2016年のスーパーGT第6戦インターナショナル鈴鹿1000km。スタートからレクサスRC F勢が速さをみせ、レース3分の1を経過して8番手からスタートしたZENT CERUMO RC Fがトップを快走している。
朝は一時土砂降りとなるほどの雨が降っていたが、スタート進行の時刻を迎えると雨が止み、今回は20分間設けられた直前のウォームアップでは路面も乾き始め、スタートでは全車がスリックタイヤを選択。約6時間、173周に及ぶ決勝レースが幕を開けた。
スタート直後からからドラゴ モデューロNSX CONCEPT-GTの武藤英紀とS Road CRAFTSPORTS GT-Rと本山哲が集団から抜け出てトップ争いを展開。最初の2周は本山の方に勢いがあるように見えたが、武藤も隙を与えず逃げていく。
7周を過ぎるとGT300との混走が始まり、トップ2台にカルソニックIMPUL GT-Rのジョアオ・パオロ・デ・オリベイラとZENT RC Fの立川祐路も加わり4台によるトップ争いが勃発。その中でも立川のペースがずば抜けて速く、GT300マシンをかきわけながらオリベイラに接近し、12周目にオーバーテイク。そのままS Road GT-Rの本山の背後に迫り、シケインからのサイドバイサイドの攻防で16周目の1コーナーでアウトからオーバーテイクしていった。抜かれたS Road GT-Rの本山はそのままペースダウンしてしまい、16周を終えたところで早めのピットストップを敢行。高星明誠にドライバー交替をし第2スティントに突入した。
この間にトップの武藤は4秒のリードを築いていたが、立川があっという間に追いつき19周目には背後につく。そして22周目のシケインでインを突きトップに浮上した。ドラゴ NSX CONCEPT-GTの武藤は25周を終えてピットイン。オリバー・ターベイに交替する。
これを皮切りに、各チームが続々と最初のピットインを行うが、逆転してトップに立ったのがS Road GT-Rの高星。そのまま逃げていきたいところだったが、ZENT RC Fの石浦宏明がすぐにトップを取り返し、カルソニックGT-Rの安田もタイヤが温まったところでペースを上げ2番手に浮上した。
一方、第2スティントに入ってからホンダ勢のペースが伸び悩み始める。序盤トップを快走していたドラゴNSX CONCEPT-GT(ターベイ)は6番手まで後退。第1スティントでは7番手まで浮上してきていたRAYBRIG NSX CONCEPT-GT(伊沢拓也)もペースを上げられずに10番手までポジションを落としてしまっている。
トップの石浦は順調なペースで後続を引き離し、4秒前後の差をキープしていたが、2回目のピットストップを直前に突然雨が降り出し一時はペースダウンを余儀なくされたが、コースオフすることなく走りきり58周を終えて2回目のピットイン。立川が再びマシンに乗り込んだ。
全車が2回目のピットストップを終えた60周目にアクシデントが発生。3番手につけていたカルソニックGT-Rが2回目のピットインを済ませたアウトラップで右フロントタイヤ後方で出火があり、右ドアが外れかかる。S字を過ぎてオリベイラはすぐにマシンを降り無事だったが、2番手を走行していたカルソニックGT-Rはレースからの脱落を余儀なくされた。
これにより、トップはZENT RC F、2番手にS Road GT-Rが17秒差で追いかけており、3番手にau TOM'S RC Fが18秒差で続いている。