メルセデスのルイス・ハミルトンが、今週末のベルギーGPでパワーユニット交換によるグリッド降格ペナルティを受ける見込みであると認めた。
合計21戦の今年はドライバーひとりあたりパワーユニットを5基使用でき、パワーユニットを構成する6つのコンポーネントのいずれかが6基目以降に入った場合はグリッドペナルティが科される。初めて6基目のコンポーネントを使用した際には10グリッド、残りのコンポーネントが6基目に入った際には5グリッドが降格される。
ハミルトンは前戦の時点で、ターボチャージャーとMGU-Hをすでに5基使用しており、ペナルティは避けられない状況だった。
ベルギーGP直前に、メルセデスはスパ・フランコルシャンのサーキット特性とオーバーテイクが可能であることを考慮し、ベルギーで新コンポーネントを投入することを決めたと伝えられており、木曜記者会見でハミルトンはそれを認めた。
現在の規則では、最大でもグリッド最後尾への降格となり、決勝中のタイムペナルティは科されないため、一度に大量の新コンポーネントを投入してプールし、シーズン末まで乗り切るという戦略も可能であり、ハミルトンは以前、一度に2基分の交換を行う可能性があると示唆していた。
しかし今回どれだけのパーツを交換するかはまだ明らかになっていない。木曜の時点でメルセデスはペナルティの程度については「詳細をお伝えすることはできない」と述べている。
「今週末、ペナルティを受ける」とハミルトンは語った。
「僕にはもうエンジンが残っていない。(降格ペナルティによる)影響を最小限に抑えられるよう全力を尽くす」
「ペナルティを受けても、夏休み前の勢いを維持できると思う」
「勝つのが目標だけど、それはかなり難しいだろう。今のレギュレーションになって3年目になり、他のマシンとの差は縮まっている」
「レッドブルは何度かかなりの速さを見せているし、フェラーリを含め、どのチームもそうだ。過去2年と比べるとレース中に順位を上げていくのは簡単ではないだろう」
「2年前のハンガリーでは他とのギャップが大きかったから、(ピットレーンスタートで)3位に入れた。でも今回同じことをするのは簡単ではないだろう」
「ポイント圏内に入れればいいなと思っている」
信頼性のトラブルによってドライバーがペナルティを受けなければならない状況をどう思うかと聞かれたハミルトンは「F1はチームのスポーツだ」と答えた。
「力不足とは考えていない。経験を積む機会だと思う。問題が起これば、そこからたくさんのことを学べるからね。それによって問題が再発しなくなる」
「ただ、僕が実験用のマウスのようになっているのは残念だ。他のメルセデスエンジンには僕に起きたような問題は起こらない。僕がすべての問題をテストしているような形になっている」
ハミルトンは現在ポイントリーダーの座についており、2位ニコ・ロズベルグとの差は19点だ。