今週末のスパで、マノーからF1の実戦にデビューするエステバン・オコンは、自身のグランプリキャリアの評価の基準とするのは、かつてF3時代にライバルだったマックス・フェルスタッペンだと語った。
オコンは2014年のヨーロッパF3選手権チャンピオンを獲得している。この年の選手権には、カートから4輪レースにデビューしたばかりのフェルスタッペンも参戦しており、彼らはシーズン中に何度か激しいバトルを演じた。
その後、フェルスタッペンはすぐにF1に来てトロロッソに乗り、今年はシーズン途中でレッドブルに移籍した直後に、グランプリウィナーにもなった。いっぽう、オコンは2015年にはGP3のタイトルを獲得。今季はメルセデスのDTMとルノーF1のリザーブを兼務する形でスタートしたが、今週末からリオ・ハリアントの後任としてマノーのレースドライバーを務める。
F1ではフェルスタッペンを超えるべき基準と考えるのか、との問いに、オコンは「もちろんさ。F3でも彼と競り合っていたのだから」と答えた。
「最終的には僕がタイトルを獲ったけど、彼はものすごくタフな競争相手で、何度もすばらしい戦いができた。彼はそのままF1に来て、見事な活躍を見せている。だから、僕にとっては彼がひとつの基準であり、いずれは彼を上回りたいと思っているよ」
「将来的には、また彼と真っ向から勝負したい。僕はそのために頑張っているんだ」
とはいえ、オコンによれば、彼のこれまでのキャリアで出会ったなかで、フェルスタッペンは「一番手強いライバルではなかった」という。彼がその「栄誉」を授けているのは、2012年にフォーミュラ・ルノーでチームメイトになったダニール・クビアトだ。ただ、その年は自分が初めて4輪レースに挑戦したシーズンだったことも考慮する必要がある、とオコンは言う。
「クビアトは、僕が初めてシングルシーターに乗ったシーズンのチームメイトだった。だから、公平な比較にはならないとは思うけど、それでも彼は本当にスゴいと感じたよ」
そして、マノーに加わったオコンは、同じメルセデスのジュニアドライバー、パスカル・ウェーレインとコンビを組む。これはどちらがメルセデスのレギュラーに近づくかを決める直接対決になると思うかとの質問に、オコンはこう答えている。
「だからと言って、特別なプレッシャーを感じるということはないよ。僕はひとまずこのシートを得ただけでハッピーだし、自分にできる限りのことをやり切ろうと思っている。僕にとっては、パスカルも良い評価基準になるだろう。でも、互いに対抗意識を燃やすような感じになるとは思わない」
「彼はとても優れたドライバーで、クルマにも慣れているから、僕よりも速いかもしれない。だけど、僕がまずやるべきことは、これまでのカテゴリーでやってきたのと同じように、必要な段階を踏みながら自分のパフォーマンスを上げていくことだ」
「パスカルが何をしているかを見て、そこからできるだけ多くを学び取る必要がある。僕はこのクルマについて学ぶつもりで、ここ(マノー)に来た。それにはまず、自分のドライビングスタイルを彼のスタイルに合わせないといけないからね」