2016年8月30日
トヨタ自動車株式会社
モータースポーツマーケティング部
雨と霧が視界を遮る高速ターマック(舗装路)ラリー
高い信頼性を示し、価値あるJN5クラス4位を獲得
2016年シーズンの全日本ラリー選手権第6戦「モントレー in 嬬恋」が、8月27日~28日に開催され、TOYOTA GAZOO RacingチームのTGR Vitz GRMN Turbo(大倉聡/豊田耕司組)が、JN5クラス4位、総合18位で完走を果たした。
今回は、選手権ランキングで首位から8.6ポイント差の2位につける大倉選手にとって、タイトル奪取に向けて着実にポイントを重ねたい一戦となる。チームはこのラリーに向けて、ターマック(舗装路)仕様の2号車を投入。大会前日の夕方から本格的に雨が降り出し、土曜日のスタートの段階で、路面は滑りやすく濡れた状態となった。
ひとつの操作ミスで簡単にコースを外れてしてしまう難しい状況のなか、大倉選手は安定したタイムをマークし、初日をクラス5位で終えた。「コースによっては、路面に川のような雨水が流れている箇所もあったので、とにかく攻めすぎないように注意して走りました。高速コーナーが続くコースではパワーのある車両が有利ですが、低速コーナーが中心のコースでは互角に渡り合えたと思います」と、大倉選手。
ラリー2日目は、サービスパークでは雨が降り続いているものの、スペシャルステージ(タイムアタック区間でありタイムが計測されるコース)が行われる地域では雨は小康状態に。また、一部の区間では路面が乾き始めていた。大倉選手はSS12(12番目のスペシャルステージ)で4位にポジションを上げ、濡れた路面と乾いた路面が混在する難しい路面状況のなか、迫り来るライバルを凌ぎ切り、シーズン残り3戦のランキング争いにつながる価値ある4位を獲得した。
フィニッシュ後にチームの車両整備に戻ってきた大倉選手は、「前日よりもさらに良いフィーリングで走ることができました。今回は雨で滑りやすく危険な路面でしたが、TGR Vitz GRMN Turboはしっかり熟成されて、きちんと攻めることができました」と、過酷なラリーを終えて安堵の表情をのぞかせた。
チーフメカニックの豊岡悟志は、「今回は参加車両も多く、非常に面白いラリーでしたね。かなり難しい路面状況でしたが、ドライバーもメカニックも頑張ってくれました。トラブルなくしっかりと走り切ることができ、我々の強みであるマシンの、一戦一戦積み上げてきた信頼性の高さを実感したラリーでした」と、笑顔で語っている。