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F1ベルギーGP決勝トップ10ドライバーコメント

2016年08月29日 14:01  AUTOSPORT web

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2016年F1第13戦ベルギーGP 優勝:ニコ・ロズベルグ、2位:ダニエル・リカルド、3位:ルイス・ハミルトン
2016年F1第13戦ベルギーGP、トップ10に入ったドライバーたちが決勝レースを振り返った。

■メルセデスAMG・ペトロナス・フォーミュラワン・チーム
ニコ・ロズベルグ 決勝=1位
 伝説のサーキット、スパで優勝することができてすごくうれしい。僕らにとって楽な週末ではなかった。セットアップがスムーズに決まらなかったんだ。でも決勝では完璧だった。

 ミディアムタイヤでのスティントはとても好調で、ソフトでのスタート時も本当に快適だった。今日のマシンは素晴らしかった。いい状態に仕上げてくれたチームに感謝したい。

 ルイス(・ハミルトン)が3位まで挽回したのはチームにとっていいことだ。全体的に素晴らしい結果を出すことができたね。

 オランダの人たちが大勢マックス(・フェルスタッペン)を見に来ていて、最高の雰囲気だった。(フェルスタッペンが上位に入れなかったことを)悲しむことはないよ。彼はまだ若い。これからここで何度もレースをして、もっとずっといい結果を出すことになるはずだ。

 数日後にはモンツァでレースだ。今日はルイスが(グリッド降格)ペナルティを受けたことで、僕は比較的楽な状況で戦えたけど、来週末は彼が優勝争いに戻ってくる。エキサイティングになりそうだ。

(トップ3記者会見で語り)スタートの時と、ダニエル(・リカルド)がセカンドスティントの序盤にかなり速かった時には、プレッシャーを感じたけれど、全体的にみると、すべてをコントロールして走れていたと思う。マシンはとても好調だったし、ルイスが優勝争いする位置にいかなったために、今週末はいつもほどはきつくなかった。

■レッドブル・レーシング
ダニエル・リカルド 決勝=2位
 この結果を喜んでいる。今日は表彰台に上がれる可能性はあると思っていた。もちろん保証はないけれど、金曜に確認した速さがあれば、達成できると分かっていたんだ。

 ルイス(・ハミルトン)が後方からのスタートになったので、少なくとも2位をつかめるチャンスはあった。それをしっかり確保した。

 もちろんいつだって優勝が最大の目標だけど、ニコ(・ロズベルグ)は僕らが予想していたとおりの速さを発揮していたから、今日は2位が僕らに可能な最大限の結果だった。

 スタートではいろいろなことが起きた。僕も(アクシデントを起こした他のマシンからの)破片に当たってしまい、フロントウイングがダメージを負った。だから赤旗に助けられた。その間に修理ことができたんだ。それまではダメージの影響でマシンの調子がよくなかった。

 レース再開後は、僕にとってはあまりアクションのない展開で、ひたすら一貫した走りをするよう心がけた。そしてこういういい結果が出せたんだ!

 今週末、来てくれたファンは素晴らしかった。ドライバーパレードの雰囲気もすごくよかった。99パーセントはマックス(・フェルスタッペン)のファンだけど、彼らは他のドライバーたちにも声援を送ってくれた。素晴らしいスポーツマンシップだよ。マックスへの応援が一番大きかったが、ファンの人たちは、ドライバー全員に手を振ったり、声援を送ってくれたりしたので、すごくうれしかった。オランダとベルギーのファンは最高だね。


■メルセデスAMG・ペトロナス・フォーミュラワン・チーム
ルイス・ハミルトン 決勝=3位
 レース前に、これだけ(グリッド降格)ペナルティを受けながら3位になると言われていたら、喜んでいただろうね! 全く予想していなかったよ! 昨日も言ったけど、今日はどこまで行けるか、分からなかった。でも前向きな気持ちでレースに臨んだ結果、すべてがうまくいった。険しい山を登らなければならなかったが、チーム一丸となっていい仕事をした。すごくうれしいし、皆を誇りに思う。

 マシンのパーツをたくさん交換しなければならず、ミスが起こってもおかしくない状況だったのに、皆、素晴らしい仕事をしてくれた。(今週末投入した)パワーユニット3基はすべて完璧に機能していた。僕は今、他のほとんどのドライバーよりもエンジンをプールしているので、それは有利になる。ここから後半戦の戦いがスタートする。

 今日はマシンがとても好調だった。決勝中、一番苦労した部分は、序盤からどういう精神的なアプローチでいくかということだった。スタートでリスクを冒すか、後ろで控えていて慎重に順位を上げていくかという問題だ。結局その中間でいったが、いろいろな出来事があって、ありがたいことにそれをうまく利用することができた。

 最後列からオーバーテイクを繰り返していかなければならず、通常よりプッシュする必要があった。だから3回ストップで行ったんだ。ミディアムを使って2回ストップでうまくやれたのかどうかは、何とも言えない。でもリスクを冒さないで済んだのはよかったと思う。チームは正しい判断をしてくれた。

 ここのファンは素晴らしいね。もちろんほとんどがマックス(・フェルスタッペン)のファンだろうけど、イギリスからも大勢来てくれていて、熱心に応援してもらった。皆、ありがとう。
 
 一時は優勝のことも考えた。でもニコ(・ロズベルグ)とのギャップがすでに大きいことは分かっていた。彼はサンデードライブをしていたようなものだ。誰からもプレッシャーをかけられていなかった。僕はフェルナンド(・アロンソ)やフォース・インディア(ニコ・ヒュルケンベルグ)を抜かなければならなかった。だから、最大限のポイントを確保することに集中していた。

 今回(ロズベルグとのポイント差を)10ポイントしか失わずに済んで、その上、新品エンジンを3基プールできたのは、大きなボーナスのようなものだ。

■サハラ・フォース・インディアF1チーム
ニコ・ヒュルケンベルグ 決勝=4位
 今日はチームとしてすごい結果を出すことができた。4位を獲得できてとてもうれしい。通常起こらないようなことがいくつか起こったが、僕らはチャンスをつかみ、貴重なポイントを手に入れた。

 スタート直後はすごくうまくいった。1周目は最高だったよ。ニコ(・ロズベルグ)に続く2位に上がり、後ろのグループを引き離していったんだ。残念ながら赤旗が出たことは僕らには有利に働かず、すべてがリセットされて、皆のタイム差がなくなってしまった。

 リスタートはうまくいき、その後のレースもうまくコントロールして走れた。ペースを管理し、タイヤを労わって走ることを心掛けたよ。

 ピットレーンから出てくる時にフェルナンド(・アロンソ)とバトルになった。でも僕らは前の位置を保ち、最終的に4位を獲得できた。

 状況が少しでも違っていたら、表彰台に乗ることができただろう。それでも4位に満足している。


■サハラ・フォース・インディアF1チーム
セルジオ・ペレス 決勝=5位
 チームにとって素晴らしい一日になった。5位で完走できてうれしい。最初から厳しいレースだった。ターン1に入るのにワイドなラインを選んだが、アクシデントを避けるためにかなりアウト側までいかなければならず、そこでポジションをいくつか落とした。9位に落ちてしまい、それがその後のレースに影響した。

 序盤はそこから順位を上げていけたが、新品タイヤに交換するたびに誰かを攻めなければならず、タイヤに負荷をかけてしまった。たとえばフェリペ(・マッサ)やフェルナンド(・アロンソ)だ。
 それでも何とかポジションを上げていき、チームのためにいい結果を持ち帰った。

 コンストラクターズ選手権4位に上がることができたのは、素晴らしい成果だと思う。でもシーズンは長いから、浮かれないようにしなければ。この勢いを保ち、今後も上位で入賞し続けたい。

■スクーデリア・フェラーリ
セバスチャン・ベッテル 決勝=6位
 抜群のスタートを決めた。僕は2番手にいて、クルマ半分前に出ていたので、僕に優先権があった。キミ(・ライコネン)のことはほとんど見えなかった。彼は僕のブラインドスポットに入っていた。彼の右側にはマックス(・フェルスタッペン)がいたけれど、マックスも僕からは見えなかった。

 マックスがしようとしていたことが成功する可能性があったのかどうか分からない。彼はキミにイン側に寄るためのスペースを与えていなかった。そのために、彼らふたりはターン1を普通の形で通過することができなかった。

 僕ら3台は接触した。キミと僕にとって悪いニュースだ。後から考えれば、僕がイン側にもっとスペースを残しておくこともできたのだろうが、ドライバーとしてはポジションを争っているときにはコーナーをいい形でクリアしたいと思うものだ。それに僕はキミにはスペースを残した。ただそれが3台分ではなかった。

 マックスはスタートを失敗し、後退していた。この数年、目にしてきたことだけど、イン側の小さな隙間に飛び込むと、基本的にはまっすぐ行ってしまう。優先権は前にいるクルマにある。そのことを彼は理解すべきだ。彼があそこで接触することなくコーナリングするのは不可能だった。

 僕とキミは今のやり方を変える必要があるとは思わない。僕らは互いを尊重し合っているからね。同じカラーのマシン2台が接触するなんて残念なことだ。

(F1iに対して語り)ターンインする時点で僕はクルマ半分以上キミより前に出ていた。だからほとんど彼のことは見えなかった。マックスはずっと後ろにいて、そこからインに飛び込もうとした。

 僕がそのグループの先頭にいて、ターンインした。キミには避けることができなかった。彼は2台にはさまれていて、行き場がなかったからね。あそこにマックスがいて、インに飛び込もうとしていたというのを、僕は後から知った。

(英AUTOSPORTに対して語り)後からあれこれ考えるのは簡単だ。僕がもう少し遅くコーナーを曲がっていたり、もう少し外側を回っていたら、どうなっていたか。そしたら彼らふたりが接触し、僕はアクシデントを避けられただろう。

 でもあのコーナーは3台同時には回れない。(3台並んでしまうと)イン側の人間がアウト側に対して問題を引き起こす可能性がある。それがキミと僕に起こった。

(ライコネンが批判している、フェルスタッペンの防御の仕方に関して聞かれ)誰かを罰することは僕は好きではない。人を教育するのにいいやり方ではないからね。一緒に話し合い、尊重し合うことが大切なんだ。何かを教えるためには、メディアを通して騒ぎを起こすのではなく、話し合うべきだ。

 彼のことは好きだし、いい関係を結んでいる。でもブレーキング時の動きは正しいものではない。僕自身、彼とレースをしていて経験した。あれは修正すべきことであり、彼はそれを理解する必要がある。


■マクラーレン・ホンダ・フォーミュラ1チーム
フェルナンド・アロンソ 決勝=7位

 エキサイティングなレースだった。最初から最後までいい感触を持って走れた。

 今週末はペースがよかった。このサーキットで想定していたよりもよかったと思う。昨日は予選でジェンソン(・バトン)がトップ10に入り、今日は僕らがポイントを挙げることができた。 

 実際、数カ月前には、このタイプのサーキットでは(7位に入れるなんて)考えられなかった。つまり真の進歩を遂げたということだ。

 昨日まで何度も不運に見舞われてきたが、今日やっと幸運に恵まれた。最後尾からスタートし、すべての事故から身を遠ざけて、セーフティカーのおかげでいくつかポジションを上げ、赤旗でもさらに順位を上げた。
 フレッシュタイヤを履いて、4番手の位置を走った。その上、その状況を管理できるだけのペースもあった。

 確かにルイス(・ハミルトン)、チェコ(ペレス)、セブ(ベッテル)を抑え切ることはできなかった。単純に彼らはあまりにも速かったからだ。でもバルテリ(・ボッタス)を最後まで抑え切れるだけの速さはあった。 

 さらに、コンストラクターズ選手権でトロロッソの前に出ることができたのは素晴らしいニュースだ。ここからは毎戦入賞することが可能だと思う。
 
 つまり今週末は、チームが大きく進歩したという証を確認できた。僕らが正しい方向に進んでいるのは間違いない。

 去年はスパでウイリアムズと戦うことはできなかった。数カ月前もそうだ。まだ最大限の喜びを感じているとはいえない。7位を戦うことを目標としているわけではないからね。でもチームが成し遂げた進歩は驚くべきものだ。この勢いを来年も維持できるのであれば、大きな期待ができる。

■ウイリアムズ・マルティーニ・レーシング
バルテリ・ボッタス 決勝=8位
 期待外れの結果に終わった。レース序盤のチャンスをむだにすることになり残念だ。スタート直後はとてもいいポジションにいた。セーフティカーが入ってすぐにタイヤ交換をすべきだったけど、それができず、ポジションを大幅に落とした。

 その後も、できるだけいい結果を出すために頑張った。少なくともポイントは取ることができてよかった。それでも残念な結果だけどね。

 来週はまたグランプリがあるから、今日のことから学習する必要がある。モンツァではもっとうまくやりたい。


■スクーデリア・フェラーリ
キミ・ライコネン 決勝=9位
 スタート直後の1コーナーでのことだけど、セバスチャン(・ベッテル)にはイン側に別のクルマがいるのが見えなかった。彼は、僕がコーナーを曲がるところだと思っていたが、実際には僕にはそれができなかった。(ベッテルとマックス・フェルスタッペンの)間にはさまれて、行き場がなかったんだ。それで互いに接触した。このことがレースを台無しにした。


 その後は苦しい戦いを強いられた。マシンのフロアがダメージを負ったしね。でも、楽ではなかったけれど、ベストを尽くして走り、いくつかポジションを取り戻した。

 1コーナーのアクシデントがなければどのあたりまで行けたのか、予想はできないけれど、週末を通してマシンの感触がよかったのは確かだ。望んでいた結果を出せず、残念だけれど、レースではこういうことが起こることもある。

 フェアなレースや激しいバトルに関しては構わないけれど、オー・ルージュでフェルスタッペンとの間に起きたことは正しいことではないと僕は思う。僕はフルスピードで走り、彼をオーバーテイクしようとしていた。そしたらターン5の手前で、彼は僕のすぐ目の前で向きを変えた。他のドライバーにこういうことをされたことは一度もない。僕がハードブレーキングしなければ、フルスピードで彼にヒットしていただろう。そしたら大事故になっていた。

 DRSを使っていると彼(フェルスタッペン)より15~20km/h速くなる。僕がターンインし始めると、彼はぎりぎりまで待ってから、僕より後に向きを変える。

 速度差がかなり大きいから、僕は彼を避けるためにブレーキを踏んで減速しなければならない。フルスピードで走っているときにそういうことが起きるべきじゃない。でもどういうわけかスチュワードはそれをOKとしている。このまま変わらなければ、いずれは大きな事故が起きてしまうだろう。

(フェルスタッペンにペナルティが科されないということは)あれが問題ないということらしい。今後、何かが起きたとき、誰に責任があるとされるのか、興味深いね。

 事故が起きてからでないと、状況が明確にされないのかもしれない。でもそれは望ましくない。誰かがひどい目に遭うかもしれないし、そんな事態は誰も見たくないはずだ。

 激しいバトルをするのはいい。でもああいう行為を正しいとすべきじゃない。

■ウイリアムズ・マルティーニ・レーシング
フェリペ・マッサ 決勝=10位
 とても難しいレースだった。最後までタイヤを持たせようと努力し、戦いながら内圧のチェックをしなければならず、苦労した。

 長いスティントを走るのは難しかった。タイヤがいい状態の時には上位を争うことができたが、タイヤが終わってしまった後は、全く戦えなくなった。