2016年F1第13戦ベルギーGP予選、トップ10に入ったドライバーたちが土曜日を振り返った。
■メルセデスAMG・ペトロナス・フォーミュラワン・チーム
ニコ・ロズベルグ 予選=1位
予選までは苦労していた。特に今朝は僕らにはペースが足りないと考えていた。だから今日ポールを取れたことをとても喜んでいる。
金曜のロングランではレッドブル勢が最速だった。だから彼らに勝つために全力を尽くしていく必要がある。
今週末はとても気温が高いので、タイヤの扱いがかなり難しい。デグラデーションがすごく高いんだ。
決勝はグリップが低めのハード側のタイヤ(ソフト)でスタートする。スタートにおいてはそれは不利になる。(2番グリッドの)マックス(・フェルスタッペン)はスーパーソフトを最初に履くから、スタート時は彼の方が速いはずだ。あと、セーフティカーが出動するなど、何かラッキーなことがあれば、ルイス(・ハミルトン)があっという間に上位に浮上してくるかもしれない。だから彼もライバルとして考えておく必要がある。
いずれにしても自分の予選には満足しているし、明日が楽しみだ。エキサイティングで緊張感のあるレースになるだろう。
(トップ3記者会見で語り)FP3の時点では1周のペースが全然よくなかった。そのため予選までの道のりは楽ではなかったけれど、最終的にはいい仕事ができた。予選前にマシンにかなりの変更を施し、それが効果をもたらした。すべてがうまくまとまり、感触もよかった。
(予選まで)僕らには単純に速さがなかった。極端な暑さと、ピレリの(定めた)内圧がものすごく高いことが原因だ。何もかも(予想とは)状況が異なり、あらゆる変更をして適応しなければならなかった。でも予選前にいい状態に持ってくることができたのでよかった。FP3の時点ではかなり遅かったからね。
■レッドブル・レーシング
マックス・フェルスタッペン 予選=2位
最高の気分だ。Q3の自己ベストのラップでラインを越えた瞬間に、ファンが大興奮しているのが見えた。それで、いいラップだったんだと分かったよ。
今週末は最初からとにかく最高で、大勢のファンが来てくれて、熱心に応援してくれているのを感じる。だから僕も心から楽しめているし、その上、2番グリッドを確保できたなんてすごくうれしい。ポールポジションを取るのはかなり難しかったと思うしね。すぐ近くまで迫っていればチャンスはあるものだし、僕らはセクター2ではかなり強かった。でもトップスピードが足りなかったね。
明日は面白いレースになりそうだ。僕ら、メルセデス、フェラーリのなかで戦略が分かれているからね。いい戦いになるはずだよ。僕はスーパーソフトでスタートする。最初の数ラップは僕の方がグリップがよくて有利になるといいね。その後、僕のタイヤはだめになってしまうだろうけど、それが僕の戦略上の選択だ。
僕の方が(ソフト勢より)速くピットに入らなければならないだろう。でもレースの展開がどうなるか、見ていくよ。
(FP3でギヤボックストラブルに見舞われたが)こんなに早く立て直してくれて、予選で走れる状態にしてくれたチームに心から感謝している。
(ダニエル・リカルドを含め、他の上位勢とは異なりスーパーソフトで決勝をスタートすることについて)スーパーソフトで走り始めて、数周でどこまでやれるかを見てみる。いくつか戦略はあったけれど、チームと相談して、(Q2では)スーパーソフトでタイムを出すことを決めた。僕らはそれが戦略としてベストだと思っている。いい結果が出るかどうかは明日分かるよ。
(ポールのニコ・ロズベルグとは0.149差だったことについて)いつだってもっといい仕事ができた可能性はあるものだけど、ニコだってそれは同じで、彼にもその可能性はあったと思う。長いストレートがあるこのコースでメルセデスに近づけたことには喜ぶべきだね。
僕は大勢のファンの前で2位になれたことがただただうれしい。彼らの姿が見えると、モチベーションがすごく高まるんだ。
■スクーデリア・フェラーリ
キミ・ライコネン 予選=3位
今のところまずまずの週末だ。今日はマシンの動きもよかったし、速さもあった。
Q3の最初のランはすごくうまくいっていたが、スライドしてコースオフしてしまった。2回目のアタックはもっとよかったけれど、最終シケインで少しアンダーステアが出て、Q2でのセクタータイムよりコンマ2、3秒遅くなった。
今日はポールポジションを取るチャンスがあると思っていた。だからがっかりしている。トップに立てるだけのラップタイムを記録できなかった。
ポジティブな要素は、ここ数戦よりはトップに近づいていること。決勝はソフトタイヤでスタートする。うまくこのタイヤを機能させることができれば、かなり有利になるはずだ。レースがどういう展開になるのか見ていく必要があるが、いいプランが用意できていると思う。
気温が高いことがタイヤに大きく影響するだろうけど、誰もが同じ条件だ。ベストを尽くしていく。明日もトップを狙って戦えるといいね。
■スクーデリア・フェラーリ
セバスチャン・ベッテル 予選=4位
昨日から比べると一歩前進したと思うよ! マシン同士のタイム差はすごく小さくて、接戦になっている。明日はいいレースになるはずだ。
いつだって人はもっと上をと望むもので、今日の僕は、特に最終コーナー出口があまりよくなかったと思う。だからそこに不満を持っている。そのラップの他の部分はまずまずだった。金曜よりバランスはかなりよくなったからね。でもトップに立つには、3つのセクターすべてを速く走ることが重要だ。
決勝をソフトタイヤでスタートすることに決めた。それが戦略としてベストだと信じているんだ。どうなるか、明日見てみよう。何が起こるか分からないよ。スパだから雨が降る可能性だってある。
(Q3直後に無線で、最終コーナーがうまくいかなかったと強く不満を訴えていたことについて、Formula1.comに対して説明し)長いラップを走って、最終コーナーに来て失敗するというのは理想的とは言えない。週末を通してあのコーナーで格闘してきた。そして重要な時(Q3)にグリップが全然得られなくてすごくがっかりしたんだ。
■レッドブル・レーシング
ダニエル・リカルド 予選=5位
Q3でもっとタイムを引き出せればよかったけれど、明日のレースのことを考えれば、それほどがっかりはしていない。Q2をソフトタイヤで通過できたことに満足している。それが僕らの目標だった。この戦略がうまくいくかどうかは、明日にならないと分からない。でも僕はこうしたかった。
サーキットによっては予選5位にがっかりするかもしれないけれど、ここではそうは思わない。その理由はふたつある。ここではオーバーテイクが可能だ。そしてここに持ち込まれたタイヤだとレースのなかでいろいろな戦い方ができる。人より速いマシンを手にしていたり、人より賢い判断ができれば、いい結果をつかめる可能性がある。
ソフトタイヤでスタートするという目標を持ってQ2に臨んだ。ひやひやする時間帯もあったけれど、うまくやれた。満足だよ。トップに近い位置だし、ソフトタイヤでスタートできる。もちろん上位勢には何台かソフトスタートのマシンは他にもあるけれど、それでもいいレースになるだろう。僕は2年前、ここで5番グリッドから優勝しているしね!
マックス(・フェルスタッペン)はフロントロウを確保するなんて、すごくいい仕事をしたね。でも明日、僕らは別々の戦略でた走る。予選前に話し合った時、彼はスーパーソフトでレースをスタートしたいと言い、僕はソフトを望んだ。明日どうなるだろうね。
スーパーソフトの方が不確実な部分が大きい。ブリスターができたり、何かトラブルがあってうまく機能しなければ、タイムを大量に失うことになるんだ。
僕としては、ソフトの方が比較的安全な選択肢だと思っている。スーパーソフトだと走れる周回数がとても少なくなるだろう。
■サハラ・フォース・インディアF1チーム
セルジオ・ペレス 予選=6位
レースに向けてとてもいい位置に付けられたと思うので、明日をとても楽しみにしている。
予選では最大の力を引き出すことができた。ラップの終盤に小さなミスをしたから、それがなければあとコンマ1秒ほど速いタイムを出すことも可能だったけれど、失ったのはそれだけだ。
僕の前にいる何台かのマシンはソフトタイヤでスタートすることになっていて、彼らにとって、それは大きなアドバンテージだ。それでも僕らは良い結果を期待できるくらい好調だと思う。
様々な戦略を用意しているので、ポジションを上げていけることを願っている。バトルを楽しみ、ポイントを持ち帰りたいね。
気温の高さに誰もが苦労している。タイヤを長持ちさせることができないという段階まで達しているんだ。戦略と、正しいタイミングで正しい判断を下すことが、重要になるだろう。1ラップが長いから、間違ったタイヤでラップをスタートするとロスが大きいから、それは避けたい。
■サハラ・フォース・インディアF1チーム
ニコ・ヒュルケンベルグ 予選=7位
今日のパフォーマンスには、それなりに満足している。Q1とQ2は問題なく進んだけれど、Q3ではパワーユニットに問題が発生し、ストレートでタイムロスすることになった。これがかなり響いたと思う。
僕らはスーパーソフトタイヤでスタートしなければならないが、Q2でそれを使ったのは正しい決断だったと思う。ソフトタイヤでQ3進出を果たすのは難しかっただろうからね。
スパは涼しくてもタイヤに厳しいコースだから、これほどの暑さが続けば、間違いなく難しいレースになる。今夜は選択肢を考えて、明日、正しい判断ができるよう備えるよ。
■ウイリアムズ・マルティーニ・レーシング
バルテリ・ボッタス 予選=8位
問題に見舞われながらの予選になってしまった。ソフトウエアのトラブルが起きたんだ。それを考えれば、やれるだけのことをやったと思う。
トラブルのせいでトップ6の位置を逃すことになり、残念だ。
でも結局のところ肝心なのは明日のレースだ。今日、マシンの感触はよくなっていたから、すでに進歩しているということだ。プラクティスで走ったロングランから見て、レースペースはよさそうだから、今日は完璧な結果を出せなかったけれど、明日はいいレースができると思う。
予選で最適なモードで走れなかったため、0.3秒ぐらいロスしたと思う。(本来ならフォース・インディアに)勝つことができた。
■マクラーレン・ホンダ・フォーミュラ1チーム
ジェンソン・バトン 予選=9位
9位という結果にはとても満足している。スパは僕らのクルマにとってはきついサーキットなので、こんな結果を出せるとは予想していなかった。自分がいい仕事をしたときにはそれが分かるものだが、まさに今日、僕はそう感じた。
決勝で上位には近づけないだろうけど、僕らはレースペースの方が予選ペースより優れているはずなので、周囲のグリッドからスタートするクルマと戦っていく。
今週末、チームは素晴らしい仕事をしてくれている。ホンダは新しいパワーユニットを持ち込んできた。確かな改善が成し遂げられている状況にある。ここでの予選でここまで上位に来ることができるなんて思っていなかった。チーム全員に敬意を示したい。素晴らしい進歩だ。
僕らにとって今シーズンここまででベストの予選だと思う。
今日はマシンの力を100パーセント引き出した。こんな結果を出すことができて、すっかり有頂天になっている。
ホンダの新しいパワーユニットには間違いなく改善を感じる。素晴らしい進歩だよ。
自分のラップにも大満足だ。2012年にここでポールポジションを取った時みたいだ。実際、それよりいい走りをしたと思うぐらいだよ。
ロングランペースはまずまずなので、ウイリアムズと戦えるはずだ。フェラーリの一台ともポジションを争えるかもしれない。
■ウイリアムズ・マルティーニ・レーシング
フェリペ・マッサ 予選=10位
Q1でソフトウエアのトラブルが発生し、それによってミスファイアが起きた。そのために1周をうまくまとめることができなかった。このことが予選に大きく影響した。Q3ではスーパーソフトが1セットしかなく、最後のラップにすべてをかけたのだが、ターン1への進入でフロントをロックしてしまい、大量にロスした。がっかりだ。
Q3でタイヤが2セットあったら、かなり助かっただろうけど、タイヤがなかったために、いくつかポジションを失うことになった。
でも明日何ができるかを見ていくよ。マシンにも、バランスにも、予選のラップタイムにも満足しているんだ。