2016/8/29
エルシーアイ株式会社
Press-Information
スーパーGT 第6戦 鈴鹿1,000km レースレポート
8月28日(日)、スーパーGT第6戦 INTERNATIONAL SUZUKA 1000KMの決勝レースが開催されました。Cars Tokai Dream28は前日の予選で、今季の予選最上位となる3位を獲得。セカンドローからのスタートで、スーパーGT最長のレースをスタートすることとなりました。朝方から降り出した雨はウォームアップ走行まで続いたものの、レースが始まる前に回復。路面には所々ウェットパッチが残りましたが、SGTEVORAはスリックタイヤを装着して、12:30から始まった173周のレースを闘いました。
第1ドライバーを務めたのは、エースである加藤寛規選手でした。EVORAはライバルに対し比較的硬めのタイヤを選択していたため、オープニングラップこそ集団に飲み込まれましたが、タイヤが発動し出してから加藤選手は、素晴らしいペースで追い上げを開始。7周目で4位に上がると、ライバル達より約1秒早いペースで走り続けました。
しかしここで立ちふさがったのは、スタートでダッシュを決めた日産GT-Rでした。FIA-GTマシンはストレートが早く、コーナーで追いついてもこれを簡単に抜くことはできません。しかし前を塞がれ続けながらも、加藤選手はミスなくこれに追従。24周目まで粘り強い走りを披露して、ライバルがピットインしたのを機にすかさず速さを爆発させました。そして28周目には、スティント終盤にもかかわらず、2分1秒401のベストタイムを記録。ちなみにこれは、レース全体でも2番手の速さでした。加藤選手は31周目まで走りきり、トップで牧野任祐選手にバトンをつなぎました。
そして9位でコース復帰した牧野選手は、予選と同様ここでも活躍。スーパーGTの決勝レースが初めてとは思えない落ち着いた走りでアウトラップから速さを発揮し、44周目には3位へと浮上。61周目にはトップへと躍り出て、66周目までその座を守り抜きました。
ふたりの走りで得たアドバンテージと、天候をみて、ここでチームはひとつのプランを遂行しました。ジェントルマンドライバーである高橋選手を、一番よいコンディションで走らせることにしたのです。そして高橋選手も、この期待に応えました。9位でコース復帰した高橋選手は序盤に順位を落としながらも、その後は好ペースで周回。82周目まで6位をキープし続けたのです。
しかし83周目に、今シーズン最大のアクシデントが起きました。1コーナーをこれまで通りのペースで駆け抜けたEVORAは、2コーナーアウト側のリアタイヤを縁石に乗せた途端オーバーステアに。マシンは急激なスピン状態となり、クラッシュパッドへリアからヒットしてしまったのです。このクラッシュによってEVORAは走行不能に。あとわずか3周で交代というところで、リタイアとなってしまいました。
その速さからも十分に表彰台を狙えたレースだっただけに、今回は非常に残念な結果となってしまいました。しかしドライバーが無事だったことが、チームにとって何よりの幸運だったと言えます。次のレースも、チームは全力でがんばります。応援ありがとうございました。
■Cars Tokai Dream28シンティアム・アップル・ロータス
ドライバー:牧野任祐選手
「僕のスティントはピットで若干ロスがあったようで、順位が落ちてしまったのですが、これを挽回できたのは良かったです。途中雨が降ってきた時はキツかったですが、雨が止んでからは再びペースを取り戻すこともできました。今日はみんながいいペースで走れていただけに、結果は残念でしたけれど、素晴らしい経験ができました。」
ドライバー:高橋一穂選手
「加藤選手も牧野選手も、素晴らしい走りをして、チームの作戦も完璧だったのに、自分のミスひとつが、レースを台無しにしてしまいました。本当に...今日だけは悔やみきれせん。本当に全員ばっちりだったんです。今は...それだけです。」
ドライバー:加藤寛規選手
「決勝のセッティングは、最後の最後までエンジニアと悩んで出したもので、これが機能したのはとても嬉しかった。自分も、牧野選手も、そして高橋選手も、とてもいい走りができたんです。まさに高橋選手が走っていたときは、ライバルたちにも置いて行かれず、チーム全員が『よし、やるぞ!』と気合いを
入れ直していた矢先でした。それだけに、今回の結果はもったいなかったですね。でも、これは本人にも伝えたのですが、高橋選手が攻めの姿勢で走ってくれたのは良かった。ですから引き続き、継続して欲しいですね。」
チーフエンジニア:渡邊信太郎
「リタイアするまでのペースは本当に素晴らしく、第4スティント以降の闘い方が十分にマネージメントできる状態でした。具体的には22周のショートスティントを高橋選手がこなし、まだ余裕があるタイヤを交換せずに加藤選手が走らせることで、大幅にピット滞在時間を削減することができそうでした。本当に、惜しいレースでした。」