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「退職金123億円」の試算も 米ヤフーの美人CEOメリッサ・マイヤー、経営再建失敗でも大儲け?

2016年08月28日 15:40  キャリコネニュース

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Googleの美人エンジニアから、2012年に米ヤフーCEOに就任したマリッサ・メイヤー。在任中に2度も出産し、従業員の在宅勤務禁止を宣言するなど話題を呼んだ彼女ですが、期待された経営再建には失敗し、ネット事業を米ベライゾン・コミュニケーションズ社に売却することになりました。

これにより株主から退任を求められているメイヤー氏ですが、職を退くにあたって多額の報酬を受け取ることになると米国で話題になっています。事業売却の記者会見の翌日、米フォーチュン誌は「マリッサ・メイヤーの報酬は、あなたが思うより常軌を逸している」という記事を掲げ、その詳細を明かしています。(文:夢野響子)

事業売却で株価が上がり「目標」を見事達成

米国のCEOへの巨額報酬はかねてから知られているところですが、米国メディアは当初メイヤー氏の退職報酬は約5500万ドル(約55億円)ほどだろうと予想していました。ところが蓋を開けてみると、どうやらそれをはるかに上回る1億2257万8795ドル(約122億8121万円)がメイヤー氏に支払われることになりそうだというのです。

予測との誤差がこれほど大きくなった理由には、ストックオプションの変動や報酬設定条件の複雑さ、同社がCEOへの報酬条件をはっきり述べていなかったことなどがあります。

メイヤー氏が受け取るとされる125億円のうち、約3分の1に当たる約4200万ドル(約42億円)をストックオプションが占めていますが、これには今回の売却合意でヤフーの株価が上がった恩恵も含まれています。

その他にも、事業目標を達成した際に支払われる報酬があり、会社自体は経営不振でも、設定目標を達成すると多くの報酬が得られるようになっていました。今回の売却で当初の目標に達したため、要するにメリッサは経営再建には失敗はしたものの、「事業売却」→「株価上昇」→「目標達成」という流れで巨額の報酬を手にしたのです。

これらに加えメイヤー氏には辞職後の2年間、ヤフーから基本報酬(2015年時点で約1億円)が支払われるほか、次の職が見つかるまでに必要だと思われるオフィススペースの賃貸料月額1万5千ドル(約150万円)も2年間支払われ、当面の健康保険料も支給されると言われています。

在任中の株価の上昇も「彼女の功績」とは言えない疑い

これらは企業売却の際に、何よりも株主の権利を優先させる米国式のやり方から見ても、「大株主よりもCEOの方がヤフーではうまくやった」と言われて当然の数字と言えます。確かに彼女の在職中にヤフーの株が151%上がったことを挙げて、これらの数字を正当化しようとする意見もないわけではありません。

しかしこの株価の上昇は、実はヤフーが所有する中国のアリババの15%の株が2倍になったことと、35.5%のヤフージャパンの株が72%上がったことに起因しているのです。この2社を外すと、ヤフーのビジネスは事実上彼女の在職中に2.4億ドル(約240億円)落ち込んだことになってしまいます。

ヤフーは当初コメントを避けていましたが、のちに、メイヤー氏の退職と総報酬は、将来の株価や会社の業績など多くの要因に依存して決められることで、予想を実数として報道しないでほしいというコメントを出しています。それでもこれだけ破格の報酬では、やはり経営のどこかに歪みがあるという印象をぬぐいきることは、到底できそうにありません。

(参照)Marissa Mayer's Payday Is Even More Insane Than You Think (Fortune)

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