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TOYOTA GAZOO Racing NASCAR ミシガン レースレポート

2016年08月31日 14:21  AUTOSPORT web

AUTOSPORT web

NASCARスプリント・カップ・シリーズ第24戦ミシガン カール・エドワーズ
2016年8月30日
トヨタ自動車株式会社
モータースポーツマーケティング部

NASCARスプリント・カップ・シリーズ第24戦ミシガン
2台の“トヨタ カムリ”がトップ10フィニッシュ

 今季2度目の開催となったミシガンのハイスピードオーバルで“トヨタ カムリ”勢はハンドリングに苦しみ、カール・エドワーズが7位、デニー・ハムリンが9位フィニッシュ。ロードアメリカで今季3度目のロードコース戦が行われたエクスフィニティ・シリーズではダニエル・サレスが4位に入った。ミシガンのキャンピング・ワールド・トラック・シリーズでは、“トヨタ タンドラ”同士の最終周バトルを制したブレット・モフィットがキャリア初勝利を挙げた。

 8月28日(日)、米国北東部ミシガン州ブルックリンのミシガン・インターナショナル・スピードウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第24戦『Pure Michigan 400』が開催された。1周2マイルのミシガンではトヨタは過去5勝。うちデニー・ハムリンが2勝、カイル・ブッシュが1勝を挙げ、昨年夏はマット・ケンゼスが勝利。ケンゼスはトヨタ移籍以前にも2勝を挙げている。


 ミシガンは予選での平均周回速度が時速200マイル(320km/h)を超える、NASCARでも最速のコースのひとつ。コース幅が広く、ラインの自由度も高いため、3ワイド、4ワイドでの大迫力の超高速バトルが展開される。今大会はカイル・ブッシュにとって、“トヨタ カムリ”でのカップ・シリーズ出場300戦目という記念すべきレースとなった。

 28日(日)午後2時18分に2マイルオーバルを200周(400マイル:約640km)して競われる決勝レースがスタート。トヨタ勢では予選最上位のハムリンが3番手からトップ5圏内をキープ。14番手スタートのマーティン・トゥルーエクス・Jr.が好調にポジションを上げていく一方、9番手スタートのエドワーズはハンドリングの不調に苦しみ、ポジションを落としてしまった。

 26周目、16番手スタートからじりじり順位を上げ、最初のコンペティション・コーション(決勝前に路面状況が変わった場合等の確認のため、事前告知によって出される徐行周回)時のピットで2つポジションアップ、10位で再スタートを切ったカイル・ブッシュが3ワイドバトルの中で単独スピン。ストレートイン側のグラスエリアにコースオフ。幸いにもどこにも接触はしなかったが、タイヤ交換のためにピットインを強いられ、周回遅れの39位へと大きく後退。

 カイル・ブッシュは“ラッキー・ドッグ”(コーション発生時に周回遅れ最上位の車両が1周分取り戻せる救済措置)を獲得すべくコーション発生を待ったが、その後はコーションが出ないまま90周という長いグリーンフラッグランに。2度のグリーンフラッグピットを経る中で次々に周回遅れが発生し、カイル・ブッシュは“ラッキー・ドッグ”獲得のチャンスを失ってしまった。

 トヨタ勢はハンドリングに苦しむ車両が多い中、唯一好調なペースで順位を上げていったトゥルーエクス・Jr.は、57周目についに首位に浮上。しかし、64周目にグリーンフラッグピットを行った際に、交換したタイヤのナットを締める前にジャッキが落ちてしまうアクシデント。これで車体にもダメージが及び、上位争いから脱落してしまった。

 後半戦もコーションが出ない展開が続き、全車が最後まで走り切れるだけのグリーンフラッグピットを終えた187周目にこの日4度目のイエローコーション。レース中の調整でハンドリング不調を解消していったエドワーズは、このコーションでピットインしない作戦を採り、ポジションアップ。最後の9周をトップ10圏内で争い、トヨタ勢最上位の7位でチェッカーを受けた。

 レースの大半をトップ10圏内で走り続けたハムリンは9位。ケンゼスが13位。カイル・ブッシュは結局周回遅れを脱せず19位。トゥルーエクス・Jrは20位に終わった。次戦第25戦は9月4日(日)、米国南東部サウスカロライナ州ダーリントンのダーリントン・レースウェイで行われる。

ドライバー カール・エドワーズ:
「今日はずっとハンドリングに苦しんだ。クルーチーフは素晴らしい仕事をしてくれて、最後は良くなったが、もう少し上位フィニッシュ出来たはずで、残念だ。チームメイトとも話し合って上位争いに復帰するために努力する必要がある」

■NASCAR第24戦ミシガン レースハイライト



NASCAR XFINITY SERIES
第23戦 Road America 180
開催日:8月27日

今季3度目のロードコース戦でダニエル・サレスが4位

 8月27日(土)にNASCARエクスフィニティ・シリーズの第23戦『Road America 180』が米国北部ウィスコンシン州エルクハートレイクのロードコース、ロードアメリカで開催された。エクスフィニティ・シリーズではロードコース戦は年間3戦スケジュールに組み込まれており、今大会はその3戦目となる。

 26日(金)に行われた予選で、ロードコーススペシャリストとして第21戦ミッドオハイオに続く今季2度目のスポット参戦となるオーストラリア人ドライバー、オーウェン・ケリーが4番手、シリーズフル参戦2年目でランキング2位につける24歳のメキシコ人ドライバー、ダニエル・サレスが5番手。ルーキーイヤーながら今季シリーズ最多の3勝を挙げている20歳のエリック・ジョーンズが初めて走るコースながら10番手グリッドにつけた。

 27日(土)午後2時15分に、アップダウンに富んだ1周4.048マイルのロードコースを45周(182.16マイル:約290km)して競われる決勝レースがスタートした。エリック・ジョーンズはスタート直後の混乱を避けようとしたハードブレーキングでタイヤにフラットスポットを作ってしまい、2周目に予定外のピットインを強いられ、23位へと後退。

 1周が長く、グリーン下でピットインしても周回遅れにならないロードコースならではの、各チームの様々なピット戦略により目まぐるしく準位が入れ替わったが、サレスとケリーは上位をキープ。エリック・ジョーンズも追い上げ、終盤にはトップ10圏内まで復帰した。

 残り2周というところで発生したイエローコーションによりレースは延長、最後の2周の“オーバータイム”で競われることに。サレスが2位、ケリーが5位、エリック・ジョーンズが10位で残り2周の再スタートを切ったが、エリック・ジョーンズはスピン、ケリーも上位を争う中で接触を喫しコースオフ。サレスは2つポジションを落とすも、4位でチェッカーを受け、第20戦ワトキンス・グレンに続き、ロードコースでのトップ5フィニッシュを果たした。

 次戦第24戦は9月3日(土)、ダーリントン・レースウェイで行われる。

ドライバー ダニエル・サレス:
「最後は私の腕に問題が出てペースが上げられなくなり、これまでで最も厳しいレースのひとつとなってしまった。それでも5位でフィニッシュ出来たというのはまずまずだ。サポートしてくれた全ての人に感謝したい」

■NASCAR XFINITY 第23戦 Road America 180 レースハイライト



NASCAR CAMPING WORLD TRUCK SERIES
第14戦 Careers for Veterans 200
開催日:8月27日

最終周の大逆転でブレット・モフィットが初優勝!
“トヨタ タンドラ”1-2フィニッシュ

 NASCARキャンピング・ワールド・トラック・シリーズ第14戦「Careers for Veterans 200」が8月27日(土)にミシガン・インターナショナル・スピードウェイで開催された。

 27日(土)決勝を前に朝から行われた予選では、2回のシリーズチャンピオン経験を持ち、今季も2勝を挙げている40歳のベテラン、マット・クラフトンが2番手、ルーキーながら今季最多の5勝を挙げている18歳のウィリアム・バイロンが3番手、未勝利ながらランキング4位につける35歳のベテラン、ティモシー・ピーターズが4番手、21歳のクリストファー・ベルが5番手、前戦スポット参戦ながら2位フィニッシュを果たした24歳のブレット・モフィットが6番手と、レース名通り、久しぶりにベテランが気を吐いた予選で、“トヨタ タンドラ”勢が上位グリッドに並んだ。

 予選の後、コースは雨に見舞われ、午後1時過ぎに予定されていた決勝レースは予定よりも2時間半近く遅れた午後3時58分に2マイルオーバルを100周(200マイル:約320km)して競われる決勝レースのスタートが切られた。

 2番手グリッドのクラフトンがスタートで首位を奪うと、“チェイス”入りを確定するためにも勝利が欲しいピーターズがこれをかわし、ベテラン同士の首位争いが展開。これにベル、モフィットが加わっての上位争いとなった。しかし、クラフトンは後半に入ると首位争いからは脱落。終盤のイエローコーションから、残り8周での再スタートが切られると、モフィット、ピーターズ、バイロンを含む4台による首位争いに。

 ファイナルラップ、3台の“トヨタ タンドラ”による3ワイドバトルとなったが、アウト側のモフィットが一気に首位に浮上。2位を争ったピーターズとバイロンは接触、バランスを崩したバイロンは4位に後退。

 ピーターズは最後までチームメイトのモフィットをテール・トゥ・ノーズで追ったが届かず、0.098秒差で逃げ切ったモフィットがキャリア初勝利を挙げた。ピーターズが2位で続き“トヨタ タンドラ”は1-2フィニッシュ。バイロンが4位、キャメロン・ヘイリーが5位、ベン・ローズが6位、クラフトンが7位で続き、“トヨタ タンドラ”はトップ7中6台を占める速さを見せた。

 モフィットはシリーズ登録ドライバーとして勝利を挙げたが、今季4戦目の出場というスポット参戦のため、“チェイス”入りの条件は満たさず。今季から採用されたトラック・シリーズの“チェイス”で、これまでの勝者は6名。バイロンとクラフトン、ベルは勝利を挙げ“チェイス”入りを確定しているが、レギュラーシーズンは残り2戦。これまで未勝利のドライバーがこの2戦で勝てば一気に“チェイス”入りの可能性を残すため、まだまだ予断を許さない状況が続いている。

 次戦第15戦は9月4日(日)にカナダ・オンタリオ州ボウマンヴィルのカナディアン・タイヤ・モスポート・パークで開催される。

ドライバー ブレット・モフィット:
「今季初頭の時点では、ほとんどレース出場の予定はなかったが、何戦か出場することになり、チームが素晴らしい“トヨタ タンドラ”を用意してくれていた。前戦2位フィニッシュで悔しい思いをしたが、正直なところ今日のレース中も勝てるとは思っていなかった。ライバルとの接近戦を制することが出来、信じられないようなフィニッシュだった」

<キャンピング・ワールド・トラック・シリーズの“チェイス”>
今季よりエクスフィニティ・シリーズと、キャンピングワールド・トラック・シリーズでもプレーオフ“チェイス”システムが採用されることとなった。キャンピング・ワールド・トラック・シリーズでは、全23戦のシーズンのうち、終盤の7戦でタイトルを争う。開幕からの16戦全ての決勝に出場し、ランキング30位以内に入った上で、シリーズ戦勝利を挙げたドライバーと、ランキング上位のドライバーから8人が選抜される。“チェイス”進出者のポイントはリセットされ、3戦ずつの2ラウンドを戦い、各ラウンドごとにランキング下位2名が脱落しポイントをリセットして次ラウンドに進む。最終戦に残った4名のうち、最上位フィニッシュを果たしたドライバーがチャンピオンとなる。

■NASCAR CAMPING WORLD TRUCK SERIES 第14戦 Careers for Veterans 200