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動画アプリ『SNOW』で話題 whiteeeenは10代のリスナーにどうアプローチした?

2016年08月28日 14:01  リアルサウンド

リアルサウンド

whiteeeen

 whiteeeenは、2015年3月にデビューを果たした4人組ガールズユニット。ほとんどの楽曲をGReeeeNがプロデュースし、2015年に公開した映画『ストロボエッジ』、『シンドバッド 空とぶ姫と秘密の島』と2016年公開の 『シンドバッド 魔法のランプと動く島』『青空エール』の主題歌タイアップで、ユニット結成から約1年にも関わらず一躍注目を集めている。“GReeeeNの妹分”として登場したwhiteeeenであるが、彼女たち特有のリスナーへのアプローチが功を奏し、ファンが着実に増えているのだ。


(参考:映画『青空エール』で「キセキ」歌うwhiteeeen、なぜ“歌声”だけで10代リスナーの心を掴んだか?


 たとえば、whiteeeenが8月17日にリリースした、映画『青空エール』の主題歌「キセキ ~未来へ~」を使用した動画が、TwitterやInstagram、中高生に人気の動画共有コミュニティMixChannel上に多数投稿されるといった現象が起きている。“双子ダンス”で話題のまこみなが、同曲にオリジナルの振り付けを考えてコラボした映像を公開した直後、瞬く間にその振り付けを真似して投稿するユーザーが現れたのだ。


 また、動画アプリ『SNOW』で初のアーティストとのコラボとして、whiteeeenオリジナル動画スタンプが8月25日にリリースされた。同アプリ内で、アパレルショップ『SPINNS』デザインによるスタンプを選ぶと、「キセキ ~未来へ~」をBGMにして動画を撮影することができる。リリース直後には、モデルの紗蘭(SARA)、前田希美がTwitterに投稿、タレントの木下優樹菜がInstagramに投稿した動画は66万回、GENKINGも同様に投稿した動画は18万回再生、そしてスタンプの使用回数は現在では152万回を超え、急速に拡散されている。


 whiteeeenは、あらゆるサービスを利用して、ファンとのコミュニケーションを欠かさない。以前、whiteeeenはTwitter上で1stミニアルバム『声』に収録する楽曲の募集を行う企画を実施したことがある。同企画では、GReeeeNの楽曲の中から次にカバーする曲を投票を募り、「君想い」が選ばれると、実際にMVの制作も実現。また、公式アプリでは、メンバー本人とファンがチャットでメッセージを交わし、ファン同士も楽曲について意見交換をする場が存在する。


 さらに、MVにもティーンを惹きつける仕掛けが含まれている。「ハンブンコ」「恋のテンキヨホウ」のMVは、メンバー本人が直筆で書いた歌詞やイラストで構成されている。それは、MixChannel内で定番となっている写真や文字を音楽の歌詞に合わせて編集し、投稿されている動画と同じ形式だ。そして「卒業ソング」 のリリックビデオの制作では、卒業にまつわる写真、動画を募集し、参加者にとって思い出に残るMVが完成した。


 whiteeeenはリスナーに対して、曲を聴いて楽しむだけではなく、歌ったり、動画を作ったり、踊ったり……といった楽曲の様々な楽しみ方を提案している。どの楽曲も、それを歌う4人だけのものではなく、1つの楽曲を様々な形でたくさんの人と共有していきたいという想いが根本にあるのだろう。GReeeeNと同様に姿を出さずに活動しているwhiteeeenは、ライブ会場などで直接ファンと顔を合わせることできない分、様々なツールを使ってファンとの交流を図り、結果多くの人を巻き込んでいる。今後もより斬新な方法で、whiteeeenとその楽曲たちが、たくさんの人々の間で繋がっていくに違いない。(文=大和田茉椰)