過剰な接客サービスを要求されがちな日本の飲食業。店員はどんな客にも失礼のないよう、明るく手際よく接客しなくてはならないとされている。働く人は少しでも客の意に添わなければ、「店長呼んで来い」と面倒なことになる強迫観念がどこかにあるのでは。
これをさらに加速させるのが、顧客の声を集める「アンケート」。店員の接客態度を評価する手段のひとつだが、記入が面倒で大量回収は難しいと思われてきた。ところが8月24日放送の「スッキリ!」(日テレ)では、レシートを使った簡単な方法を紹介。良くできてはいるのだが、店員にさらなるプレッシャーだなあと感じたので紹介したい。(ライター:okei)
スタッフルームにランキングを貼り出すなんて…
実施しているのは、足柄サービスエリア(静岡・御殿場市)のロッテリア。客が購入後、不要レシートをレジ前にある「良かった」「普通」「悪かった」の箱いずれかに入れることで、接客態度が評価されるのだ。
これを「アイデアだけでサービス向上」と紹介していたが、接客直後に目の前で判定されるのだから、否が応でも接客に力を入れなくてはならない。
本田一樹店長(34)が「簡単な方法でアンケートをとれる」と考案し、この店独自で行っている。レシートにはレジ担当の番号が記載され、ランキングが毎週スタッフルームに貼り出される。すべての店員の得票数と順位が記載され、1位の名前がでかでかと表示。優劣が一目瞭然だ。これがスタッフの意識向上につながり、接客がより丁寧になったという。
しかし結果を晒すのは、営業社員の営業成績がグラフで貼り出されるようなもの。ほとんどが時給で働くアルバイトたちには過度なプレッシャーではないだろうか。上位になったら報奨や時給アップなど、評価に見合った待遇があるような話は出ていなかった。
AKB48ショップでは3年前から実施していた!
ツイッター上では視聴者から、「なかなか巧みで感心してしまった。誰でも思いつくレベルだけど、やってるとこはみたことない」と称賛する声が上がっている。その一方で、働く人にプレッシャーをかける店長の手法に嫌悪感を示す人も目立った。
「ええやん他の店舗でもやればいいじゃん!と思ったけど、投票結果でガッツリランキング表作ってるの見てドン引きしたw」
「店長が社内での評価上げるためにした計画の押し付けでしかない。」
ただ、これは特に珍しい手法ではなく、「AKBSHOPでもとっくにやってる」との指摘も。2013年5月の「AKB48カフェ&ショップ秋葉原のブログ」には、「その調子!」「まあ、いいんじゃない」「うーん…いまいち?」「ちゃんとやれ!」という箱の写真が載っている。
MCの加藤浩次は説明を聞いた時点から「仕事ままならねえよ!」と苦笑い。目の前で評価されるので頑張れるとスタッフにも好評との紹介にも「ヤダとは言えないよね!」と突っ込み、「怖がっちゃって噛みまくるわ、俺だったら」と、終始俺が店員だったらこんなシステムは嫌だと言わんばかりだった。
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