8月26日、LEXUS GAZOO RacingとスーパーGTをプロモートするGTアソシエイションは、スーパーGT第6戦が開催される鈴鹿サーキットで、2017年から投入される新GT500車両『レクサスLC500』を公開した。
スーパーGT500クラスでは、2014年からDTMドイツツーリングカー選手権と車両規定を統一化。17年からは新たに、高まるコーナリング性能を抑制する方向でダウンフォース削減を盛り込んだ新規定を導入する。
そんな新規定導入に向けて、レクサスではベース車両を一新。2012年のデトロイトショーでコンセプトモデルが公開され、2017年春にデビューが予定されているレクサスLC500がベース車両となったのだ。
LC500は、「レクサスを新たな章に導くフラッグシップクーペとして誕生したモデルで、美しいデザインや『より鋭く、より優雅に』をキーワードに、すっきりとして奥深い走りの実現を目指した」モデルだ。
26日、鈴鹿サーキットで開催された記者発表会では、市販モデルのLC500とともに、ホワイトがベースのLEXUS GAZOO Racingのイメージカラーをまとって新規定車『レクサスLC500』が世界で初公開された。
レクサスLC500は、コンパクトなキャビンの印象もあってかこれまでGT500クラスで活躍してきたレクサスRC Fとくらべ非常にグラマラス。一方で、新規定に則った特徴も数多くみられる。目立つ点では、リヤウイングはこれまでのハイダウンフォース仕様車と異なり車幅いっぱいまで拡大されている。
LEXUS GAZOO Racingの高橋敬三主査は「レクサスの新しいフラッグシップクーペで参戦することで、レクサスの挑戦的なデザインや走行性の高さを知ってもらえたらと思っています」と語った。
「この新型車両は数日前に完成したばかりですが、テストを進め、来年にはその性能を発揮したいと思います」
また、GTアソシエイションの坂東正明代表は「17年規定の特徴は『安全性のさらなる向上に焦点をあてた技術規則です。現行のGT500クラスは年々そのスピードを増しており、世界最速のGTレースと称される興奮をお届けしていると自負していますが、一方で行きすぎたスピード競争が大きな事故に繋がるのではないかと懸念しています」と語った。
「マニュファクチャラーやタイヤメーカー、チームの技術進化に歯止めをかけるつもりはありませんが、異次元の領域に踏み込んでいるGT500のコーナリングスピードに対し、フロントスプリッター、リヤディフューザーに対してダウンフォース25%削減を目指しました。また、さらなる安全性向上のためにコクピット内に後部隔壁を設置し、リヤウインドウの素材もカーボンに変更すること等が認められています」
「スーパーGTはスピードと燃費性能を両立させたエンジンや、より長い距離を走ることができ、かつより速く走ることができるタイヤなど、地球に優しいレースでありながら、かつ世界最速のGTレースを今後も目指していきます」
今後、レクサスLC500はスーパーGT第6戦鈴鹿のレースウイークにも一般向けに展示が予定されており、その後市販車とともに17年春のデビューに向けて、日本国内でテストが行われていく予定だ。また、ニッサン、ホンダの新GT500車両は今シーズン最終戦のもてぎでの公開が予定されている。