ニコ・ロズベルグは、ベルギーGP決勝でチームメイトのルイス・ハミルトンが最後列から3位表彰台を獲得したことについて「度肝を抜かれた」と認めた。
自らの後ろで数々の混乱が巻き起こる中、ロズベルグは、ハミルトンから"サンデー・ドライブ"と言われるような独走勝利を成し遂げた。
そのハミルトンは決勝までにパワーユニット3基分のコンポーネンツを交換し、大量の降格処分によって21番グリッドから凄まじい追い上げを見せたが、彼が獲得した3位表彰台という結果は多くの出来事に助けられたものだった。
現在のチャンピオンであるハミルトンは、レース前には「表彰台は無理だろう」と語っていたにも関わらず、9周目に起こったマグヌッセンの大クラッシュによってレースが赤旗中断されるまでに順位を16上げて5位まで上り詰めていた。
「彼は素晴らしい仕事をした」と称える一方で、ロズベルグは同僚の最後列からの躍進ぶりに驚きを隠さなかった。
レース中断時にハミルトンが5位につけていたことに驚いたかと尋ねられたロズベルグは、「その時彼の順位は見ていなかったんだ。終わってから見たよ」と語った。
「チェッカーの後にやっとリザルトを見たんだ。僕の後ろにリカルドがいたのは知っていたけど、3位に"HAM"って書いてあって"おいマジかよ"ってなったね。レースが終わるまで彼がどこにいたかは知らなかったから」
チャンピオンの3位表彰台獲得により、ロズベルグはハミルトンとの19ポイント差を劇的に詰めたり追い抜いたりすることなく、9ポイントリードされたままイタリアGPの週末を迎えることになった。
ベルギーGP決勝前のチームメイトの状況を鑑みた上でポイント差を詰められると思っていたかと言う質問に、ロズベルグはノーと答えた。
「彼とのポイント差を詰めることに焦点を当てていたわけじゃない。僕は勝ちたくてスパに行ったんだ」と主張するロズベルグ。
「ルイスはあの週末、異常なまでに僕の近くでフィニッシュした。レースの中で争うことはなかったけど、順位の上ではものすごく近いところにいたんだ」
「ただただ嬉しいよ。僕にとっては完璧な週末だったからね。素晴らしいタイヤ選択をしたと思う。ミディアムを選んだのは大正解だったね。本当によく機能した」と語るロズベルグ。
ロズベルグは今シーズン、新しいパワーユニットの使用基数を残しているが、ハミルトンは今後を見据えてベルギーで3基のターボチャージャーを投入するなど、新しいコンポーネンツを搭載して、そのペナルティをベルギーの1戦に集約した。この先行投入はハミルトンのアドバンテージになるか尋ねられたが、ロズベルグは、その質問を無視しようとした。
「もちろんそのことについては知っているさ。でも、あの週末、彼はものすごく不利な立場にいた。僕は自分のことに集中している。それだけだ。彼が今後に向けて3基のPUコンポーネントを獲得したからと言って、それほど大きな違いになるとは思っていないよ」