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受動喫煙の健康被害はやっぱりあった! 肺がんリスク1.3倍、東京五輪に向けてより厳密な法整備が不可欠だ

2016年09月01日 12:01  キャリコネニュース

キャリコネニュース

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このところ、喫煙者に対しては申し訳ないが、煙草の健康被害についてのリスクに警鐘を鳴らすコラムをよく書いている。でも、最初に断っておくと、僕は喫煙者を排斥しようだなんて思っていないし、家族にもヘビースモーカーがいた(肺がんで死んだけど)。

子供の頃から煙草を吸う大人の傍で育ったために、煙草の匂いに対して嫌悪感も抱かないし、ヤニで壁が汚れるのも「しょうがない」とすら思っている。(文:松本ミゾレ)

喫煙者へのますます強まる風当たり、それに加えて新たな研究結果が……

喫煙はTPOをわきまえてくれさえすれば、大いに結構というのが僕の立場だ。しかしながら、世間には煙草に対しての、一種のアレルギーのような感覚を持つ非喫煙者も多くなっている。

また、かつては喫煙者だったのに、禁煙に成功したかと思えば、鬼の首を取ったかのように今度は喫煙者を叩きだす元・愛煙家も目立つ。個人的には「今までお前らも副流煙で周囲を苦しめてただろ」と、この手の人々に対しては思うところもあるが、長くなるのでこれ以上は話すまい。

ただ、最大の懸念は、ヤニだの匂いだのではなく、副流煙による健康被害だろう。この健康被害について、国立がん研究センターが、8月31日に決定的な研究結果を発表した。たばこを吸わない日本人の受動喫煙による肺がんリスクについてものだ。

受動喫煙は間接喫煙、二次喫煙などと呼ばれているも呼ばれているが、研究によると、受動喫煙のある人は、ない環境にいる人と比べて、肺がんになるリスクが約1.3倍高かったというのである。

受動喫煙者による死者は国内だけでも年間1万5000人!

国立がん研究センターはこの解析結果をもとに、これまで設けていた受動喫煙による肺がんリスク評価を「ほぼ確実」から、「確実」へと格上げした。同センターは「世界49カ国で実施されている公共の場での屋内全面禁煙の法制化など、たばこ規制枠組条約で推奨されている受動喫煙防止策を、わが国においても実施することが必要です」としている。

受動喫煙によって肺がんリスクが上昇することが「確実」とされた以上、国としては何らかの対策を練る必要性に迫られる。目下、2020年の東京オリンピックを控えるわが国では、公共の場での喫煙について、もっと厳格な施策が求められていくこととなるだろう。

今でさえ、喫煙者は屋外の喫煙スペースで暑さ、寒さに耐えて煙草を味わうことを強いられているが、今後はよりタイトな法整備によって、もっと不自由を強いられることになるのかもしれない。

同センターは、心臓病や脳卒中なども含めた受動喫煙が原因とされる死者数は、日本だけでも年間1万5000人以上と推計している。これだけ多くの死者が出ている以上、五輪を控えて何の法制化への動きも見せないというわけにも行くまい。

当然、煙草を吸う人の権利というのも、無視してはいけない。しかしながら現状では、煙草を吸わない人が受動喫煙で深刻な健康被害を被るケースも多い。喫煙者も、非喫煙者も、双方が迷惑をかけず、共生できればそれに越したことはない。お互いにいがみあわないためにも、より厳密な法整備は必須の時代になってきている。

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