第6戦 鈴鹿 決勝レポート (GT300)
コンディション合わず上位進出ならず
55号車は気温が高い状態では速いラップタイムで走る事が出来なかったので、それを少しでも補えるようなセットを考えて決勝に挑んだ。スタートは高木。鈴鹿のテストではウェットコンディションで速さがあったので、ドライバーもチームも雨を望んでいた。決勝前の20分のウォームアップはウェットコンディションで行われたが、それを証明するように55号車はトップでウォームアップを終えた。
しかし、スタートまでには雨は止んでしまい、ドライコンディションでスタートは切られた。しかし、幸いな事に気温はそれほど高くなかったので、予選の時よりは車のバランスが良く、高木は21番手までポジションを上げて周回を重ねた。30周目に小林に交代し、ポジションを落とさず21番手でコースに復帰。
小林は速いペースで3周後には19番手までポジションを上げる。更に44周目にはひとつポジションを上げたところで雨が降りだした。しかし、我々が望むほどの雨は降らず、2周後には雨も止んでしまい、元のドライコンディションに戻ってしまう。
61周目にピットインして高木は2回目のスティントを21番手で復帰。なかなか順位を上げられずに走行していたが、このスティントではコンディションが車に合ってきたのか、ジワジワとポジションを上げていき、80周目には15番手までポジションアップ。そこで他車がクラッシュしてしまい、セーフティーカーが導入された。
5周後にリスタートし、更にその5周後に小林に交代。小林は17番手でコースに復帰。次に雨が降りだした115周目あたりで13番手までポジションを上げた。ポイント圏内まではあとすこしのところまできた。122周目に高木に交代する予定だが、エンジニアの一瀬は走行前の高木にタイヤはこのままでいいか聞いた。高木は少し柔らかいタイヤを試してもよいのではないか?と結論を出し、後輪を柔らかいタイヤに変更した。
16番手で復帰した高木は、タイヤのチョイスが正解だったのか、前のスティントよりペースが上がってきた。前車とのギャップが開いていたので、ポイント圏内まで順位を上げる事は難しい状態だったが、ポジションを13番手まで回復したところで小林に交代する。ここで高木は痛恨のピットロード速度違反を犯してしまう。リミッターのボタンは押したのだが、グローブが滑って押されていなかったのだ。小林のスティントでドライブスルーペナルティを課せられてしまう。順位は大きく落とす事は無かったが、14位でチェッカーを受けた。
予選ではまともに走れないほど車のバランスが悪かったが、決勝前までのウォームアップでバランスが改善出来たので、もう少し順位を上げられるよう総力を注ぎこんだが、力が及ばなかった。次回は我々の車に合った性格のコースなので、挽回したい。
土屋圭市エグゼクティブアドバイザーのコメント
「前回の優勝でハンディウェイトが増えたことと、BOPでブースト圧を下げられた事で上位に食い込めなかったね。言い訳になってしまうけど、ドライバーもチームも車も非常に良い状態に仕上がってきているので、悔しいね」
一瀬俊浩エンジニアのコメント
「決勝は雨になる可能性もあったので、雨にも対応出来るドライセットで走りました。結果的には雨が降った時にはそこそこバランスが良かったのですが、ドライになってしまうとちょっとバランスが崩れてしまいペースを上げにくかったところがありました。全体的にほぼドライコンディションだったので、セッティングを失敗してしまった感じはあります。前回の富士では競争力があったのに、今回はアベレージで2秒ほどペースがトップから遅かったので、原因を究明したいですね」
高木真一選手のコメント
「雨が降ればよかったとか、ドライは難しい、とか色々な事があった中で、自分達が持っているものを上手く引き出せるように準備しましたが、なかなか思い通りに行かず、今回だけは完敗でしたね。今回は良い勉強をさせてもらったので、次回はこれを生かしていきたいですね」
小林崇志選手のコメント
「鈴鹿のタイヤテストから色々と難しい部分が見えていたので、昨日の予選からそれが現実のものになってしまいました。雨が降れば速いといのはわかっていて、20分のウォームアップはウェットコンディションでトップタイムを出す事も出来たので、雨が降れば後方からトップまで行ける自信もありました。しかし、残念ながら希望通りにはいきませんでした。次のタイは良い走りが出来ると思うので、しっかりポイント獲って、ランキングトップに返って、最終戦でチャンピオンを決めたいと思っています」