ベルギーGP金曜プラクティスに、ピレリが衝撃に対する耐性を向上させたプロトタイプタイヤを持ち込み、全チームがテストを行うことが分かった。
ピレリは、縁石からの衝撃に強い、新しいコンストラクションの開発を進めている。フェラーリのセバスチャン・ベッテルは、2015年のベルギーGPや今年のオーストリアGPでタイヤトラブルに見舞われている。強く縁石にヒットし、コース外を走ったことが原因のひとつと考えられている。
しかしベッテルのトラブルを受けて新コンストラクションの開発を始めたわけではなく、通常の開発プログラムの一環であると、ピレリのレーシングマネージャー、マリオ・イゾラが述べた。
「ベッテルのトラブルが原因ではない。我々は年間を通して開発を続けており、その一環である」
「来年はサイズが変わる。これは大きな変化だが、コンセプトが有効であれば、これを来年に引き継ぐことができる」
すでにインドアテストでは、新しいコンストラクションに衝撃に耐える高い能力があることが証明されたものの、実際にコース上で走らせてパフォーマンスに変化がないかどうかをチェックしたいとピレリは考えている。
「実際にコース上で走らせる前に、インドアテストで完全性の評価を行い、向上を確認している」とイゾラ。
「しかしまだコース上でその評価作業を実行していないので、チームとドライバーたちが何か違うものを感じ取るかどうかを確認したかった」
「今のものとの(パフォーマンスの)違いが感じられないようなコンストラクションを作ることを目標としている」
「異なるパフォーマンス、ドライバビリティあるいはハンドリングを備えたコンストラクションを導入するつもりはない。同じタイプでありつつ、衝撃への耐性を向上させたものにしたい」
ベルギーGP金曜に、各チームにプロトタイプのタイヤが4セット配られ、各ドライバーが2セットずつ使用する。このタイヤはFP1とFP2でしか使えず、土曜のFP3の前に返却しなければならない。
ピレリは、テストの結果が良好であれば、この新しいコンストラクションのタイヤを9月のマレーシアから導入したい考えだ。
「現段階では、こことモンツァでプロトタイプをテストする予定だ。異なるタイプのサーキットなのでいいチャンスになる。ドライバビリティが変わらないことを確認できたら、セパンから導入するよう要求したい」