ルイス・ハミルトンは、2016年シーズンはキャリアで最も難しいシーズンであり、今季のF1タイトル獲得は、これまでの3度のタイトルよりも価値のあるものになると考えている。
ハミルトンは今シーズン、信頼性の欠如に悩まされている。結果としてスペインGP終了時点では、チームメイトであり、ライバルでもあるニコ・ロズベルグに43ポイントもの差をつけられていた。その後は7レース中6レースで勝利し、サマーブレイク前には19ポイント差での逆転に成功。しかしオーストリアGPでターボチャージャーとMGU-Hが使用可能な上限数の5基に達したため、今後は1レースで複数のペナルティを受ける覚悟で、シーズン最後まで戦えるだけのコンポーネント数を確保するという。
「(他のシーズンでも)好調と不調を繰り返したことはあるが、とくに今季は困難だ。僕が集中できていないとか、トレーニングや時間が足りないということが原因ではなく、外的要因によるものだからね。だけど、本当に良い経験になっているし、気持ちも強く保てているから、何が起きても対応できる」
今シーズンの難しさがタイトルをより価値のあるものにするかと聞かれると、ハミルトンは「そう思うよ」と答えた。
「すべての勝利に異なるストーリーがある。楽なこともあれば、難しいこともある。ストレスを多く感じるときもあるし、調子が良いときもある。すべてにおいて、違う感触を感じているんだ。勝つたびに、より楽しめるようになっている。タイトルを獲得したシーズンは、それぞれが違う道のりだった。この旅路を望む場所で終えることができれば、これまでに感じたこともないほど素晴らしい気分になれるだろう」
ハミルトンは今季のサマーブレイクでは休息と集中のバランスを取ることを優先させたと言う。
「休暇中にトレーニングや多くのことをしすぎて、戻ったときには疲れきっていたということもあった。(2015年は)トレーニングもしたけれど、それが最優先ではなかった。たくさんの最高な人たちに囲まれて、自分のいる場所自体を楽しむことができて、素晴らしい休暇だったよ。エネルギーにあふれた状態で戻ることができた。タイトルを獲得するという最終的な目標から目をそらすことなく、世界を見て、いろいろなことをしていたいんだ」