ルイス・ハミルトンは、ペナルティを回避するために今シーズンはもうパワーユニットのアップグレードを行わないかもしれない。ハミルトンは既に規定で定められている5基のパワーユニットを使ってしまっている。
現在チャンピオンシップをリードしているハミルトンは、ベルギーGPの週末で3度のパワーユニットのコンポーネント交換を行い55グリッド降格処分を課されていた。
これにより、ハミルトンは今季のパワーユニットの割り当て数が3つ増加したが、もしシーズン後半にアップグレードしたパワーユニットを使うことになった場合は、再びグリッド降格処分を受ける必要がある。
「チームは継続的にパワーユニットの開発をしてくれているので、今シーズン後半にさらなるアップグレードを投入できる可能性がある。でも僕は(ペナルティ回避のために)アップグレードすることはできないと思う」
「僕はそれを受け入れるしかない。本来予定していた割り当て数を超えてしまったから、今ある3基のパワーユニットを使うしかないんだよ」
しかし、シーズンの残りを新しいパワーユニットで戦うことによって、序盤戦よりもプッシュして戦えるとハミルトンは考えている。
「今週末から使い始めた3基で戦えると自信を持って言える。今までよりもさらにプッシュできるよ」
「パワーユニットにはある程度の寿命がある。レース毎に使っていい限界があるけど、それには一度も達したことはないよ。はじめは5基のパワーユニットでシーズン終了まで戦う予定だったので、常にセーブするようにしていたんだ。ダメにしてしまわないようにね」
「でもこれからは遠慮せずに使っていく。残り全てのレースで許す限り攻めていくつもりだ」
メルセデスのボスであるトト・ウォルフは、現在開発中のパワーユニットのアップデートをハミルトンのマシンに投入しなかったからといって、重大な損失はないと信じている。
「完璧なシナリオでは無いがね」
「もしパワーユニットにアップグレードを投入し、それがパフォーマンスの向上に繋がることでルイスが不利になるのであれば、それはもちろんよいことではない」
「だが、現在我々がダイナモ上でテストを行っているアップグレード版のパワーユニットは、現行のものとそれほど違いはないよ」
「ルイスが不利になるようなレベルのアップグレードではないので、これを投入したからといって彼のチャンピオンシップ争いに影響があるとは思わない」
「アップグレードを投入できないことよりも、彼がいま3基のパワーユニットを持っているということの方が勝っている。その方がずっと重要だ」