2016年F1ベルギーGP決勝で、フェラーリのセバスチャン・ベッテルは6位だった。
■スクーデリア・フェラーリ
セバスチャン・ベッテル 決勝=6位
抜群のスタートを決めた。僕は2番手にいて、クルマ半分前に出ていたので、僕に優先権があった。キミ(・ライコネン)のことはほとんど見えなかった。彼は僕のブラインドスポットに入っていた。彼の右側にはマックス(・フェルスタッペン)がいたけれど、マックスも僕からは見えなかった。
マックスがしようとしていたことが成功する可能性があったのかどうか分からない。彼はキミにイン側に寄るためのスペースを与えていなかった。そのために、彼らふたりはターン1を普通の形で通過することができなかった。
僕ら3台は接触した。キミと僕にとって悪いニュースだ。後から考えれば、僕がイン側にもっとスペースを残しておくこともできたのだろうが、ドライバーとしてはポジションを争っているときにはコーナーをいい形でクリアしたいと思うものだ。それに僕はキミにはスペースを残した。ただそれが3台分ではなかった。
マックスはスタートを失敗し、後退していた。この数年、目にしてきたことだけど、イン側の小さな隙間に飛び込むと、基本的にはまっすぐ行ってしまう。優先権は前にいるクルマにある。そのことを彼は理解すべきだ。彼があそこで接触することなくコーナリングするのは不可能だった。
僕とキミは今のやり方を変える必要があるとは思わない。僕らは互いを尊重し合っているからね。同じカラーのマシン2台が接触するなんて残念なことだ。
(F1iに対して語り)ターンインする時点で僕はクルマ半分以上キミより前に出ていた。だからほとんど彼のことは見えなかった。マックスはずっと後ろにいて、そこからインに飛び込もうとした。
僕がそのグループの先頭にいて、ターンインした。キミには避けることができなかった。彼は2台にはさまれていて、行き場がなかったからね。あそこにマックスがいて、インに飛び込もうとしていたというのを、僕は後から知った。
(英AUTOSPORTに対して語り)後からあれこれ考えるのは簡単だ。僕がもう少し遅くコーナーを曲がっていたり、もう少し外側を回っていたら、どうなっていたか。そしたら彼らふたりが接触し、僕はアクシデントを避けられただろう。
でもあのコーナーは3台同時には回れない。(3台並んでしまうと)イン側の人間がアウト側に対して問題を引き起こす可能性がある。それがキミと僕に起こった。
(ライコネンが批判している、フェルスタッペンの防御の仕方に関して聞かれ)誰かを罰することは僕は好きではない。人を教育するのにいいやり方ではないからね。一緒に話し合い、尊重し合うことが大切なんだ。何かを教えるためには、メディアを通して騒ぎを起こすのではなく、話し合うべきだ。
彼のことは好きだし、いい関係を結んでいる。でもブレーキング時の動きは正しいものではない。僕自身、彼とレースをしていて経験した。あれは修正すべきことであり、彼はそれを理解する必要がある。