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パンチパーマの太賀、個性派キャラで人気急上昇! “生活感が感じられる”役作りのすごさ

2016年08月28日 13:41  リアルサウンド

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リアルサウンド映画部

 現在放送中のドラマ『仰げば尊し』(TBS系)のマスコット的存在である高杢金也役を演じる太賀。印象的なパンチパーマとヒゲ、顔芸とすら思える表情の豊かさで、不良なのにどこか可愛らしく憎めない。所属している吹奏楽部ではパーカッションを担当しており、主にティンパニを演奏している。太賀が高杢金也という人物を演じることにより、物語の世界観を壊さずにちょうどいいアクセントと笑いを我々視聴者に提供してくれるのだ。


参考:真面目な健太郎とユーモラスな矢本悠馬 『仰げば尊し』で存在感示す、若手俳優2人の「個性」


 10月8日に公開される映画『淵に立つ』では山上孝司役、今年公開された映画『走れ、絶望に追いつかれない速さで』では漣役として主演を務めるなど、近年活躍が目立つ若手俳優のひとりだ。太賀は2006年、13歳の時に芸能界入りし、 テレビドラマ『新宿の母物語』で俳優デビューを果たす。そのため、現在23歳にして芸歴10年であり、俳優・中野英雄の息子でもある。


 今年放送されたドラマ『ゆとりですがなにか』(日テレ系)では、岡田将生演じる主人公・坂間正和の後輩にして“ゆとりモンスター”山岸ひろむ役を演じ、その“掴めない”キャラクターで視聴者を驚かせたことが記憶に新しい。世の中を舐めた態度や表情に、山岸ひろむは“現実には存在しない人物”とわかっているにも関わらず、「は?」という言葉とともに、思わずイラッとした視聴者は少なくないはずだ。私自身もそのひとりであり、同ドラマの山岸ひろむに対し「こんな奴が身近にいたらゾッとするな…」と恐怖すら覚えた。視聴者にこれほど強い感情を与えるということは、それだけ存在感が際立っており、役が生きているということだろう。まるで、山岸ひろむを実際に目の当たりにしているような錯覚に陥るほど、心を刺激される。


 先述した『仰げば尊し』で太賀演じる高杢金也は、村上虹郎ら演じる不良グループ5人組のうちの1人で、ムードメーカー的な存在である。和柄の派手なファッションと長ラン、語尾に「~じゃねぇしっ!」「~だしっ!」をつける特徴的な話し方をするなど、個性が爆発したキャラクターだ。そんなお調子者でよく笑う高杢金也を観ていると、思わずクスッと笑顔になってしまう。SNSでも話題になっており、「キャラ最高すぎ!」「めっちゃ可愛い! 癒される」といった声が目立つ。普段はおちゃらけたキャラクターだが、楽器の演奏中は真面目で真剣な表情をしており、そのギャップもまた魅力的なのだ。


 本ドラマのインタビューで太賀は「風貌からキャラクターを想像しやすい役だからこそ、僕が演じる意味というか、高杢らしさを出していきたいですね」(引用:俳優業10年目の太賀、しんどかった時期を振り返り「ここからスタート」と決意新た)とコメントしている。そのため、高杢金也のセリフがないシーンや、画面から見切れている場面でも、太賀は役を怠らず表情や仕草などで細かく表現しているのだ。


 また、太賀は2010年に放送された終戦特集ドラマ『15歳の志願兵』(NHK)で、笠井光男役を演じた際に「光男は僕であって、全くの別人という意識がないから。“俺は光男だし、光男は俺だし”みたいな感覚なんです。そこで切り離してしまったら、芝居がちょっと変わってくると思います」(引用:太賀|INTERVIEW|プラス アクト)とも語っている。だからこそ、太賀が演じるキャラクターは、リアルな人物像となり、その背景に生活感さえも感じさせるのかもしれない。


 今夜放送される『仰げば尊し』第6話では、真剣佑演じる木藤良蓮が留学について悩み、また、寺尾聰演じる吹奏楽部指導者の樋熊迎一がすい臓がんと診断され、手術をしない治療法を選択する。今後、樋熊迎一の病気が吹奏楽部にどのような影響をもたらしていくのだろうか。そして、太賀演じる高杢金也はそこにどんな色を添えるのか。(戸塚安友奈)