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ポルシェカレラカップ ジャパン第9戦 予選レポート

2016年08月29日 02:51  AUTOSPORT web

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ポルシェカレラカップ ジャパン第9戦 予選
プレスインフォメーション

2016年8月27日

ポルシェカレラカップ ジャパン 2016 第9戦 予選レポート

鈴鹿. ポルシェ ジャパン株式会社(本社:東京都目黒区 代表取締役社長:七五三木 敏幸)とポルシェ カレラカップ ジャパン(PCCJ)委員会は、ポルシェ カレラカップ ジャパン2016第9戦予選を鈴鹿サーキット(三重県)にて、2016年8月27(土)に開催いたしました。

PCCJ2016第9戦(鈴鹿)公式予選
天候:曇り 路面:ドライ

 ポルシェカレラカップ ジャパン(PCCJ)の2016年シーズン第9ラウンド、鈴鹿が伝統の“鈴鹿1000kmレース”スーパーGT第6戦と併催された。今大会には、20台のエントリーがあり、そのうち出走を取り消した1台を除く19台の車両が金曜日の公開練習から精力的なセットアップを行い、土曜日の予選に臨むことになった

 ユーズドタイヤで走る金曜日にも2分8秒台前半のタイムでトップタイムを叩きだした#78近藤翼が先頭でコースインし、第9戦の予選は幕を切って落とされた。日差しこそさほど強くはないものの、気温33度、路面温度41度というコンディションの下、ニュータイヤを履くカップカーがどこまでタイムを詰めるか注目されたが、近藤の最初のアタックラップは8秒台にとどまり路面温度の高さがラップタイムに厳しいことが窺われた。

 その直後にはやはり公開練習で8秒台前半のタイムをマークしていた#7星野敏がつける。ジェントルマンクラスで今年安定してトップタイムを出し続ける星野が、オーバーオールクラスのポイントリーダーである近藤を追い詰める展開になることも期待されたが、星野は2回目のアタックラップ中にスロー走行の車両に追いついてしまい、タイムアップがままならない。



 そこに割って入ったのが昨年度のジェントルマンクラスでチャンピオンを獲得した#9武井真司であった。この時点でトップタイムは2分8秒539。すかさず近藤がベストラップを一気に1秒以上縮める2分7秒287を記録してトップに立った。

 ちょうどその頃デグナーカーブで1台の車両がコースオフしたため、主だったチームは1セット目のタイヤでのアタックを終え、続々とピットインを行った。この時点でのトップ3は近藤、武井、ジェントルマンクラスの#25 内山 清士という顔ぶれであった。

 予選は30分で争われるため、アタックを急ぐ必要は通常はないものの、強い日差しが路面を照らし始めたことでコンディションは悪化していき、2セット目でもタイムアップを果たせないドライバーが少なくない。



 そんな状況にもかかわらず10ラップ目にして#14三笠雄一が2分7秒827を記録して星野を上回ることに成功、オーバーオールクラスの面目を保つことになった。とはいえ武井には0.013秒及ぶことができず、日曜日の決勝は3番手のポジションからスタートすることになる。

 ジェントルマンクラスは2セット目のタイヤでタイムアップを果たした星野が総合4番手となる8秒608でトップに立ち、2番手に9秒016の#24剛覇矢人、さらに9秒146を記録した#98 IKARI GOTOというトップ3で日曜日の決勝レースを迎える。

PCCJ第9戦は8月28日(日) 09:15にスタートが切られる予定となっている。

<Tips>イコールコンディション維持のための弛みない努力
 ポルシェ カレラカップは数あるワンメイクレースの中で最も厳格にイコールコンディションを追求しているレースカテゴリーだが、PCCJも世界中で行われているカレラカップと同様、厳格なイコールコンディション化を図るべく様々な機器が運用されている。

 テクニカルレギュレーションはドライバーの安全装備をはじめとして数々の規則が30ページ以上にわたって詳細に説明されているが、その中でも車両に関する規定は微に入り細に穿った記述が続いている。本年度のPCCJに参加できる車両は2016年モデルの911GT3 Cup(Type991)および2014~15年モデルに技術的な適合作業を加えた車両が参加を認められている。

 エンジンは338kW(460PS)/7,500rpmを発生する3.8リッターの水平対向6気筒自然吸気ユニットで、最高回転数は8,500rpmに制限されている。エンジンマネジメントシステムはモトロニック電子制御装置で、プラグインコネクターを含めて封印が施されている。

 トランスミッションはシングルクラッチながら純レーシングカー用のドッグタイプ6速シーケンシャルで、ギアレシオはファイナルドライブを含めて変更することはできない。さらにエンジンとトランスミッションは封印で管理されており、ボディにマウントするボルト・ナット以外、一切の変更が認められていない。

 もちろんオーバーホールを行うには分解の必要があるが、分解作業はPCCJ委員会から事前承認を得る必要があり、完成後にはあらためて内容を確認した上で再度封印が施される。

 シャシーにも厳格な制限が適用されており、ショックアブソーバーとスプリングは工場出荷状態が指定されており、バンプストップラバーまで前後とも専用部品しか用いることができない。キャンバー調整用のスペーサーワッシャ(シム)はフロントで最大18mm、リア最大15mmと定められており、さらにアッパーアームマウントの調整を行ってもキャンバーアングルはフロント‐4.5°、リア‐4.2°以上に寝かせることはできない。

 さらにその状態を確認するため、車検・再車検ではポルシェAGが世界共通で推奨しているintercomp社の移動式定盤付コーナーウェイトゲージが毎レースごとにパドックに設置されるという徹底ぶりだ。

 車両の最低重量は1210kgとされ、安全装備を施した状態でのドライバーを含む最低重量は1290kgとなっている。タイヤはドライではもちろんミシュランのスリックタイヤを使用し、全レースにおいて構造・コンパウンドともに仕様はひとつに決められている。これはウエットタイヤも同様だ。

 なお今回の鈴鹿のようなシングルレースの場合、1回のレース(予選・決勝)において1台につき2セットまでの新品スリックタイヤの使用が許されており、当然公式予選前にマーキングされている。タイヤを含めると納品前に封印あるいはマーキングが施される部品は31アイテムにも上る。