・キャツバーグ(ラーダ・ベスタWTCC)がジロラミのタイムを上回っていくと、それを皮切りに、各車が続々とタイムを上げた。
キャツバーグのタイムを上回ってきたのはイバン・ミューラー(シトロエンC-エリーゼWTCC)。さらに残り4分半というところで、王者ホセ-マリア・ロペス(シトロエンC-エリーゼWTCC)がミューラーのタイムをかわし、唯一の1分56秒台に入れる。
そのシトロエン勢に迫ったのは、今回同じ80kgのウエイトを積むホンダ勢。終盤ノルベルト・ミケリス、ロブ・ハフがタイムを縮め、ミューラーを4番手に追いやってみせる。5番手にはティアゴ・モンテイロがつけ、シトロエン、ホンダがトップ5を占める結果となった。
道上は残り3分を切ってから2回目のアタックを実施。セクター1を自己ベストで通過すると、わずかに1回目のアタックからタイムを上げる1分57秒971をマークする。しかし、終盤にモンテイロやテッド・ビョーク(ボルボS60ポールスター)、グレゴワール・デモステア(シトロエンC-エリーゼWTCC)らがタイムを上げたため、道上はQ1突破となる12番手を守ることができず。Q1脱落の15番手という結果となってしまった。
Q2:
Q1終了から5分というインターバルでスタートしたQ2は12台の争い。各ドライバーが慌ただしくコースインしていくと、早々にロペスが1分56秒台をマーク。1分56秒273でこのQ2もリードしていく。
それに続いていったのはミューラー、メディ・ベナーニ(シトロエンC-エリーゼWTCC)、そしてジロラミというメンバー。しかし、チェッカー間際に一気にアタックが繰り返されていき、モンテイロがミューラーに続く3番手に浮上。また、ロペスも最後は1分55秒台までにタイムを縮めた。
一方、早々にアタックを終えたのはハフ、そしてミケリスというホンダ勢。ハフは9番手、そしてミケリスは10番手で予選Q2を終えた。この作戦が奏功し、ミケリスがオープニングレースのポールポジションを獲得。ハフが2番手と、ホンダがオープニングレースに向けて有利なグリッドを獲得した。
Q3:
続いてスタートしたQ3。このセッションは5台によるシングルカーアタックとなっていく。まずはトム・チルトン(シトロエンC-エリーゼWTCC)が1分56秒877をマークし、それをターゲットとしていく。
ベナーニ、そしてモンテイロと続くアタッカーのなかで、ホンダ勢の期待を背負ったモンテイロはポジションを上げるべくアタックを展開していくが、ベナーニのタイムを上回れずひとつポジションを落としてしまう。
逆に、さすがのアタックを展開したのはイバン・ミューラー、そしてロペス。なかでもロペスのアタックは圧巻で、セクター1でコンマ3秒、さらにセクター2でコンマ6秒削ってみせる。チェッカーを受けてみれば、1分55秒602という素晴らしいタイムをマーク。もてぎ戦メインレースのポールポジションを獲得した。2番手はミューラー、3番手はベナーニと、シトロエン勢がトップ3を占めた。
MAC3:
予選に続いて開催されたのは、今季からWTCCに導入されたメーカー対抗タイムアタックの『MAC3(マニュファクチャラー・アゲインスト・クロック)』。もちろん日本では初開催となった。
ラーダ、ホンダ、そしてシトロエンという順でアタックが展開されていったが、ホンダはラーダこそ上回ったものの、ノルベルト・ミケリスのコースアウトもありタイムをそこまで伸ばせず。最後にアタックしたシトロエン勢が予選の勢いそのままにホンダを凌駕。最終的な順位はシトロエン、ホンダ、ラーダとなっている。