カルロス・サインツJr.は、ここ数戦のトロロッソの不調に疑問を呈しており、またチームがパワー不足以上の問題に苦しんでいるのではないかと考えている。
トロロッソは今季、コンストラクターズランキング5位を獲得できるのではと期待されていたものの、現在はマクラーレンに3ポイント差をつけられ7位である。
前戦のスパではサインツが3度目のリタイアを喫し、チームメイトのダニール・クビアトが14位でゴールしたため、チームは2戦連続のノーポイントフィニッシュで週末を終えた。
ライバル勢が2016年仕様のパワーユニットを使っている一方で、トロロッソは型落ちのフェラーリ製パワーユニットを使っているため、チームとしても厳しいシーズンになることは予想していたが、シャシーの改良によってその欠点を補えると期待していた。
しかしながら、ドイツGPで導入された新しいエアロパッケージは思ったほどの効果を上げなかった。
「僕らのパワーユニットには明らかに限界があるけど、これは分かりきっていたことだし、この問題に備えて準備をしてきた」と語るサインツ。
「パワー不足を補うためにホッケンハイムにアップグレードを持ち込んだけど、ハンガリーGPのときと変わらず、僕らが望むようなパフォーマンスは発揮できなかったね」
「チーム内には『なんでパフォーマンスが改善しないんだ』っていう疑問に満ちた雰囲気が漂っている。ホッケンハイムは僕らにとってそれほど厳しいコースではなかったはずだし、スパもそれほど苦手とするコースではなかったはずだ」
「原因を調べてみるつもりだ。解決策が見つかるといいね」
■チームメイトのクビアトも首を傾げる
新しいエアロパッケージにはフロア、フロントウイング、それにブレーキダクトが含まれているが、チームはそのアップデートをトラック上でうまく機能させられていない。
「決してアップグレードのせいにするわけじゃないんだ」とサインツ。
「でもトラックでのパフォーマンスが予想していたデータと違うんだよ。ピレリタイヤについて誰も完璧に理解できていないように、エアロについて理解するのは本当に難しいんだ」
「このことについて誰かを非難する気はまったくないけど、エアロに関して僕らは注視する必要がある。ここ最近のレースで、いきなりパフォーマンスが落ちてきたからね」
同様に、クビアトもトロロッソの現状に困惑している。
「これに関して僕からは何の説明もできないよ。エンジニアたちにとっても、レースとレースの間は本当に時間が少なくて厳しい。でも彼らは問題の分析と対処に全力を尽くすだろうね」
「いつもなら直線区間でタイムを取り戻せるんだけど、僕らはそこでタイムを失ってしまっているんだ」