スーパーGT第6戦鈴鹿1000kmレース公式予選
2016年8月27日鈴鹿サーキット
Q1:1位通過 Q2:3位
8月27日(土)、今年で45回目を迎えるINTERNATIONAL SUZUKA 1000KMの予選が開
催されました。
Cars Tokai Dream28はこのスーパーGTで最も長いレースとなる鈴鹿1000kmに、加藤寛規選手、高橋一穂選手、そして期待の若手である牧野任祐選手を起用。鈴鹿を得意中の得意とするNo.2 シンティアム・アップル・ロータス(SGT LOTUS EVORA)で、予選を闘いました。
■公式練習走行
台風10号が本州にゆっくりと近づく状況のなか、朝方に雨がぱらつきながらもコース状況は完全なドライコンディション。9:20から開始された公式練習走行では、加藤寛規選手が、まず最初にそのステアリングを握りました。
ここで加藤選手は、3周目という早い段階で1分58秒870のタイム刻み、EVORAは素晴らしい走り出しを見せました。その後一台のGT300マシンがコース上で止まり、走行は赤旗中断となりましたが、走行再開後もEVORAは順調に周回。そして6周目には1分58秒712、7周目には1分58秒603と、好タイムを連発しました。そして結局この7周目のタイムが、GT300クラスのトップタイムとなりました。
二番手は予選Q1を担当することとなった牧野選手がコースイン。しかしここで、EVORAから突如白煙が上がり、牧野選手は3周を走ったところでピットイン。原因はトランスミッションのブローバイーホース不良で、幸いにもマシンに異常は見られませんでした。
ここでチームは決勝用メニューを確認するべくEVORAにガソリンを補給。再び牧野選手がコースへと戻りましたが、今度はS字手前でGT500マシンがクラッシュ。刻々と減って行く走行時間を考慮し、高橋選手にドライバー交代を行いました。
その後、高橋選手は決勝用のガソリン量を搭載したEVORAで6周を無事走行。残り10分間のGT300クラス占有走行で、牧野選手に予選の最終確認を託しました。
これを受けた牧野選手は、計測2周目で1分58秒844という見事なタイムを記録。午後からの予選に大きく弾みをつけました。
■公式予選1回目(Q1)
14:30分から、15分間の公式予選が定刻通りにスタート。Q1は公式練習でも抜群の走りを見せた牧野選手がSGT LOTUS EVORAに乗り込みました。
朝の空模様が嘘のような、完全なドライコンディションでQ1がスタート。しかしライバルたちが続々とコースインをする中、No.2シンティアム・アップル・ロータス(SGT LOTUS EVORA)は、ピットを出ませんでした。まさに牧野選手が現在闘う、フォーミュラレースさながらの予選アタックです。
残り時間が11分を切ったところで、とうとう牧野選手がコースイン! 本格的なアタックラップに突入したのは計測2周目から。ここでEVORAセクター2で早くも全体ベストを刻み、まだ暖まりきらないマシンをふらつかせながら130Rに突入。シケインをクリアして、コントロールラインを通過したそのタイムは…1分58秒484! EVORAはいきなりトップに躍り出ました。
さらに完全にタイヤを暖めた牧野選手は、連続アタックでセクターごとにタイムを塗り替えて行きます。まさに路面に張り付くような、安定した姿勢でコーナーをクリアするEVORA。最終コーナーを最短距離で駆け抜けたそのタイムは……1分57秒811!!!
全29台のなかで唯一の57秒台を刻み、2番手に1秒以上の差を付けて、Q1をトップ通過。強烈なスーパーGTデビューを果たしたのでした。
■予選第2回目(Q2)
上位14台が進出を果たした予選第2回目(Q2)は、15:15から12分間のスパンで定刻通りにスタート。Q1と同じくギリギリの燃料を搭載したEVORAは、残り時間が10分を切ったところでコースインしました。
加藤選手がタイヤを暖める間にトップに立ったのは、ライバルであるマザーシャシーのTOYOTA86。タイムはQ1の牧野選手に匹敵する、1分57秒876というタイムでした。
そして加藤選手がアタックラップで刻んだタイムは……1分58秒826! 加藤選手はさらに連続アタックをかけますが、これを上回ることはできず、さらにJAF-GTマシンであるTOYOTA PRIUS GTが2番手に食い込みました。
それでも加藤選手は最後まで諦めず、残り時間30秒を切った時点でラストアタックに臨みます。セクター2ではベストを刻み、2年連続のポールポジションを目指すEVORA。
しかしタイムは1分58秒127と、僅差で及ばず3番手に! トップとの差はじつに0.251秒、3台のJAF-GTマシンが0.3秒以内にいるという激しい予選となりました。
それでもSGT LOTUS EVORAは、セカンドロー・3番手という好位置を獲得。非常に有利なポジションから、明日の決勝レースを戦います。
Cars Tokai Dream28 シンティアム・アップル・ロータス
ドライバー:牧野任祐選手
「スーパーGTには、今までのレースとは違う雰囲気があり、久々に緊張しました。 Q1/Q2という、次につながないといけないシステムも独特で、良い経験になりました。自分にもまだミスがあったので、これ
をまとめられたらな…とは思いますが、結果は良かったので満足しています。 決勝は自分たちができることを、精一杯やって行けばよいと思います。」
ドライバー:加藤寛規選手
「Q1のコメントをもとにセッティングし直したのですが、…はずしましたね! こっちが考えるよりも早い段階でセクター1のベストが出てしまって。(タイヤがまだできあがってない状況でのアタックとなってしまったために)、その後はオーバーステアが激しくなってしまいました。……悔しい!(苦笑)でもそれくらいピンポイントを狙って勝負していますから。今回はちょっとやり過ぎてしまいましたけどね。
決勝は前が詰まるようなこともないと思いますし、淡々と闘うレースになるでしょう。長いレースになるのでセーフティカーなどの不確定要素もあると思いますが、レースに幅を持たせる作戦をチームと練っていますので、大丈夫だと思います!」
ドライバー:高橋一穂選手
「今日は自分は走つていないので、気持ちは楽でした(笑)。加藤選手は悔しかったでしょうが、ふたりともとても素晴らしい走りをしてくれたと思います。公式練習走行では、決勝に向けての課題も見つけられましたし、伸びしろがある部分はポジティブです。決勝は天候も危ういようですが、ふたりがいるから大丈夫!(笑)。自分もそのアドバンテージを減らさないように頑張りますよ。」
渡邊信太郎 チーフエンジニア
「牧野選手に関しては、これまでのデータから57秒台に入る可能性はあったのですが、今回のタイムは我々の予想を上回りましたね。とても素晴らしい仕事をしたと思います。加藤選手に関しては、Q2後のマシンアジャストが路面と少し合わなかったようです。走り出しからオーバーステアを訴えていたので、ちょっともったいないことをしました。それでもトップ集団は速さのポイントが同じJAF-GT勢ですし、セカンドローからレースをスタートできたのはよかったです。一番気になっているのは、天気ですね。明日は距離が長いですから、タイヤの選択も含めて難しい。よい結果を出せるように綿密なプランを立てて頑張ります!」