世界ツーリングカー選手権(WTCC)に参戦するホンダは30日、岡山国際サーキットでホンダ・シビックWTCCのテストを実施。このテストに今週末のWTCC日本ラウンドへスポット参戦する道上龍が参加した。
■台風10号接近もテストは晴天下で実施
強い勢力の台風10号が接近していたこともあり、30日はその影響も懸念されたが、岡山国際サーキットは朝から晴天に恵まれる。午前9時からスタートしたテストには道上のほか、今週末のもてぎラウンドでニューシャシーを投入するティアゴ・モンテイロも参加しており、まずはモンテイロが新シャシーのフィーリングチェックのためにコースインする。
WTCCでは年間で使用できるエンジンが1基に制限されていることもあり、フィーリングチェックがメインのモンテイロは8周で走行を終了。その後は道上のみが周回を重ねていった。道上のマシンには午前中に設けられた2時間のセッションで、マイナートラブルが発生し、数周おきにピットインを繰り返す状況が続いたが、セッション終了後に問題を特定し修復。午後の走行には万全を期することとなった。
午前のセッションを終えた段階で「自分のなかでツインリンクもてぎをイメージして走っていますが、まだリヤのグリップが好みに合っていない」と語った道上。午後のセッションでは、チームに対してリヤスタビリティを上げるべく、さまざまなオーダーを出しながらセットアップを煮詰めていったほか、ニュータイヤでのアタックやスタート練習などもこなしている。
午後の走行も2時間の予定だったが、チームは急きょセッションを30分延長。その結果、道上はランキング2位につけるモンテイロと比べても、そん色ないラップタイムを記録してみせた。
■「スポット参戦とはいえ、レギュラードライバーと同じくらいの活躍を期待」
走行後、道上は「午後はスタビライザーや車高、リヤタイヤのトー角も変更してもらい、バランスは良くなり自分の好みにも合ってきました」と手応えを語る。
「ツインリンクもてぎはコーナーが小さいところが多いですし、ダウンヒルストレートからの90度コーナーなど、リヤの安定感が求められますから、しっかり4つのタイヤに仕事をさせるようなセットアップができればと思っています」
「日本ラウンドでは、とにかく予選では前のグリッドを頑張って狙っていき、あわよくば表彰台を狙いたいですね」
また、シビックWTCCの開発プロジェクトリーダーを務める堀内大資氏は「道上選手はツインリンクもてぎのスポット参戦について十分準備ができたと思います。スポット参戦とはいえ、レギュラードライバーたちと同じくらい活躍してくれることを期待していますよ」と期待を寄せると、根津佳裕MUGEN EUROシニアエンジニアリングマネージャーも、「道上選手の(ログ)データはモンテイロ選手とほぼ同じ。エンジンもマップもすべて同じものなので、レースが楽しみです」と手応えを感じた様子だった。
久しぶりに監督としてではなく、ドライバーとしてサーキットへ姿を現す道上。自身初の“世界選手権”挑戦となるWTCCもてぎラウンドは今週末、9月3日~4日に開催される。