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本山哲 スーパーGT第6戦鈴鹿 レースレポート

2016年09月02日 14:01  AUTOSPORT web

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3位表彰台を獲得したS Road CRAFTSPORTS GT-Rの本山哲と高星明誠、今回は怪我で欠場となった千代勝正
2016 AUTOBACS SUPER GT Round6
「INTERNATIONAL SUZUKA 1000km」 REPORT

8月27日(土)天候:晴れ 路面:ドライ 気温:33度 路面温度:41度(予選開始時)

■公式練習結果:4位 1'48.322(高星)
■公式予選結果:2位 Q2タイム1'47.587(本山)

 スーパーGT2016シリーズは真夏の3連戦の最後にあたる第6戦「鈴鹿1000km」を迎えた。夏場を得意とするミシュランユーザーであり、前半戦で速さを見せながらも開幕戦の3位以降結果に恵まれずハンデの軽い46号車「S-Road CRAFTSPORTS GT-R」にとって、この鈴鹿1000kmは初優勝の大きなチャンス。

 しかし本山哲の今季のパートナー、千代勝正が前戦で喫したクラッシュの影響から出場することがかなわず、万全の状態で挑むことはできなくなった。急きょ立てられた代役はGT500クラス初参戦の高星明誠(たかぼしみつのり)。

 午前中の公式練習ではその、高星のGT500クラス初走行に注目が集まった。この大会では日曜日にフリー走行がないため、タイヤ選択に加え予選、決勝のリハーサルも完璧に行っておく必要がある。

そんななか、本山のドライブによってセットアップを行った後はセッションの残り時間の全て、19周の走行機会を高星に与えた。そして占有走行で高星は、1'48.322をマーク。3番手というまずまずの結果で公式練習を終えた。

 GT500クラスの予選Q1がはじまる午後2時50分、路面温度は41度にまで上昇。46号車にとってこれは、好条件だといえた。路面状況から見てピンポイントのアタックになると予想されるこの予選、各マシンはやはりスタートから序盤にかけては動き出さなかった。

 口火を切ったのは46号車で、高星を起用するQ1は早めのコースイン。2周のウォームアップラップを経ての3周目のアタックは完璧とは言えないものの1'48.163と、公式練習でのベストを約コンマ2秒上回る。

そしてこれがQ1のベストタイムとなり、その後ライバルたちがこのタイムを更新していったが、なんとか7位に踏みとどまり、46号車はQ2進出に成功。決勝のグリッドはQ2の本山に託された。

 12分間で争われるQ2が動き出したのは開始から約3分後、46号車の本山も早めにアタックに入ると、1周のウォームアップラップを経て2周目にアタックを敢行した。

そしてセクター1から最速を刻むと、セクター2,3もハイペースで走り抜ける。ミスひとつない見事な本山のアタックは、トータルで1'47.587というコースレコードを更新するスーパーラップをたたき出した。

 これでポールは確定かと思われたが、その後惜しくもコンマ約1秒差で1台にかわされ、46号車は2位で予選を終了。前戦に続きフロントローから1000kmレースに挑むことになった。

●本山哲のコメント
「初めてGT500に乗る高星になるべく多く走れるようチームがプログラミングし、千代の的確なアドバイスもあって高星が確実にQ2進出を決めてくれました。Q2でも路面コンディションとタイヤがマッチした状況でアタック自体もうまくいったのですが、惜しくもポールを逃すことになってしまいました」

「でもフロントローは悪いポジションではないし、長いレースに加え天候もどうなるかわからない中、チーム力をしっかりと発揮できればチャンスは充分あると思います。
決勝では千代も含めチーム一丸となって優勝目指して頑張ります!」

8月28日(日)天候:雨のち曇り 路面:ドライ 気温:24度 路面温度:27度(決勝開始時)

■決勝結果:3位(173周)5h46'49.334(本山→高星→本山→高星→本山→高星)
 台風10号の影響から、この日の鈴鹿は朝から雨に見舞われた。鈴鹿1000kmは通常のレースとはスケジュールが異なり、スーパーGTの走行は11時8分からのウォームアップが最初となる。

 このとき雨は上がっており、路面は回復傾向にあった。しかしその先の行方は読めず、12時30分のレーススタート前、各マシンはスタート時のタイヤ選択、その後の戦略ともに大いに悩むことになった。

 GT500クラスは結局、全マシンがドライを選択し、定刻に鈴鹿1000㎞レースがスタート。オープニングラップから中団では順位の変動が起こったがトップ2台は変わらず、46号車のスタートドライバーをつとめる本山はしっかりと2位をキープしチャンスを待った。

 しかし予想外の路面状況に46号車の選んだタイヤはマッチしておらず、徐々に劣勢に。15周目に順位を落とすとチームは早めに1回目のピットインを行い、体制を立て直そうと試みた。

 18周目に1回目のピットインを行い、ドライバーを高星に変えた46号車は一時2位に順位を戻すがやはりペースは上がらず、そのポジションをキープし続けることはかなわなかった。

 そんななか、高星はなんとか4位で踏みとどまり30周をこなすと、第3スティントは再びドライバーを本山に代え、ここから46号車は反撃に転じる。

 全マシンが2回目のピットインを終えた60周目、その間の本山による猛プッシュで2位に復帰。その後10秒ストップのペナルティを受け5位まで順位を下げてしまうが、このスティントでの46号車のペースは速く、73周目の4位浮上から前を追いかける展開へと変わった。

 79周目からの第4スティントは4位のままのスタートとなったが、89周目にセーフティカーが入ったことで3位との差はかなりつまることになった。93周目にリスタートとなると高星は果敢に3位のマシンに食らいついていく。

 そして99周目にはついにオーバーテイクに成功し3位に浮上。さらに3位を巡るバトルの間に10秒近く開いた2位との差をつめ、108周目には5秒差まで近づいた。112周目に3度目のドライブとなった本山は、トップ2台が4度目のピットインを終える間にプッシュし2位と3秒差で第5スティントをスタート。

 このスティントでは再び雨が降ってくるアクシデントもあったが、各マシンはそのままドライタイヤで走り続けた。本山は3位をキープし続け、143周目に最後のピットインを行い高星に繋ぐ。

 最終スティントではタイヤの選択肢が減りコンディションに対してベストなタイヤチョイスができなかったものの、高星はこのスティントでも再び集中力を高めなんとか最後までしのぎ切り3位のまま173周をフィニッシュ。46号車は今季2度目の3位表彰台に立つことになった。


●本山哲のコメント
「今回、千代が万全であれば優勝が狙える1戦だったのですが、千代が怪我をしてしまい代役が初めてGT500に乗る高星。さらに天候も不安定で難しいレースになったなか、チーム全員が頑張って表彰台に上がることができて良かったと思います」

「最初に選んだタイヤが路面と合わず最初からイレギュラーなピットインになってしまいましたが、その後うまく立て直すことができました。高星に的確なアドバイスをしてくれた千代の存在も大きかった。高星は初めてGT500に乗ったことを考えれば100点の出来だと思います」

「今年の鈴鹿は予選日がとても暑い一日で、決勝日は気温が少し下がりましたが朝から激しい雨が降ったりと、応援してくれたファンの皆さんにとっても大変なレースウィークだったと思います。そのなか、最後まで応援してくれた皆さんの声援が励みとなって戦い抜くことができました、有難うございます!」

「次戦は千代も復活すると思うし、万全の体制で優勝を目指します。皆さん、応援よろしくお願いします!」