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ホリエモンの「大学ムダ論」を、ふかわがフォロー 「大学に行けばなんとかなるっていう甘えた考えにムチを打ちたいっていうこと」

2016年08月25日 06:00  キャリコネニュース

キャリコネニュース

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「大学に行くのはお金と時間のムダ」と題したホリエモンのインタビュー記事が、ネット上で物議を醸している。せっかく合格した東大を中退しているホリエモンだが、「そもそも大学にはほとんど通っていなかった」のだとか。

さらに東大を含めて、ほとんどの日本の大学は「実務的に使える教育なんか一切やっていない」とバッサリ切り捨て、「学問の場としてまだ必要」という意見にこう返している。

「今なら(学問に必要な情報は)ネットで幾らでもアクセス可能だと思うし、(通学期間や学費は)コスパ悪すぎなんだけどなあ」

若林史江は「安い啓発本みたい」と不満

この記事を取り上げたのは、8月15日の「5時に夢中!」(TOKYO MX)。いかにもホリエモンらしい持論に異議を唱えたのは、株式トレーダーの若林史江だ。

「なんか、上から目線の安い啓発本の中に書いてあるようなハナシ」と一蹴した若林は、今の社会が大学に出ていないとそれなりに認められない社会であり、親が許すのであれば大学を出させてあげるのが筋だとし、こう反論した。

「そこを勝手に無駄だと言い放ってしまって、それを読んだ子どもたちが『なんだ、大学ってムダなんだ。行ったってしょうがないじゃん。世の中には算数も理科も社会も関係ないんだ』ってなったら大変なことになるよ!」

算数と大学を結びつけるのは無理がある気がするが……。あまりの勢いに、司会のふかわりょうは思わずニヤリ。「いいですねぇー。私の中でゴングが鳴りました」と、同番組に隔週レギュラーで出演するホリエモンとのバトルを期待している様子だ。

父の会社の倒産で大学を諦め、学歴コンプレックスがあるという若林。大学なんて行くもんじゃないよ系助言について「出た人たちの言うそういうことって、逆にいいかげんというか、雑な言い方になっている気がする」とも。うーん、気持ちは分かるけど、コンプレックスが根本にあると、結論ありきで公平な議論のしようがない。

賛同者「日本の大学は教授の失業対策」

若林の剣幕に、ふかわは「擁護するわけじゃないですけど、堀江さんも愛情表現なんですが、ちょっと説明が足りないケースが多くて。大学に行けばなんとかなるっていう甘えた考えにムチを打ちたいっていうこと」とフォローしていた。

確かにホリエモンは「大学は不要」と断じているわけではなく、ホンキで勉強したいんだったらコスパのいい別の方法もある、自分で起業すれば学歴など問われないと言っているだけだ。ネットにはホリエモンの持論に対し、共感の声がある。

「日本の大学は大学教授の失業対策事業だ。残念ながらホリエモンの言う通りだ。研究者を目指すのでなければ高卒でいったん就職して、実社会に出てから勉強したいテーマができたら大学に行き直せる世の中にすべきだ」
「俺はホリエモンは嫌いだが、今の発言は正しいんじゃないか?実際俺の住んでる所に大学が3つあるけれど、ほとんどの奴らが遊びに来ているみたいだ。こんな奴らに国を任せられるか?」

対する反発の声は、以下のようなもの。

「大学は教養を身につける場であって会社の実務を学ぶ場では無いぞ」
「ホリエモンの主張は、所詮、起業家になるなら、という極めて限定された立場からのそれをであって、大学の存在、大学教育の重要性は論を待たない」

何がムダかなんて、人生が終わるまで分からないが

経済的な理由で大学に行かなかった人からは「短大以上は絶対に行ってください!」という声もあった。高卒で就職した人が転職するには、日本の社会はあまりにも厳しいというのだ。ただしこれは、いまの日本社会で必要とされている大学卒のラベルが、内容の伴ったものかを疑うホリエモンの指摘と矛盾するものではないだろう。

ちなみに筆者の妹は関西の有名私立大学に一浪して入り卒業したが、その後就職した会社を1年余りで退社した。付き合っていた彼氏との間に子どもができ、仕事より結婚を選んだからだ。実家は裕福ではない。浪人時代の予備校費用に高い学費、無理して払った親の負担を考えると、妹の大学は、ハッキリいって「ムダ」だったのかもしれない。

しかし、それも結果論だ。第一、結婚相手とはその大学で出会っている。そう考えると、妹の人生において大学はやはり「必然」だったのかもしれない。何がムダだったかどうかなんて、人生が終了するその時まで分かりようがないのではないか。

とはいえ、大学がなくなって日本の社会が本当に困るのか、どうにも使えない大学や講義が多すぎるのではというホリエモンの問題提起とは、また別の話ではあるのだが。(文:みゆくらけん)

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