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いよいよ今週末はWTCCもてぎ。ホンダvsシトロエンはガチンコ勝負に

2016年09月02日 19:41  AUTOSPORT web

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WTCCもてぎ戦のシェイクダウンを前に、メインストレート上で全車が揃ってのフォトセッションが行われた。
WTCC世界ツーリングカー選手権の第9ラウンドとなる日本ラウンドは8月2日、ツインリンクもてぎで17時30分から写真撮影とセーフティカー先導によるシェイクダウンが行われた。

 ツインリンクもてぎでは2015年に続く2回目の開催となる“格闘技レース”WTCC世界ツーリングカー選手権。ハードブレーキングの勝負でオーバーテイクが仕掛けられるもてぎは、14年まで開催されていた鈴鹿に比べ大幅にオーバーテイクが多くなっており、WTCCをプロモートするユーロスポーツ・イベントのフランソワ・リベイロも「もてぎはWTCCにとって最高のコース」と絶賛する。

 この日は本格的な走行がなく、シェイクダウン時にブレーキの焼き入れ等を行ったのみ。そのため、ホンダ・シビックWTCC、シトロエンC-エリーゼWTCC、ラーダ・ベスタWTCC、ボルボS60 WTCC、シボレーRMLクルーズTC1という5車種のうち、どのマシン、チームが速いのかは正直まだ分からない状況だ。

■同ウエイトのガチ勝負。ホンダはシトロエンを制するか
 今回のもてぎラウンドをうらなう上で重要なのは、車種ごとに課せられるWTCC特有のコンペンセイションウエイトだ。今季はシトロエンがずっと最大の80kgだったが、今回ホンダ・シビックも同数の80kgというウエイトを積む。

 昨年はレース1でホセ-マリア・ロペスに勝利を許したものの、リバースグリッドのレース2ではティアゴ・モンテイロが優勝を飾った(今季はオープニングレース、メインレースという名称)。今年は同ウエイトでのまさに“ガチンコ”勝負となる。「たとえウエイトが重くなったとしても、僕たちはホンダファンの前でレースができることが楽しみだよ」とモンテイロは語る。

 一方、同ウエイトでホンダと戦うことになるシトロエンの王者ロペスは「どうなるかとても楽しみだよね。僕たちは今シーズンの最初からこのウエイトで走らせてきて、それに対応するセットアップを強いられてきた」という。

「シトロエンだけでなく、ホンダも同ウエイトになるのは初めてのことだ。ホンダは70kgを積んでいたハンガリーでもすごく接近していたから、接戦になると予想するよ。もちろんラーダ、シボレーの存在もあるし、今年いちばんタフなレースになりそうだね」

■道上龍のWTCCデビュー戦はいかに!?
 また、今回最も注目と言えるのが、スーパーGTやフォーミュラ・ニッポンで長年ホンダのエースとして活躍してきた道上龍のWTCCデビューだ。地元戦でのスタードライバーの参戦はリベイロも「日本人ドライバーがホンダのファクトリーカーで戦う歴史的なイベントとなる」とプロモーターの立場から期待する。

 すでに道上はスペイン、さらに先日は岡山国際サーキットでシビックWTCCを走らせており、「予選トップ10を狙えるタイムが出ている」と確実な手ごたえを得ている様子。ただ、WTCC特有の走らせ方への対応が重要になってきそう。その点では、9月3日(土)に2回用意されているフリープラクティスでの走行が大切になってきそうだ。

「今後のレース人生を考えても、世界のトップドライバーたちと戦うことができるのは得るものがあると思います。とにかく楽しみたいですね」と道上。

 WTCCでは、王者ロペスがスポット参戦した地元戦でチャンスをつかみ、スターダムへの道を駆け上がっていった歴史もある。また、地元ドライバーの活躍も多いレースだ。さらにオープニングレースはリバースグリッドで、いかようにも上位走行のチャンスはある。日本のレース界の期待を背負う道上の活躍が楽しみなところだ。

■ドライバーのテクニックが分かりやすいレース
 また、15年開催の際にも大いに目についたのが、コーナリングでのドライバーの技術やマシンの特性が分かりやすいところだ。もてぎは先述のとおりブレーキングが勝負どころとなるが、コーナリング時にイン側のリヤをリフトさせながらコントロールしているさまは必見だ。また、ドライバーによってそのスタイルもさまざまで、見ていて大いに楽しめる。

 さらに、今年度から自転車のツール・ド・フランスを参考に導入された予選後のタイムアタック『MAC3』も要注目。メーカーごとに選抜された3台が、コントロールラインから同時にスタートを切り、そのタイムでメーカーごとに勝負。マニュファクチャラーポイントを得ることができるのだ。

 このMAC3が開催されるのは、もちろん日本では初めてだ。多くの開催地で好評を得ているイベントだけに、ぜひ現地で見ておきたい。