第6戦 鈴鹿 決勝レポート (GT500)
SCのタイミング合わず苦戦するが9位
朝から雨が降っていた鈴鹿サーキットだが、午後は曇りの予報。しかし、雨雲レーダーを見ると、降雨の心配もあったので、スタート前に行われた20分のウォームアップ走行では、両方の天候に対応出来る準備を進めた。
そして、1,000kmの長いスタートが切られた。松浦は上手くスタートを決めて4番手で1周目を終えた。序盤からペースも良く、トップ争いに加われるほどのハイペースだった。しかし、5周を過ぎたあたりから徐々にペースが落ち始めた。松浦は必死に順位をキープして走行を続けるが、8周目に一気にタイムが落ち込んでしまった。松浦はピックアップに悩まされている事を無線で訴えてきてポジションをキープするのが難しくなってきた。
11周目にはついに9番手までポジションを落としてしまったが、松浦は2周ほどでペースを元に戻してきた。そこから順位を上げるのは難しかったが、タイヤの空気圧の調整が必要だったので、野尻が履くタイヤの空気圧を調整するように松浦は無線で指示を出した。予定より早めにルーティンのピットインを行った。
野尻は12番手でコースに復帰し、速く安定したペースで前車を追った。徐々に300クラスの周回遅れが出始め、野尻が順位を上げるには少々時間がかかったが、53周目までに8番手まで順位を回復した。その頃、コースには雨が降り始めていた。雨はそれほど強く降らなかったが、ルーティンのピットインが迫っていたので、58周目にピットイン。
松浦がコースに復帰する頃には雨も弱くなり、ほぼドライコンディションでレースが続いた。前車のピットインもあり、次のルーティンのピットインでは6番手で野尻にバトンを渡した。しかし、この時既にラップダウンになり、300クラスの車がS字コーナーの手前でクラッシュ。セーフティーカーが導入された。この時点で10番手を走行していたが、入ったタイミングが我々にとって悪いタイミングで、トップと同一周回になれる可能性が少なくなってきた。
92周目に再スタートが切られ、野尻はトップの車と同じペースで周回を重ねた。ポイント圏内を走る続け、最終的に9番手までポジションを上げるが、それ以上順位を上げる事が出来ず、9位で無事チェッカーを受ける事が出来た。終盤雨が降り始め、スピンやオーバーランする車が目立ったが、松浦、野尻、チームはノーミスで完走を果たし、貴重なポイントを重ねた。
鈴木亜久里監督のコメント
「序盤のピックアップや、セーフティーカーの導入のタイミングなど、色々な事の積み重ねで周回遅れになってしまったんだけど、ペースは悪くなかったね。このちょっとした事の差が大きな差になってしまうので、この辺をうまくまとめていければトップ争いに加われると思う。徐々に歯車が合い始めてきたから、残りの3レースはこれをカタチにしたいね」
星学文エンジニアのコメント
「予選のポジションから少しでも上のポジションでレースを終えたかったのですが、変わりやすいコンディションだったので、最初のスティントは出来る限り伸ばしていく戦略でした。ペースは悪くなかったんですが、微妙なコンディションの変化で順位を落としてしまったり、ちょっとした差で周回遅れになってしまいました。予選を見ると少しずつパフォーマンスが上がってきているので、ロングのペースを見ると、もう少し全体的な改善をしていく必要があると思います。次回のサーキットはNSXに向いていると思うので、準備していきたいです」
松浦孝亮選手のコメント
「序盤はペースも速かったので良い展開に持っていけると思っていましたが、恐れていたピックアップが始まってしまい、自分達の思い通りの展開へ持ち込めませんでした。苦しいレースではありましたが、ピット作業もノーミスで、ドライビングもほぼノーミスで走る事が出来たので、車のセットをもっと煮詰めていって、チャンスが訪れた時に掴めるように準備していきたいと思います」
野尻智紀選手のコメント
「まず、1,000kmというレースを最後まで走り切れた事は良い経験になりました。ペースは良かったと思うのですが、SCが入るタイミングなど色々な要素が重なって、トップ集団からは離されてしまいました。改善点も見えましたし、自分自身の良いところや悪いところも長い距離を走る事で見えてきましたので、この経験をタイにつなげたいです」