日本人の年次有給休暇取得率が上がらない。政府は2020年までに取得率70%を目指しているが、現状は47.6%(厚生労働省2015年調べ)にとどまる。
有休取得率を上げるため、労働基準法では年次有給休暇の計画的付与制度がある。労使協定を締結すれば、年次有給休暇のうち5日を超える分について、計画的に休暇取得日を割り振ることができる制度のことだ。
人材会社のマンパワーグループは、勤務先企業の有休取得促進制度の現状と、労働基準法が改正された場合に想定される変化について、20~59歳の正社員の男女400人を対象に調査を実施。8月31日に結果を発表した。
労働基準法の改正に対しては、期待感とあきらめが二極化
「あなたの勤務している会社には『年次有給休暇の計画的付与制度』がありますか?」という質問に対して、「ある」と答えた人はわずか20.8%。一方で、「ない」が53.8%、「わからない」が25.5%だった。
調査対象者の勤務先の8割以上の企業が、有給休暇の計画的付与制度に取り組んでいいないか、消極的な姿勢を見せていることが明らかとなった。
現在、国会で労働基準法改正法案が審議されており、年次有給休暇の一定日数取得義務付けが議論されている。これを踏まえ、「もし労働基準法の改正が行われたら、あなたの職場ではどのような変化があると思いますか?」という質問に対しては「有給休暇を取得しやすくなる」と回答した人は37.0%だった。
一部からは「希望した時期に有給休暇を取得しにくくなる(16.0%)」、「まとめて長期休暇を取りにくくなる(13.0%)」、「残業・休日出勤が増える(8.8%)」など、マイナスの回答も出ていた。
注目すべきは「現在と変わらない」と回答した人が38.5%いることだ。「有給休暇を取得しやすくなる」の回答とほぼ同率であることから、調査を行ったマンパワーグループは、
「労働基準法の改正に対する期待感と、『どうせ変わらないだろう』というあきらめの二極化がうかがえます」
と分析している。日本の会社員が自由に有休を取れる日はいつ来るのだろうか。
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