ケビン・マグヌッセンは、コックピット保護デバイス「ハロ」について、結局F1には導入されないだろうと予想している。
F1ストラテジーグループは、もう少し時間をかけて開発をする必要があることを理由に、2017年からのハロの導入を否決した。しかし、FIAは2018年には必ず何らかの形でコックピット保護デバイスを取り入れると明言し、ハロが「好ましい選択肢」であると述べた。
さらにFIAは、スパで規模を拡大したテストプログラムを開始し、引き続きモンツァでもいくつかのチームがこのデバイスを装着したマシンを走らせて、主に視界に関するフィードバックの収集を行った。
マグヌッセンは、まだこのデバイスをテストしていないが、「もし選べるのなら、僕はテストしたいとは思わない」と語っている。
「ハロが現在の形のまま導入されるとは思えないしね。導入を延期したのも、いずれもっと良いものができるから、ってことじゃないかな。もし本気でこれを採用する気があれば、来年から導入していたはずだ」
「つまり、彼ら(FIA)はこれよりもっと良いものが作れると考えていて、それにはもう少し時間が必要なんだと思うよ」
現時点でのテストは、視界の問題を中心として進められているが、FIAは引き続きドライバーの脱出テストも行っている。実際、セルジオ・ペレスは、脱出に時間がかかることに懸念を感じているようだ。
「視界に関しては、決して悪くなかった。それは意外だったね。ただ、マシンからの脱出については、完全に満足とは言えない」と、ペレスは述べた。
「ハロがない状態と比べて、ゆうに5秒は余計にかかる。脱出に時間がかかるようになるというのは、あまり気持ちの良いことではないね。ドライバーができるだけ早くクルマから脱出できるように、いろいろ試してみるべきことがありそうだ。危機的な状況に陥ったときには、その5秒が大きな違いになりうる」
また、マックス・フェルスタッペンも、次のように語っている。
「乗り降りを楽にするにはどうすべきか、さらに検討が必要だと思う。まだ少々開発不足だ。こうして試してみるのは良いことだけどね。現状では、まだクルマの乗り降りがかなり厄介だから、その部分をどう開発していけるか考えてみないといけない。でも、解決方法はすぐに見つかると思うよ」
一方、モンツァで初めてこのデバイスをテストしたジェンソン・バトンは、「特に大きな問題はなかった」と述べた。
「唯一気になったのは、スタートの信号灯とかピットストップのときの合図とか、そういったものが見にくい場合があるかもしれないということだ。でも、それについては、いろいろと対処の仕方があるだろう」
「少々困惑させられることもある。特に時速300㎞以上で走っていて、次のコーナーに集中しようとしているときに、目の前に別のもの(ハロ)が見えたりすると、ちょっと調子が狂っちゃうんだよね」