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WEC:アウディ、ニュル失速の原因を特定。次戦はブノワ復帰で反撃開始

2016年09月01日 12:31  AUTOSPORT web

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ブノワを欠いた状態でニュルを戦った7号車
ドイツ・ニュルブルクリンクで行われたWEC世界スポーツカー耐久選手権の第4戦、今季初のハイダウンフォース仕様でのレースとなったラウンドで、アウディ陣営は“謎の性能低下”に見舞われていたが、9月3日~4日の第5戦メキシコを前に、その問題を特定できたと明かした。

 問題の原因は、もともとラディカルなエアロダイナミクス・デザインを持つR18のアンダーフロア・チャネルにいわゆる“ピックアップ”と呼ばれるタイヤカスが挟まったこと。

 これにより流路が塞がれ、ハイダウンフォース仕様のエアロダイナミクス性能が著しく低下していたという。

 アウディはシーズン残り5戦のフライアウェイでは、こうした問題が再発しないよう対策を施し、メキシコシティでの1戦に臨む構えだ。

 ただし、問題をさらに複雑にしているのは、ニュルで勝利を挙げた1号車のポルシェ919ハイブリッドに対し、ほぼ1分遅れの2位に終わった8号車はボディアンダーサイドのスプリッターを破損しており、同じく3位の7号車もフロントのカナードが脱落した状態で走行を重ねていた点だ。

 アウディスポーツの代表であるヴォルフガング・ウルリッヒは、次のように説明する。

「7号車の破損したノーズをピットで交換した後、マシンはすぐに以前のパフォーマンスを取り戻した」

「ノーズ破損も(ダウンフォースが低下した)要因のひとつだが、これ以外にも原因があったのだ」

「それはタイヤゴムの“ピックアップ”によってもたらされたもので、もしそれを把握していれば、ピットストップの際にわずか数秒のロスで掃除をし、クリアにすることも可能だった」

 ウルリッヒはWECの残りラウンドに向けて「展望は明るい」と話し、ドライバー、マニュファクチャラーの両ポイントスタンディングで首位のポルシェとのギャップを詰めていくつもりだ、と話す。

「我々はニュルでも(マシンが機能していれば)良いポテンシャルを発揮した。次のレースではさらに良くなっているだろう」

 また、ル・マン24時間終了後に、バイクでのトレーニング中、アクシデントに見舞われ脊椎を損傷していたブノワ・トレルイエは、今週末のメキシコ戦から復帰。アンドレ・ロッテラーとマルセル・ファスラーとともに、7号車のステアリングを握る予定となっている。