メルセデスのチーム代表であるトト・ウォルフは、複数の要因がからみあったため、ベルギーGPの週末は苦しんでいたと考えている。
メルセデスは、最も柔らかいコンパウンドであるスーパーソフトタイヤを十分に機能させることができなかった。とくに気温が高くなるとタイヤが摩耗しやすいことを考慮し、ポールポジションを獲得したニコ・ロズベルグはソフトタイヤで予選Q2を突破、決勝でスーパーソフトを使用しなかった。
「他チームよりもオーバーヒートとブリスターの発生に苦しんでいた」とウォルフは語る。
「特定のサーキットだけでスーパーソフトが機能しないのは奇妙なことだ。普通ならスーパーソフトとソフトで約1秒のギャップがあるのに、ここではラップタイムがあまり変わらない。ソフトタイヤのパフォーマンスは予想どおりだが、スーパーソフトタイヤを機能させられないんだ」
ウォルフは、チームがこの問題の原因をピンポイントで解明するのに苦慮していると語った。
「スーパーソフトが機能しない原因はひとつではないんだ。このコースはかなり路面が粗く、タイヤの摩耗が激しい」
「粗い路面、暑さ、タイヤに高い負荷がかかるコーナー、そしてスーパーソフトタイヤ。もし、これらすべての条件が我々に不利に働いていたのだとすれば、このような結果になるのかもしれないね」
タイヤの状況を鑑みて、ウォルフはレース前に次のように語っていた。
「もし決勝が暑かったなら、彼(ハミルトン)が最後尾からポイントを獲得するのは非常に厳しいだろうね」
ハミルトンも「スーパーソフトタイヤのパフォーマンスが少しひどい状況だから、厳しいレースになりそうだ。うまくやり抜いてポディウムを獲得したり優勝したりするのは、かなり厳しいだろう」と語っていた。
しかし、レースが終わってみればロズベルグがポール・トゥ・ウインを飾り、21番手からスタートしたハミルトンも大混乱を味方につけて3位表彰台を獲得した。
「僕の予想が間違っていて、うれしい驚きがあることを祈っているよ」と、レース前に語っていたハミルトン。3度のワールドチャンピオンは今シーズン一番の逆転劇を現実のものとした。