スーパーフォーミュラ第4戦もてぎ 関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL) 関口雄飛プレスリリース
2016年8月24日
デビュー4戦目で掴んだ栄光の勝利。魅せた圧倒的な速さと強さ。
関口雄飛、ポール・トゥ・ウィンでスーパーフォーミュラ初優勝!
今年、念願の国内最高峰レース、スーパーフォーミュラに参戦が決定した関口雄飛は、今シーズンから伊藤忠エネクス株式会社様からメインスポンサードを受ける名門、「ITOCHU ENEX TEAM IMPUL」より、ゼッケン20番をまとってチャレンジしております。
デビュー戦からファステストラップを獲得して速さをアピールし、第3戦ではF1ドライバーを豪快に抜き去り3位表彰台を獲得するなど、ルーキーらしからぬ活躍を見せて注目を集めてきた関口雄飛が、ついにスーパーフォーミュラ第4戦で初優勝を飾りました。
金曜日にツインリンクもてぎ入りした関口雄飛は、メディアからの取材に対して「ここで何とかポールポジションを獲得して、勝ちたいです」と自身の気持ちを素直に語っていました。第3戦終了時点ではポイントランキングで10位でしたが、まだ僅差なので、この第4戦の結果次第ではポイントランキングで上位に浮上できる計算が心に浮かんでいたのです。
金曜日のフリー走行は雨。チームメイトのジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ選手がトップタイムでセッションを終え、関口雄飛は僅差の3番手です。マシンのバランスは問題なかったのですが、より速さを追求するために、多くの可能性をエンジニアと検討し、チェックしました。関口雄飛とエンジニアが納得する答えを出した頃には、他チームの姿はすでにサーキットから消えていました。
そして迎えた土曜日朝のフリー走行。セッションはまたしても雨となり、関口雄飛は19番手タイムに沈みます。自身のレースキャリアを通じてもセッション最下位の経験はなく、落ち込んでいるかと思いきや予想外の笑顔で戻ってきました。
「問題が解決されていて、すっきりしました。タイムが出なかったのは硬いタイヤとセットアップの問題ですから、どうにでもなります」と予選に自信をのぞかせました。今回のレースに関しては、2セットのソフトタイヤが供給されており、予選、決勝でミディアムタイヤとソフトタイヤをどう使うかがチームの戦略にかかっています。
予選Q1が始まる頃には路面はすっかり乾き、気温29度、路面温度は33度となっていました。ITOCHU ENEX TEAM IMPULの2台はまずはミディアムタイヤを装着してアタックに出ます。関口雄飛がトップタイムをマークし、ピットに戻るとセッティングを調整。チームメイトともに最後のアタックを待ちます。
ここでチームから無線で「次のアタックもミディアムでいくぞ」と予想外の指示が飛びました。ソフトタイヤは富士のテストデータでは1周約1秒近く速いタイヤです。当然、ライバルたちは全員ここでソフトタイヤを投入してきます。Q2へ進出するには、上位14台に入らねばなりません。
一瞬、表情が曇った関口雄飛ですが、チームの戦略を理解すると、集中して残り5分でアタックに入りました。チームの作戦は、Q1をミディアムタイヤで乗り切り、予選Q3に新品のソフトタイヤを温存するという意味だったからです。
ミディアムタイヤでアタックした結果は1位オリベイラ選手(1分33秒440)、2位関口雄飛(1分33秒468)と、IMPUL勢がワン・ツーで通過。これにはライバルたちも驚きを隠せませんでした。
Q2は7分間、14台で争われます。ソフトタイヤが2セット残っている関口雄飛は当然ソフトタイヤを投入。あっさりと1分33秒214のトップタイムをマークし、予選Q3進出を決めました。チームメイトのオリベイラ選手は1分33秒692をマークするも10位に沈み、Q3進出はなりませんでした。
ポールポジションを決める予選Q3、すでに関口雄飛の心は落ち着いていました。開幕戦から第4戦まで、すべてのレースでQ3進出を果たしているのは関口雄飛、ただひとりです。ライバルは誰も新品のソフトタイヤを残していません。ラスト5分30秒でコースインすると、わずか1周のアタックで、1分33秒022をマークし、スーパーフォーミュラで初のポールポジションを獲得しました。
決勝レース当日は天気予報とは裏腹に、快晴。決勝スタート前には気温33度、路面温度44度と厳しい日差しが襲ってきます。ドライバーにとっては、体力的にも厳しいレースとなりそうでした。
レースは、まさにスタートした瞬間に決まりました。関口雄飛が完璧なスタートダッシュを見せ、第1コーナーをトップで通過すると、1周目に早くも2秒435もの差をつけて戻ってきたのです。
その後は韋駄天ぶりを発揮し、2位以下とのリードを次第に広げ、11周目には5秒以上の差となり、23周目には10秒以上のリードを奪いました。ソフトタイヤで34周目まで引っ張りピットイン。
タイムロスなくピット作業を終えると、5位でレースに復帰。全車がピット作業を終えるまでもなくトップに返り咲くと、そのまま52周を誰よりも速く駆け抜け、スーパーフォーミュラ、デビュー4戦目にして初優勝のチェッカーを受けました。
この結果、関口雄飛はシリーズポイントランキングでもトップに浮上。次戦岡山大会(2レース制))、堂々とリーダーズレッド(ランキングトップの車両はオーバーテイク・ボタン・ランプが赤色)を掲げて乗り込むこととなりました。
■関口雄飛のコメント
「勝てて本当に嬉しいです。第3戦が終わった段階ではポイント争いで10位でしたけど、混戦模様だったので、ここでいい成績を出せば必ずタイトル争いに残れると信じていたから、気持ちは死んでいなかったです。チームの戦略のおかげでポールポジションも獲得できたので、あとはスタートを決めれば絶対に勝てると」
「でも実はスタート苦手だったので、金曜日から他人よりたくさんスタート練習をしていました(笑)。それでも失敗するんじゃないかと考えもしましたが、今日、ここで勝てば自分のレース人生が変わる、勝って自分で人生の流れを変えよう、自分の力で変えなきゃダメだ。男を見せなきゃダメだ。そう自分に言い聞かせて、集中して挑みました」
「スタートだけいければ、勝てる。いいスタートでなくても、普通のスタートが切れれば勝てる(笑)と思って挑んだら、自分でもびっくりするくらい好スタートが切れて、あとはとてもイージーに勝てました。本当に速いマシンを作ってくれたチームに感謝しています。ヨコハマ・タイヤが開発したソフト・コンパウンドも思った以上にグリップして、かつタレなかったので性能的にも素晴らしかったです」
「今まで苦しい時代を過ごしてきて、そんな時にたくさんの方々に巡り合って、応援して頂いて、『結果で返してくれればいいから』と言われ続けて、やっとここまでこれました。出逢った方々のひとりでも、本当にひとりでも欠けていたら、今日、僕はこの場にいられなかったと思います。本当に皆さんに感謝しています。ありがとうございました」
「スーパーフォーミュラのルーキーとよく言われますが、僕は、ルーキーという気持ちでスーパーフォーミュラに挑んでいません。レースですから最初から勝つ気でここにいますし、気持ちは誰にも負けていません。まだ3大会あるのでチャンピオン争いのポイントは最後の最後まで考えず、思いっきり勝ちにいくだけです。それで負けたら「ルーキーですから」と言い訳に(笑)。でも本音を言うと、今日はひとつ勝ててホっとしてます(笑)。これからも頑張りますので、応援宜しくお願いします」
■レースのダイジェスト映像はJRPのホームページ、下記リンクにてご覧いただけます。
http://superformula.net/sf/enjoy/video.shtml