ザウバーは、F1ベルギーGPではフェラーリ製パワーユニットに相次いでトラブルが発生したために、アップデートパーツの成果を確認できず、レースで妥協を強いられたという。
チームは今シーズン序盤、財政難によって消滅の危機に瀕していたが、新たなオーナーを得てマシンの開発が進められるようなった。スパにはショートノーズの新フロントウイング、フロア、ディフューザーとリヤブレーキダクトを持ち込んでおり、代表のモニシャ・カルテンボーンやフェリペ・ナッセ、マーカス・エリクソンらも進歩を実感していた。
しかしエリクソンは冷却システムに問題を抱え、エンジン交換を強いられたため、レースはピットレーンからのスタートに。ナッセにもミスファイアのトラブルが発生。カルテンボーンはベルギーGPを振り返り、以下のように語っている。
「パワーユニットに様々な問題が発生し、妥協を余儀なくされ、難しい週末になりました。空力パッケージは期待の持てるものでした。空力特性が良い方向に変化したことは見て取れたものの、こういった問題に悩まされるのは、良いことではありません」
「妥協の原因の多くは、我々に由来するものではないので、くやしいです。予選ではマーカスのマシンにトラブルが集中しました。良いアタックでスタートを切ったにもかかわらず、エンジンパワーの問題が発生した。エンジンサプライヤーが、モンツァの前に問題を解決してくれることを望みます」
エリクソンは2周目に6速ギヤを失い、リタイア。ナッセは11位まで順位を上げたものの、デブリによるパンクで苦戦を強いられた。結果としては下位に沈んだが、アップデートを投入したことで状況は楽観的になっているとナッセは話す。
「前進が見られた。マシンのフロント部分が強化されている。リヤのグリップとダウンフォースが不足していることは事実だが、ダウンフォースをフルに生かすようなセッティングで走るサーキットなら、より良い結果を得られるかもしれない」
エリクソンもアップデートの効果を感じており、「金曜日は2度のセッションで2台がともに15位以内に入り、期待の持てるものだった。中団グループに近づけるパッケージを持ち込めたことが良かったね。フロントエンドの強化が最も大きな変化で、それが大いに機能している。パフォーマンスの向上はアップデートのおかげだ。有望な兆しを見せてくれたし、このパッケージからは、より多くを引き出せると信じている」と語った。