鈴鹿サーキットで行なわれているスーパーGT第6戦の決勝。GT500クラスは中盤戦の波乱に乗じてトップとの差を縮めたau TOM'S RC FがアンダーカットでZENT CERUMO RC Fを逆転し、トップに浮上。同チームでの鈴鹿1000km3連覇が見えてきた。
序盤は各所でバトルが勃発するも、脱落するマシンがほとんどなかったが、中盤戦になってトラブルが続出。2回目のストップを終えた60周目にカルソニックIMPUL GT-Rはアウトラップで火災から右側のドアが外れ、コース脇をマシンを止めリタイアを余儀なくされた。
さらに2番手を走行していたS Road CRAFTSPORT GT-Rは黄旗区間で追い越しがあったとして10秒ストップペナルティ。これで5番手に後退してしまった。さらにポールポジションからスタートしたドラゴ モデューロNSX CONCEPT-GTも80周を終えて緊急ピットイン。マシンをガレージに戻してしまった。
そんな中、トップはZENT CERUMO RC Fは順調にトップをキープ。2番手にau TOM'S RC F、3番手にWAKO'S 4CR RC Fが続き、レクサス勢が表彰台圏内を独占。この勢いでレースの折り返しを迎えた89周目にシンティアム・アップル・ロータスの高橋一穂が2コーナー出口でクラッシュ。リヤセクションに大きなダメージを負った。ドライバーは無事だったが、マシン回収のためセーフティカーが導入。序盤から順調に築いてきたZENT RC Fの10秒以上のリードはなくなったとともに全体の差が縮まり、93周目にレースが再開される。
レースが再開すると、GT500デビューレースとなるS Roadの高星明誠が大活躍。3番手のWAKO'S RC Fの大嶋和也の背後につき、隙をついて並びかけていく。大嶋のブロックに何度か屈していたが、99周目の130Rでアウト側からオーバーテイクし、3番手を取り戻した。
一方、トップ争いはZENT RC Fの石浦宏明が再び1分52秒台のペースで後続を引き離しにかかるが、au TOM'S RC Fの伊藤大輔も好ペースで猛追。一時は0.9秒差まで詰め寄るも、トップの石浦もしっかり踏ん張り、翌周には2秒差に戻すなど、一進一退の攻防戦が続いている。その間に、3番手に浮上した高星が1分52秒後半から53秒前半のペースで2台を猛追。当初は10秒前後あった差が、7秒差に接近。112周を終えてピットインし、本山が再び乗り込んでいる。
そしてトップ争いは4回目のピットストップで大きな動きをみせる。115周を終えてau RC Fがアンダーカットを狙ったか、先にピットイン。これに合わせてZENT RC Fも116周終わりにピット作業を行うが、au RC FのピットがZENT RC Fより約2秒速く、ニック・キャシディもアウトラップで素晴らしい走りをみせて、ZENT RC Fがピットアウトしたところで逆転を果たした。しかし、石浦に替わってマシンに乗り込んだ立川祐路もしっかり食らいついている。
レースは残り3分の1。au RC FとZENT RC Fの一騎打ちとなっていきそうだ。