昨年のシリーズチャンピオンであるチーム・ダイナミクスのゴードン・シェドンが、8月27~28日にロッキンガムで開催されたBTCC英国ツーリングカー選手権シリーズ第8戦のオープニング(ラウンド22)で、後続を引き離してレースを支配する完全勝利をマーク。シリーズタイトル防衛に向けて見事なジャンプアップを決めた。
土曜の予選でポールポジションを獲得していたシェドンのホンダ・シビック・タイプRだったが、スタートではフロントロウのフォード・フォーカスに乗るマット・ジャクソンが猛チャージ。オープニングラップで再三シビックのテールを突き続けたものの、シェドンはポジションを譲らず先頭を堅持した。
「とくにターン2のヘアピンでジャクソンはものすごく距離を詰めてきたけど、うまくマネージしてポジションを守ることができたよ」とシェドン。
その後、フォーカスがミラーを見はじめ、後続の3番手に対してディフェンスを迫られている、と判断したシェドンは「ここで離さなきゃならない」と、一気にスパート。
しかし中盤にはアクシデントによりセーフティカーが導入され、築いたリードは一瞬で無に帰す不運。それでもリスタートでは「誰も真後ろにつけていない隙を狙って飛び出せたし、そのままギャップを稼ぐべくいいペースを保つことができたよ」と、今季3勝の意地を見せたシェドンが、そのままリードを広げてフィニッシュ。盤石の4勝目を飾り、「これこそ、僕らの待ち望んでいた瞬間だ」と、シリーズポイントでも週末を終えて3位に浮上することとなった。
その後方、2番手フォーカスのマット・ジャクソンがディフェンスに徹する必要に迫られた相手こそ、チームBMRの好調スバル・レヴォーグ軍団。3番手ジェイソン・プラトと、4番手コリン・ターキントンの2台が執拗にマシンを左右に振り、フォーカスのポジション陥落を狙うも、ジャクソンが絶妙なライン取りとポジショニングで応戦。モーターベース・チームのフォーカスを、なんとか2位でフィニッシュラインまで運ぶことに成功した。
「本当にハードワークだったよ」と、ジャクソン。
「ジェイソン(・プラト)は僕のボジションをうかがって、何度もノーズを入れ込んでくる余裕があった。だから僕はマシンのポジションをどこに置くか、常に注意を払う必要があったんだ」
続くレース2となるラウンド23では、今季のポイントリーダーであり、ウエイトに苦しみ続けていたウェストサリー・レーシングのBMW125i Mスポーツを駆るサム・トルドフが勝利。ラウンド24となるレース3では、エンジン交換で10ポイントペナルティを受けつつも、その分を取り返す快走をみせたBKRのフォルクス・ワーゲンCC、アーロン・スミスがトップチェッカーを受けている。
このスミスの勝利で今季のウィナーはBTCC新記録の12人となった。